・ということのほどでもない気はするが、紹介状を手に癌専門病院の診察に向かう。本日の検査は血液と尿検査くらいで、その後に診察となる。
・ところで、この病院にはお見舞いで4回ほど来たことがあるが、当時から良い意味で病院らしくない明るい雰囲気が気に入っていた。その頃は、癌患者の家族としての目線からだけれども、苦笑。
・もちろん、ぱっと見で白衣と入院着が目に入るので病院には違いないのだが、昔ながら病院のイメージ(あくまで私のイメージとのギャップです、、)とは程遠い高い天井と木目調の床が病院ならではの重苦しさを和らげている。それに、ファミマだってタリーズだって入っているし、なによりシステム化が進んでおり無駄に待合室やら診察室の前で待たなくて良いのが嬉しい。
・ネックはどこから来ても交通費がバカ高くつくことで、これは家族分を含めるとなかなかのコストとなる。因みに、都心にある嫁の実家からでも電車賃は往復で1,000円を超える。自分は11日間入院していたので、毎日お見舞いに来てくれた嫁の交通費は1万円を軽く超える金額となった。
・もちろん、家族分を入れてもたかだか(と言うには大きいが、、、)数万円のことであるし、当時は交通費のことを考える余裕すらなかった。なんなら、いくらでも払うから癌であることをなかったことにして欲しいとさえ思ったくらいだ。ということで、こんなことにまで気が回るくらい回復したという有難い話と捉えるようにしている。
・癌専門病院の良いところ(!?)の一つは、院内にいるほぼ全ての人が癌患者本人・家族ないしはその利害関係者ということである。これは、なかなか不思議な景色である。
・ここでは、患者であれば基本的には癌である(あった)ことが前提となる。自分のような30代であれば流石に当病院でも「若い」うちに入るようだが、それでも同じくらいの年齢の患者と思われる方は珍しくはない。お互い話しかけることはないが、ひょっとしたら「なんでオレがこの歳でガンなんかに、、、」という理不尽を多少は慰め合えているのかもしれない(そうでないかもしれない)。
・また、これだけの癌患者とその関係者を目の当たりにすると、老若男女を問わず癌になることは普通のことなんだなあというある意味では当たり前のことに気づかされる(日本人の二人に一人は癌になる: http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)。
・自分自身は癌になってしまったことに対して負い目も引け目も感じていない(と思っている)が、今現在でも「若いのに癌になってしまった」という事実にはまだ”慣れ”ていない。なんというか、自分がガンになったということを口に出すのが憚られし、なんだか気恥ずかしいのだ。
・無論、好き好んでペラペラと誰かに話す必要はないし、時には笑いのネタにすることさえあるのだが、ガンになる前とその後での自分自身の価値観なり考え方の違いがあまりにも大きく、ふとした時に気づくその差異の大きさに打ちのめされてしまいそうにもなる。
・なかなかうまく表現できないが、癌専門病院に居ると逆に癌であることが普通なのでちょっと気楽な面があるということだ。