(つづき)
二人目のトレーナーさんは、以前通っていたジムの方だった。
大変なイケメンさんで、語り口調がとてもとても丁寧だった。
主にチェストプレスとペックフライのマシンを使って対象筋にいかに効かせるか、怪我を予防するには何を意識すればよいかを教えていただいた。
広くグリップし、外側から内側に押すと対象筋に効きやすいとか、関節は伸ばし切らない方がよいとか。
しかし、口癖のように「ほとんど自己流」であることをおっしゃっていて、
それを言われてしまうと教わっていることから説得力が落ちてしまうなぁ、
と思った。
なにを教える場合でも、教科書や講義の内容を自分で解釈し、試した結果を伝授するのが一番説得力がある。
そんななか、一番心に残っているのが、私の左乳首を人差し指でビシっと突き、「おむねのきんにく……」とおっしゃったことだ。
シャツの上から私のBボタンが完全にプッシュされている。それもかなり鋭く。
「うっ」と口から出かけた。
そして、おむねがざわざわした。
おむねがざわざわしすぎて、以降の言葉が耳に入ってこなかった。
これ、パーソナルトレーニングあるあるなのかな。
あと覚えているのは、ラットプルダウンを沈墜勁で100kgをすっと上げてみせ、その後チンニングが一回もできない様を見せるとしきりに不思議がっていたことか。
そりゃインチキだからね。
(つづく)