アラネア あるクモのぼうけん | プラネタ旅日記

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児童書専門古本店プラネタ(無店舗)の管理人が細々~となにやら呟いております。大半は読書記録。時々頭の悪さと猫馬鹿具合を炸裂させてます。

大岡 信
アラネア―あるクモのぼうけん (1979年)

「あるクモのぼうけん」とある通り、お話の主人公は1匹のクモです。

虫全般、嫌いな私……。

虫が主人公の本なんて、滅多に読まないのですが、表紙と名前の「アラネア」に惹かれて読んでみました。


1匹のクモにとって、世界は何て広く大きく、抗いようのないところなんでしょうか。

木の葉の影に隠れて日々を過ごし、嵐に流されて人間の家に入り込み……、一生懸命、生きていく姿。

普段、クモなんて見ると、「きもちわるい」「怖い」としか感じられないし、子どもの頃からクモは本当に苦手なのですが、この本を読むと、(絵の作用でもあるのでしょうけれど)可愛いと感じられます。


クモは苦手……と言いながらも、思い出してみれば、子供の頃にはよく、クモの巣を壊して遊んだものです。

枝の先に巻きつけて、「綿菓子!」とか、「糸巻き!」とか言って……。

悪戯心とか意地悪心とかなくやっていましたが、クモにとっては迷惑甚だしいことですね。

一生懸命張った巣が一瞬で壊されるのですから……。

「一分の虫にも五分の魂」と言う言葉を思い出す本でした。


そう言えば、昔何かの本で、クモの糸でドレスを作ると言うお話があったような……。