以前は「時計、業務日誌、無線検査簿、電波法令集または抄録」が無線局には法定で備付義務があり、落成検査では全部が揃っていることを必ず確認されました。しかし、これらの備品は何度かの省令改正を経て、アマチュア局では2009年までに段階的に免除されています。
私の電話級取得までの情報源はほとんど「子供の科学」誌、それもJA1HMN 野川氏の入門に徹した解説だけでしたから、その教え通りに完全に合法的な開局をしており、もちろん電波法令集も買っていました。法令集も全巻を揃えるのは大変ですが、ハムに必要な部分に限った抄録でも備付義務を果たすとされていたので、それはJARLが昔から安価に刊行していました。こういう働きは非営利的な互助組織あっての恩恵のひとつです。
ところがある時、同級生に法令集は買ったか?と尋ねると、「はぁ?わざわざ買うかよそんなモン」と言い返されてしまいました。これが実態でしたね。当時から落成検査も定期検査も免除されていたJARL認定10W局のところへは誰も「最新版の存在」を確かめには来ませんし、日常の運用で使うものでもないからです。むしろOMに開局指導を受ける機会があった者ほど「買わなくて済む」を実践していたかも知れません。
ハム・ジャーナル誌だったか、とにかくQ&Aで色々と法的な手続き・解釈について質問があった際、「みなさん電波法令集を利用していないのではないか」と回答された事があります。実際、何を変更したらどんな手続きが必要だとか、この資格でこの運用は可能か?などの電波法FAQは抄録を見れば大概わかります。ただし、回答者はこのコメントに「法定の義務なのに持っていないのはお見通しだぞ」というイヤミも込めていたのでしょう。
なお、これも私の駆け出し時頃の記憶ですが、「定期検査時の業務日誌の抄録提出廃止」とのニュースを見た事があります。「ログの抄録」とは私にはちょっと内容の想像がつきませんし、昔はもっと色々と文書関係の義務があったのかも知れません。