Unique Melody - Maverick Ti 購入レビュー
2024年、明けましておめでとうございます。
今年は、昨年以上に元気にやっていきたいところです。
で、またまたイヤホンのレビューになります。
今回購入したUnique Melodyについては、5年くらい前に巷での評判が良かったMaverick iiを視聴した際に、鳴り方が気にいらなかったので以降はUnique Melodyを避けていたのですが、2023年、年の瀬にeイヤホンが開催したシークレットセールでかなりの特価で未開封品が販売されましたので購入しました。
欲しかったというより、安かったので勢いで購入してしまったものとなります。
13万(定価:15万)の製品が5万なら特攻するしかないでしょう。
と言うことで・・・
今回紹介する製品は、2020年に発売を開始したUnique Melody Maverick Ti となります。
商品名 :Maverick Ti
メーカー名:Unique Melody(ユニークメロディ)
スペック(公式抜粋)
ドライバー ハイブリッド型
ドライバー構成 6ドライバー
- Low x 1(dynamic)
- Low/Mid x 1
- Mid x 1
- High x 2+1(Custom Semi-open BA For T.F.A.T)
周波数特性 20Hz - 20kHz
入力感度 120dB SPL/mW
インピーダンス 28Ω
イヤホン端子 MMCX 端子
入力端子 3.5mmミニ端子
Unique Melodyとは・・・
中国広東省に本社を構えるオーディオメーカーでミドルレンジ~ハイレンジの商品を販売し、革新、技術、新技術、そして新しいテクノロジーを取り入れて、よりユニークなイヤホンオーディオ製品作りに果敢に挑戦するオーディオ会社とのこと。
Maverick Ti について
販売代理店 MixWave さんの記載を引用すると・・・
MAVERICKの名を冠するモデルの最大の特徴は、異なるドライバーを複雑に組み合わせた設計であるにも関わらず、非常にシームレスな音の繋がりが、ハイブリッド型イヤホンとしての新たな可能性を感じさせてくれる。
Maverick Tiで実現したかったのは、10畳程度のスタジオルームに、ニアフィールドモニタースピーカーが配置された空間で、真摯に音と向き合うシチュエーションを貴方の頭の中に描くこと。
と言うことです。
製品名の『Ti』は”チタニウム”を示しており、金属3Dプリンターで作られたチタニウム筐体と「T.F.A.T (Targeting Frequency Adjustment Technology)」というUM独自の技術の採用など挑戦的なモデルとなっています。
MaverickってUMの公式に載っていないのですが、MixWaveとの共同開発商品らしいので海外情報も無いようです。
T.F.A.T (Targeting Frequency Adjustment Technology)とは?
独自設計のセミオープン型BAドライバーをイヤホン筐体内に設置し、音響設計上意図していない「ピークノイズ」に対する特定の逆位相信号を発生させ、ピークノイズをコントロールするという技術。とのこと。
ザックリ言うとノイズキャンセルのように音を打ち消すためのドライバーを1つ入れているって話ですかね。
音導管の出口に一個付いている四角いものが、”T.F.A.T用のBAドライバー”だと思います。
この技術、MAVERICKシリーズにしか使っていないようなので、どうなんだろうかと思わずにいられない。
製品紹介
パッケージはシンプルですが、しっかりとした厚みと硬さを持った良い箱です。
梱包としては、シュリンクはされておらずプチプチで梱包されていました。
バーコード貼ってあるのでこちらが正式な梱包のようです。
開封すると2段構成になっており、上段にキャリーケース、下段に細かい付属品などが入っています。
下段の付属品は上記。
MixWaveの保証書が付いてます。
MixWaveのぺーじでは、「AZLA SednaEarfit XELASTEC」とあるのですが、コンプライになっているようです。(未開封のため中身は未確認)
かなりしっかりしている縫製で質の高さを感じます。
※綿棒は付属していません。
中には仕切りが用意され筐体にキズが付かないように配慮されています。
コレ、取り出す際にどう出したらいいのか分からず、ケーブルと一度外して取り出したのですが・・・
マジックテープで固定されていました。(かなりガッチリ付いていたので気付かなかった)
イヤホン本体としては、こんな感じ。
ポイントとして、オシャレ細工加工されています。
