- ジョイス・キャロル オーツ, Joyce Carol Oates, 大嶌 双恵
- フリーキー・グリーンアイ
出版社 / 著者からの内容紹介
ノーベル文学賞候補ジョイス・C・オーツが贈る、YAミステリの傑作!
ほんとうは打ちあけたかった。
ぼんやりとした記憶の底にある、あの音。こわかった……
夢だと思っていたことを、思い出さなくては。
そして、あの人の「日記」が見つかった。
ジョイス・キャロル・オーツがミステリアスに描き出す、少女のなかの小さな狂気。
何だか重そうな内容なので、サクサクとは読めないんじゃないかなと思っていたら、意外にもさっくり読めてしまいました。
と言うか、続きが気になって読み終えるまで眠れませんでした……。
「もしかして」と思いながら読んで、「ああやっぱり」と言う結末なのですが、何時、フランキーが勇気を出して真実を思い出し、声をあげてくれるのかと思うと、絶対に途中で止めることは出来ません。
主人公の少女らしいと言うか、子供らしい(思春期らしい)心情がなんとも分かりやすく、それが分かる故に切なく、可哀想になってしまう。かなり感情移入しやすいストーリーでした。
ヒーローの父親、芸術家の母親。父に憧れる兄と大人しい妹。
極々普通の家庭、金銭的にも恵まれた幸せそうな家庭が実は……。
しかもあの結末。
うーん、やっぱりそう来るのね……(涙)
読了後に悲しさや寂しさだけが残るわけでなく、一応、清清しさ?みたいなものを感じられるけれど……。
やっぱり何だか切ないような。
パパやお兄さんとは、一生分かり合えないんだろうなと思うと、尚。
YAだけど、普通に大人が読んでも十分に満足できる内容のような気がします。
テレビドラマや映画にでもなりそうな……。