ずっと雨だ。
曇天ならいいものの雨だ。
大粒の雨が顔にかかって気持ち悪いし、
風でもう目も開けていられない。
傘なんてとっくに壊れてその役目を果たしてなかった。
雨宿りしようにも近くにある軒先や木の下は満杯で誰も譲ろうとはしてくれない。
その中の一人と目が合うと気まずそうに反らされる視線。
そりゃそうだ。
自分があんたの立場だったらそうする。
濡れたくないし。
ああでもこのままだったら風邪ひくな。
どうしよう。
ていうかそろそろ止めばいいと思うよ、この雨。
止む気配すらねーし。
あー、ちくしょう。


「濡れますよ」


後ろから差し出された傘に一拍置いて

「もう濡れてますよ」と返した。


「あんたの傘、強そうでいいな」
「先ほど買い替えたばかりなんです」
「…」

今度から俺もそうしよう。
(気付けよ俺)