11ワットの免許局 | アマチュア無線の裏側で

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1970から1980年代の忘れがたい記憶から

2003年、『無線局免許情報検索』という形で免許情報が公開されたときには、それはもう数々のドラマが展開されたものです。免許内容を偽って加入していたクラブの退会を余儀なくされたりとか、要するにオーバーパワーとか操作範囲外運用の事実が露見してしまったのが(当人にとっては)最低最悪、しかし野次馬には恰好のエサだったので、ネット上では逆SEO対策まで乱れ飛んだ騒ぎになりました。

 

しかし、私の目に止まったのはそのようなハイパワー局の方ではなく、11ワットとか12ワットの免許局が存在することでした。これが大昔に耳にした噂を呼び覚ましてきたのです。それは、私の学校時代(もう卒業していた)先輩がJARL認定を受けない免許をトライして10ワット局を電監に直接申請したところ、「JARLを通してください」と書類が返送されてきたという伝聞話でした。電監に直接、というのは役所の手続きとして本来の申請ルートですから、本当だとしたら担当した電監職員がサービス精神ブラス自己裁量で「無知な入門志願」に「楽チンな方法があるよ」とアドバイスをしたとかはあり得ます。

 

4アマの操作範囲は1996年に20ワットに拡大されていますから、私が見た頃には既に11ワットも自作とかで保証認定を受けた結果かも知れません。しかしそれでも普通は免許状の指定は20ワットで受けますし、それこそ "11" という10ワットを最低限で超えた半端な数字にはどうしても「何か背景」を想像したくなるものです。20ワット増力以前の時代にJARL認定を回避した結果かも知れないのです。

ただしその理由は、JARLにお金を払いたくなかった、とも限りません。移動局なら電監にリグを持ち込んで検査を受ければ結局一番速いのでは? などもあったのかも知れません。