加筆修正2024.3.16
コグレ(小暮模型)ホンダスポーツ500
1/22 初版1963
 

1963年10月~64年3月頃にかけて、わずか550台前後しか

販売されなかった ホンダスポーツ500/S500 

(生産台数には試作車・量産試作車・S5/600・市販車まで含めると所説あるようで・・・)

コグレは実車販売とほぼ同時にプラモデルを発売。

 
TKK15使用のモーターライズ。
2段変速・ヘッドライト点灯・前輪スプリング・クッションで実車同様のステアリング・後輪は金属板バネクッション
結構凝った作りです。
 
 
 
初版広告(「丸」1964年3月)
この広告では「Sサイズ 全長200ミリ、車巾85ミリ」となっている。
これはコグレが当初企画したBサイズの寸法。
実際に発売されたのはSサイズ 1/22のみで「全長153ミリ 全巾65ミリ」
 
 
本物です。(市販車後期型)
 
現在S500の完全可動車は国内に若干。とてもソフトな乗り心地で
140キロくらい出るそうです。 
 
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市販車のフロントグリルはプレス一体成型なので
縦の線が目立ちます。Mr.S500-FAN氏のS500は縦の線を
黒く塗ってあるそうです。
試作・量産試作車は溶接グリルで縦の線が目立ちません。
キットのフロントグリルは横線3本
 
市販車S500
東京オリンピック(1964 昭和39年)の頃、今から60年前
いまだ車が身近ではなかった時代・・・
ぷらもったは小学校低学年。クラスに自家用車がある家は数軒。
もちろん我が家にもあるわけない。

そんな時代に国産スポーツカー・・それだけでインパクト大でしたね。

 

市販車S500

 

 
 
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初版と1964年の2版との大きな違いは車体下部の電池受けの形状です。
 
初版は電池が下に脱落しそうな形ですが、2版では改良されました。
 
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初版ではスイッチは複雑な構造でしたが、2版ではシンプルになっています。
しかしバンパーは極初期の2分割のままで最後まで改修しませんでした。
 
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ホンダスポーツ500(試作車・量産試作車)
S500は市販車のことで試作・量産試作車はスポーツ500と使い分けてるようです。
 
最初は発売されなかったスポーツ360とほぼ同じサイズ(車幅が同じでテールが若干長いのがスポーツ500)でした。
 
2輪ではすでに世界的になっていたホンダが初めて挑戦した4輪自動車がスポーツ360とスポーツ500。
当初360と500は1963年春と発表されましたが、結局360は発売されませんでした。
 
 
第9回自動車ショーのスポーツ500は初期プロトタイプ(1962年型スポーツ500)でスポーツ360と外見上はほとんど同じです。
・バンパー2分割(後期プロトタイプと市販車は分割なしの1本バンパー)
・フロントグリル横線4本(後期プロトタイプと市販車は3本)
 
初期試作車
360と同じくフロントグリルの横線が4本、バンパー2分割。
 
 
コグレはキットの広告にはこの試作車をよく使ってますが、キットのホイールは後期量産試作車・市販車と同じになってます。
 
中期試作車 車幅が拡大。市販車と同じサイズとなる。
 
コグレ1/22 ホンダS500 2版箱 1964
箱側面にこのアメリカテスト車の画像が載っている。
 
1963年型スポーツ500 後期量産試作車
コグレはこの量産試作車をキット化した?
2版箱の赤いS500はこの広告の車だと思います。
キットのフロントグリルはこの63年型後期量産試作車と同じ横線3本になってます。
ベージュ色のシートは量産試作車の特徴。
 
試作車のトランクフードのエンブレムは「スポーツ500」  
市販車は「Honda S500
 
 
 
鈴鹿サーキット ホンダS500レンタカー案内パンフ 1964?
 
 
完成(1962)したばかりの鈴鹿サーキットで、登場したてのホンダS500を思いっきりすっ飛ばせる!
 
 
パンフ中のレンタカーS500が600円!シートがベージュ色。量産試作車の有効利用でしょうか?
 
 
ホンダは量産試作車で改良を重ね、スポーツ500は
ホンダS500 として1963年10月に発売。
 
コグレは最後までこのエンブレムを「Honda S500」に修正しませんでした。
 
コグレのスポーツ500初版・S500 2版は後期(63年型量産試作車)のキット化?
グリルは3本線ですがバンパーは初期~中期試作車の2分割・・
 
コグレは第9回全日本自動車ショー(1962年10月)を見て、翌1963年の第10回全日本自動車ショーで、量産型S500がお披露目されるのに合わせてキットを販売しょうと、かなり気合を入れて広告したようです。
 
小暮模型は1963年11月、大小2種のスポーツ500/S500
の発売を企画
 
 
コグレは2つのサイズ(Sサイズと大きなBサイズ)を開発してたようです。
 
 
Bサイズ(ビッグサイズ)はカタログによれば・・・
全長200mm 全幅85mmで約1/16~1/17
価格350円で三段変速・速度メーターが動く!
TKK35モーター・単3電池3本
 
1963年11月 少年雑誌「少年ブック付録日本模型全集」にもBサイズ350円として載っています。(Sサイズは載っていません。)
 
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このミニプラモガイドには350円の大きい方(Bサイズ)だけが載ってます。
1963年11月にコグレは広告チラシ(1枚物仮カタログ)を刷り、少年雑誌複数にも広告を出し、さらにコグレのプラモが当たる懸賞を出してます。
 
ホンダスポーツ500 Bサイズが当たる懸賞 1963年11月
コグレの戦車(150円)が50名、ホンダのスポーツ500(350円?)が30名・・
ということは、景品はBサイズのスポーツ500!
当選者発表は2月号と日程まで決まっていたのなら、この11月懸賞の時点でキットは完成していた?
 
当選した30名はBサイズを受けけとったのでしょうか?
2024年現在までのところメーターが動くスポーツ500は発見されてません。
ぎりぎりになって、何らかの理由で発売中止になって、
送られてきたのはSサイズだったのではないでしょうか。
 
しかし、もしかするとBサイズは最初の生産品(ファーストロット)だけは出来ていて、この30名の方々はそれをもらった可能性もあります。
1個でも現存していたら超幻キット
 
次回はその2版箱について書きたいと思います。 
                                                                                             つづく