Oriolus Monachaa(モナカ) 購入レビュー | シュシュ星からの贈り物

Oriolus Monachaa(モナカ) 購入レビュー

 

(一般的に)かなり高額な商品となるため、本レビューが役に立つ機会は限りなく少ないかと思いますが、購入したので備忘録的にいつも通りレビューを記載しておきます

類を見ないそのドライバー構成に惹かれ、欲しいなとは思っていたのですが、見るたびに値上げが行われ、コリャダメだと思っていた矢先、FUJIYA AVICさんが『春のヘッドフォン祭 2024 開催記念セール』と銘打って破格値で販売されていたため、どうにかこうにかお金を工面して購入してみました。

 

今回の製品はコチラ ↓

 

 

 

商品名   : Monachaa(モナカ)
メーカー名 : Oriolus(オリオラス)/ 株式会社サイラス

 

Oriolusとは?

Oriolusは、株式会社サイラスがハイエンドオーディオ向けとして2015年に立ち上げた日本発のオーディオブランド。
立ち上げには、ヒビノインターサウンド株式会社のエンジニアリングチームとiBasso AudioのDAPやポタアンなどの音響回路担当者(マスター・ラオウ)が参画とのこと。

ヘッドホン、イヤホンだけではなく至高のオーディオ機器をご提供することを目的に多様な音響製品を開発・販売。

Oriolusは、3BA+1DDの『ORIOLUS(オリオラス)』を皮切りに、現在では低価格製品としては1DDの『Isabellae(イザベラ)』~フラグシップ製品としては、100万越えの『Traillii Japan (JP) version(トライリー)(※発売当初2020年は66万?)と言うラインナップを展開しています。

 

Monachaaについて

2023年11月25日に、264,000円(税込)で発売を開始。
Oriolusの製品名は、ウグイスの種類の学名から取っているとのことで名前からその製品の特長を掴むのは難しそうです。


特徴としては以下になります。

  • 業界初のクアッドダイナミックドライバー(4DD)構成を採用
  • 四角形型/カーボンナノテックコート/不活性材料コート/チタンコートと異なるダイヤフラムを持つ4つのDDを採用
  • PW Audio特注ケーブルが付属
  • バンナイズ特注ケースが付属
     

2024に入って価格改定が行われ、以下の販売価格となっています(2024年5月現在)

  1. 2024年1月13日には、330,000円(税込)
  2. 2024年3月1日には、オープン価格記載(実売 352,000円(税込))

と、合計で10万近い値上げになっています。
理由としては、以下らしいです。
 

1回目:国内価格が世界の価格と比較して低価格となっており、一定のグローバル基準に合わせる形で価格改定を実施。
2回目:原材料費及び製造・物流コストの高騰の影響

 

 

BOXと開封

 

飾り気のないダンボール箱が外箱になります。
右上の「Monachaa」のシールが唯一正面から製品性を伺うことが出来る点になります。

 

 

上面には、ブランド名・型番・社名・日本製造の記載と特価用のバーコードが貼られていました。

その他の面には何もなしなので割愛します。

 

 

開封すると、中には日本メーカーであるバンナイズの「特注イヤホンケース」が現れます。
耐久性に優れたナイロン素材が用いられたセミハードタイプとなっています。
 

 

 

こちらのケースは、天面に「Oriolus JAPAN」とワッペンが縫われ、特注感を漂わせて来ます。

留め具としては、スナップボタンが採用されており、簡単には開かない(外れない)感じになっています。

 

 

開けると中には、付属品一式が入っておりました。

  • イヤホン本体
  • PW Audioケーブル
  • ラウンド ツイン チューブ(赤い輪っか状のヤツ:バンナイズ製)
  • イヤピ一式(フォームタイプとシリコンタイプの2種)
  • クリーニングツール
  • コードクリップ

ケーブルコネクタ部には保護目的の果物ネットのようなものが付いていました。

塩ビフィルムを貼っているものはよく見ますが、このタイプは初めて遭遇!!

まぁ、良いのではないでしょうか?

 

 

 

ちなみに、以前に購入したFAudio - Project Y 付属のバンナイズ製ケースと比較するとかなり大きいことが分かるかと思います。

体積的には2倍近いサイズ感に思います。

 

 

イヤホン本体は、デフォルトでフォームタイプのイヤピが付属していました。

 

 

筐体は、光硬化樹脂(レジン)となっており、材質的な重さはあまり感じないと思います。

ケーブルの接続部は凹み形状となっており、一般的な2PINケーブルの突起部がはめ込まれることで、使用時のPin曲げなどの事故を防ぎやすくなっている点は高評価。

※一部の中華製品に見られるケーブル側の凸部がないケーブルは使用できないことは考慮が必要です。

 