この辺りはMoondrop 雪月花にも通ずる意匠になっています。
写真だと分かりにくと思いますが、結構厚みがありサイズ的にも結構大きく感じます。
重さは見た目ほどはありませんが、サイズ的に安定性が低く重さを感じる気がします。
(イヤーピースが合っていない気もするが・・・)
音に関する雑感
私:dkの主観によるレビューとなり客観性を持ったものではありません。購入時の参考程度にご活用ください。
エージング:20時間前後
エージング:20時間前後
評価環境
DAP : SONY NW-WM1Am2 (音調:ソースダイレクト + ローゲイン)
イヤホン : Unique Melody Maverick Ti
イヤピ : Spin Fit W1 (L)
ケーブル : 付属ケーブル(3.5mm)
音質レビュー
高音域 ★★★★☆
- 音は気持ち柔らかめ
- 量感を持った響きの綺麗な鳴り方
- キレが良い(気がする)
- 結構前に出てる印象
- 輪郭はシャッキリしている
中音域 ★★★★★
- クリアで伸びやかな鳴り(特に中高音)
- しっとりした感じもある
- 量感はあるが音が軽く感じる
- 輪郭は丸く柔らか
- レスポンスは良い(と思う)
- 中低音は0.25歩引いていると感じる楽曲あり
低音域 ★★★☆☆
- 他の音域に潰され埋もれやすい
- 基本押しが弱い(出てないわけじゃないっぽい)
- レスポンスは緩い印象
※ 現状、DDをどこかに落としてきたかの如く。エージングでの変化に期待。
※ 装着感の問題で音が抜けている気もするが・・・・ - チェロ独奏だとちょっと音が堅く感じる(深みが弱い)
解像度 ★★★★☆
- 低音域の解像度は普通に感じる
- 中音域の解像度は普通かちょっと高く感じる
- 高音域の解像度は高く感じる
分離感 ★★★★★
- 高いと感じる
音場 ★★★★☆
- 閉塞感はなく気持ちいい残響を感じる
- 奥に伸びる印象はなく広さは感じない
- かといって頭の中に押し込められたような閉塞感もなく心地よい
装着感 ★☆☆☆☆
- 耳穴に負荷が掛かっているのを感じる
- ケーブルに耳掛け固定用の針金入っているが安定性にはあまり寄与していない
- ずっと付けていると徐々にズレてくる印象
総評
最初に大きな指摘として伝えるべきポイントとしては、以下の2点。
- 装着感に大きな課題を感じる(徐々にズレていくことがアリ、しっくりこない)
- 音自体はかなり良い部類
装着感が一番の障害になるはずなので、購入を検討される方で無駄遣いは出来ないという方は、かならず(イヤーピースを自前で複数サイズ持って)視聴することをお勧めします。 ※イヤピ交換は必ずショップ定員に相談の上、実施してください。
本製品は、”Unique Melody”の社名に恥じない演出的な音造りが明確にされていると感じるユニークな製品に感じました。
中~高音域がクリアである点と軽やかで伸びやかな響きが特徴的に感じます。
バランスとしては、中高音域を頂点とした山型になっていると思います。
硬さは感じますが音が重くはないという点で使い勝手が良い気がします。
バランスとしては、中高音域を頂点とした山型になっていると思います。
個人的には、オーケストラに最適な製品であると感じます。
ドヴォルザーク「新世界より - 第四楽章」では、オーディオルームでスピーカーで聴いているような印象を受けました。
演奏の強弱をシッカリ表現し、各楽器の定位もシッカリしていることで、公式で記載されている「10畳程度のスタジオルームに、ニアフィールドモニタースピーカーが配置された空間で、真摯に音と向き合うシチュエーションを貴方の頭の中に描くことです。」は共感できる印象を受けました。
ゲームサントラ系も、中音~高音域を主体に構成されているものが多いと感じますので、相性はかなり良いと感じます。
Skid Row 「Subhuman Race」 音は綺麗で個々の楽器を拾いやすいのですが、Skid Rowのエネルギッシュさが感じにくいと思いました。
Ado「永遠のあくる日」は良いと感じますが、「うっせぇわ」は全体的に低音が不足することで物足りなく感じました。
「永遠のあくる日」も完全にAdoの声にフォーカスした印象となり、低音不足によって足元が不安定な気はしてきます。
基本的に聴けないということはありませんが、ボーカルメインであれば他に良い候補は出てくると思います。
クラシックやサントラをメインで聴く方には、本製品の音はオススメできると感じています。
ただし装着感は厳しいと思いますので、ご注意ください。
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