「えっ!?」

 

思わず声が出た。

 

 

 

 

 

 

現代人なので床で飯を食うわけにもいかない。早急に探さなければいけないのはテーブルとイスでした。

 

イスは幸いにもいいものが見つかったので

 

 

 

 

残すところはテーブルのみ。

 

色々と探してみましたがどうもサイズ感と値段。それとデザインに納得がいかず入居の日が近づいてしまいます。

 

 

特に例の変な拘りにより脚の間にH型の足置きがあるのがいいよねと頭の中で思ってしまったのだからもうそれしか考えられなくなりました。

 

 

木の素材感もあってそれなりのものになると平気で20万とか超えてくるので、いっそここは工務店さんに造作で作ってもらおうとお話してみると大体、5~6万でつくることが可能だということでお願いすることにしました。

ただテーブルの色のテイストは少し薄めに変えたかったので自分で塗る為に無塗装でお願いしました。

 

 

しばらく経って、新居の買い出しをしながらご飯屋さんで飯を食べていると工務店さんからの着信。

 

 

「はい。お世話になってます~」

 

「お世話になってます。あの~実はですね~・・・。」

 

「なんですか。なんか声の感じあんまり良くない事ですか?」

 

「えぇ実は・・・。大工さんに無塗装でお願いしたんですけど、なんか気をきかせてくれたのか床や天井と同じオイル塗装をしてくれちゃったんですよ・・・。」

 

「え?塗っちゃったんですか?

 

「そうなんです。シンナーとかで落とすかヤスリで削っちゃえば多少薄くなっていい感じになるとは思うんですけど。」

 

「あ~でも結構手間ですし、一度見てから決めてもいいですか?」

 

「わかりました。じゃあ一度納品するんで見てから決めて下さい。もしあれなら作り直すんで。」

 

 

で、出来上がったのがこちら。

いいね!デザインはシンプルでほしかった形そのままです。

 

足場板の幅をランダムで変えているので寄せ集めの板で作りましたという感じを敢えてだしています。

それを左右の一本の板で留めているのもデザインでお願いしたところ。

 

本当はテーブルにちょっとした引き出しをつけたかったんですが、つけると高さが出て足が組めなくなるので無くしました。

 

そしてこのテーブルで拘った場所。脚の間にH型の支えを作ってもらいました。なんかこれがあると一気に昔の古いテーブル感がでるんですよね。

脚を暴れさせないようにと耐久性を高める為なんでしょうけど自分らはこのデザインのほうが大事。

 

 

理想通りのものができました!色以外はね・・・。

 

でも意外と統一感は出ていて思ったより悪くないので自分達でこれからは使用して、味を出していけばいいかなと思ったのでこのまま納品してもらうことにしました。
 

「見た目は完璧です!色も思ったより悪くないですね~。」

 

「そうですか?大丈夫ですか?」

 

「えぇできれば色は薄い方がよかったですけど全然問題ないですよ!後は使っていきながら気になったら削ったりしてみます。」

 

「そうですか~。僕も大工さん達が気使って塗ってくれたので中々強く言えなくて・・・。」

 

「そうですよね~。お願いしてる立場ですもんね。でも大丈夫です!ありがとうございましたとお伝え下さい!」

 

「はい!今回はすいませんでした。なので」

 

「これ、差し上げますね。」

 

「「えっ!?」」

 

 

嘘でしょ。

 

 

いやいや良いっていってんじゃん!?それなのに割引とかじゃなくてプレゼント!?

 

さすがに罪悪感でちょっと固まる僕。

 

「ホントにいいんですか?」

 

「えぇどうせ駄目だったら作り直すことになったんですから大丈夫です!」

 

「じゃあありがたく・・・。ほんとになんかスイマセン・・・。」

 

 

 

 

こうしてテーブルがタダになりました。

 

本当にこの工務店さんには感謝しかありません。

 

 

大事に使っていい味が出せればと思います。