水平出力管 その1 | アマチュア無線の裏側で

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1970から1980年代の忘れがたい記憶から

当ブログでは目下のところ、最多アクセス記事はトリオの終段管シリーズです。ほとんど検索からの流入なので、恐らくは代替品とか購買情報を求めて来られているのでしょう。ただし、それだけ終段に真空管が現役で使われている背景があるはずなので、テレビの水平出力管に関しても書いてみる事としました。

 

テレビ用の水平出力管は安価にして大出力が得られる手段です。例えばアメリカのハム用機器というと物量と高価格のイメージが強いのですが、当然あちらにも小遣いの乏しい無銭家と廉価品市場は存在し、テレビ球の6LQ6とか6LF6を用いたリニアアンプが昔は販売されていました。ちなみに6LQ6はトリオも採用。また、6LF6は40KG6Aと同様に最大クラス(Pd=40W)の水平出力管です。

 

テレビ球は日本では製造中止になるまでもっぱら八重洲無線が採用を続け、中でも大型の管は6KD6 (Pd=33W)でした。私が初心の頃、雑誌で6KD6は条件が良ければ最大で1Aも流れると読んだ事があります。それどころかピークでは1.4Amax(連続でも0.4A)とかいう数字も規格表には見えます。その1Aという電流値を私が想像する目安は、昔の自転車が搭載していたダイナモ式ヘッドランプの6V/6Wという電球でした。

余談その1 かつて三洋電機・eneloop ブランドで電動アシスト自転車が販売されていましたが、実は三洋と自転車業界の関わりは遥かに古くからあり、ダイナモと投光器とBA15s口金の自転車用電球で長らく主力メーカーでした。

100V/100Wの照明用電球でも1Aですが、そちらはどちらかといえば100Wというパワーの目安でした。ともかくその1Aという電流値が6KD6の(見た目は何も存在しない)真空中を流れるというのがまず直観に反しますし、まして800Vとか1,000Vならそのパワーはいかほどなのかと、最初に想像したのがそのような事でした。

当時のリニアアンプは本当に無茶をしたもので、6KD6の最大定格990Vとか自然空冷許容ブレート損失33Wなどどこ吹く風、1,250Vだとか強制空冷で数秒間なら実損失200Wとかそんな感じです。リニアの世界には「本格的送信管」というキャッチフレーズもありましたが、テレビ球は「本格的消耗品」でした。