筐体カラーに関しては、写真だと青寄りに見えている気もしますが、実際は紫味を含んだ青となっております。

フェイスプレート部の金紛塗装とOriolusのロゴは、コートで覆われており、段差もなく綺麗な面を構成しています。

 

ベントは、ケーブル接続部前方に1つだけ開いていますが、常識的な音量で聴いている分には音漏れは気にしないで良さそうです。

 

 

ケーブルについては、詳細仕様が出ておらず、銅線を使用しているとのこと。

標準で4.4mmプラグとなっており、3.5mm運用の方などは注意が必要。

 

 

スペック

ドライバー数 4ドライバー

  • DD(Low ×1)
  • DD(Mid  x2)
  • DD(High x1)

出力音圧レベル  111dB/mW

周波数特性    20Hz~40kHz

インピーダンス  240ohm

ケーブル     PW audio製特注Ensemblケーブル(銅線)

プラグ      4.4mm Balanced

 

 

音に関する雑感

私:dkの主観によるレビューとなり客観性を持ったものではありません。購入時の参考程度にご活用ください。
  イヤーピースについて、付属を極力使わない方針のため変更しての評価となります。
  エージング:50時間くらい

 

 

 評価環境

DAP   : SONY NW-WM1Am2 (音調:ソースダイレクト + ハイゲイン)
イヤホン : Oriolus Monachaa
イヤピ  : Spinfit CP100+
ケーブル : 付属ケーブル(4.4mm)

 

 

 音質レビュー

高音域 ★★★★★
・芯のある質感の良い鳴り方
・明瞭で輪郭がしっかりとしている
・煌めきや輝きを持っている
・レスポンスはかなり良い

・ギリギリ刺さり気味になる場合アリ(聴ける範囲には思う)

中音域 ★★★★★
・かなり明瞭

・音の輪郭は滑らか(鈍くはない)

・適度な残響感を持ち、上への伸びやかさを感じる

・レスポンスは良好

・音の厚みを感じるが風通しは良い

・他の帯域に比べ、一歩引いているが埋もれない
・中低域は少し湿っぽさを感じるが、中高域はサラッとしている印象
・情緒性を得られる


低音域 ★★★★★
・バランスよくしっかりと鳴っている
・深みは感じるがレスポンスが良くサッパリした印象
・質感がかなり良いと感じる
・音の厚みをかなり感じるが膨張感はない

・量感がしっかりしており体の芯で感じ取れる

・低域のドライバーがかなり良い仕事してる
 

解像度 ★★★★★
・高音域の解像度は高いと感じる
・中音域の解像度は高いと感じる
・低音域の解像度は気持ち高めと感じる(もう少し欲しいとも感じる)

 
分離感 ★★★★★
・しっかりと個々の音を聴き分け追うことが出来る

・同じ空間の別レイヤー感を感じるくらい定位感は良い
 
音場  ★★★★
・音場はそこまで広くはない

・閉塞感がまったくないため実際の音場以上に広く錯覚させる
・音の発生源は、頭部内中央~頭部周囲(サブベースは頭部付け根後ろ当たりに感じる)
・オケ楽曲だと、ホール1階の前列~中列ほどの印象

・全体のバランスはかなり整っている
 
装着感 ★★★★☆
・個人的には長時間装着でも問題なし
・付属ケーブルがちょっと重い気がする

 

 

総評

うちの手持ちの中だと、一番総合的に良い音を鳴らしていると感じます。

WM1AM2では鳴らしきれないかとも思ったのですが、大きな問題はないと感じます。

出力の強いDAPやアンプは持ってないので、ちょっと分からないですが多分大丈夫。

 

個人的にダイナミックドライバーの音が好きであることもありますが、4DDと言う構成で違和感のない滑らかで自然な発声を実現しつつ、ジャンル問わず、DDの豊かさや抱擁感を感じる音色をしっかりと聴かせてくれています。

 

POPs、JAZZ、Rap、R&B、Rock、デスメタル、オーケストラなど聴いてみましたが、全くダメと言うものはなくすべて卒なく聴かせてくれます。

 

また筐体も美しく、ハンドペイントと思われる金色の部分もサンプルと相違ない品質で提供されています。

 

個人的に感じた残念ポイントは、以下の3点のみになります。

  • 外箱がシンプル過ぎる(高額商品なので包装から満足度を高めて欲しい)
  • キャリングケースが大きく、(スナップボタンが)閉じにくい

 

私の中ではマスターピースであると断言出来る製品だと感じます。

ケーブルも特注と言うだけあり問題のない性能を発揮してくれており、イヤピの交換で微調整する感じで基本は良さそうに思います。

※手持ちの数万程度のケーブルでは向上する印象はないかなと…

 

もし、ご予算・ご都合が合えば、購入候補に入れてみることをお勧め致します。

 

Oriolusの他の製品も気になる良いイヤホンでした。👍✨

 

 

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