私はレースをもっと身近にしたいと思っていますし、楽しいスポーツであってほしいと心から思っています。
ですが、現実にはサーキットは怖いところです。
一つ間違いがあれば命を落としてしまう場所でもあります。
もう20年以上前の話です。
私がチームを始める時に同期の友人を誘いました。
私が国際に上がる時で彼はまだノービスでした。
速いライダーでしたが結果がともなわずにいました。
もうレースをやめようか?
そんな相談でした。
チームを立ち上げるからもう1年やってみたら?
そんな声をかけました。
その年の筑波選手権GP125のレースでスタート直後1ヘアで転倒。
後続車にひかれてしまい、それから数ヵ月後亡くなりました。
それまではサーキットで人が死ぬって事は他人事のように思っていました。
ミニバイクでも死亡事故は起きていますし、隣のピットのライダーが帰ってこないって事も。
今さっきまでタイヤウォーマーまいていて、メカニックと談笑していて、ピットから出て行って、それが最後。
ルールやマナーを守る事はもちろんですが、私たちの仕事も重い責任があります。
ライダーもメカニックも緊張感は必要です。
楽しい事も大事ですが、それは一つ間違えれば命を落とすスポーツだという事も今一度考えてみる必要はあると思います。