今日はNSRミニ、NSF100のリアサスのOHをしていた。
ちょうど一年前から使用するオイルが決まってそれからの変更は無い。
使用するオイル、使用する機械は何も変わっていないが、この1年で作業レベルは格段に進歩している。
それはなぜか?
1年前までは「物」を変更することによって性能を上げようとしていたんだ。
そのことが間違いだった。
NSR、NSFのサスペンションはシンプルな構造なので、ごまかしのきかない繊細なものだった。
加工や物の変更で性能を向上させるのではなく、いかに正確に組み上げるかが問題だった。
それが完璧にできていなければOHも意味の無いことになってしまう。
組み上げるたびにもっと完璧に、もっと完璧にと思いを込める。
そうして日々作業していくうちに改善点が見つかり進歩していく。
その積み重ねで昨年より進歩したんだ。
ノーマルを忠実に再現していく作業は奥深く難しいことだった。
皆さんは決定的な性能の進歩を望むかもしれないが、それは間違いだ。
そのためにクァンタムやオーリンズ、ナイトロンのアフターパーツメーカーがあるんだ。
まだまだ技術的に満足できるレベルではないが、これからも進化できると思っている。
一通り組み上げて、手動でできる限りのエア抜きをしてから真空装置にセットする。
圧送されるオイルも真空引きされる。
余分なガスもここで抜かれる。
安定したオイルが送り込まれるんだ。
作業後さらに手動でエア抜きの確認作業をほどこす。
出荷される前に必ず動作チェック+慣らし運転をする。
これだけの設備、時間をかけて出荷されるんだ。
ミニバイクだってレベルが高いことを証明するためにはさらにレベルアップするよ。
ただ悲しいことに、構造上リバウンドは全締めから3mmまでの間での調整になるのが一般的だ。
設備投資のことを考えたら数百本作業しないと元は取れないね。
でも、そんなことはどうでも良いんだ。
技術の向上が唯一私を満足させてくれる。
私のストレス解消法なんだ。
釣りに行ったってお姉ちゃんと温泉(かえって疲れる)に行ったってストレスは解消されない。
技術の向上だけが満足感を与えてくれる。
良い機械があれば迷うことなく設備投資はしていくよ。
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