3人用台本
トイレの神様はセリフ数少ないので兼役でもいいと思います


「ふぅースッキリしたー。さって買い物の続きを…やっば!トイレにカバン忘れてきちゃった!!戻らないと!!」

「うげー誰か入ってるじゃん…(ノック)すみませーん、ここにカバン忘れたんですけど、ちょっと出てもらってもいいですかー?」

『え、ちょっと困るよーこっちは今大事な用を終えて一息ついてる所なんだからさー邪魔しないでよー何様?何様なの?』

「あー、でも、カバンの中にサイフも入ってて、無いと買い物が…」

『お、ホントだ入ってる』

「何勝手に開けてんだ!!」

『いやいや、あなたが本当にこのカバンの持ち主か確認しなきゃいけないじゃない?だからちょっとさー紙とペン渡すから名前書いてもらっていい?そしたら返すよ』

「渡すも何も俺(私)の…てか、その…名前はちょっと…」

『え、なんでよいいでしょ名前書くくらい減るもんじゃないし』

「いやあの…なんというか…」

『早くしてよーこんなこと早く終わらせて僕(私)は安息のトイレタイムに戻りたいの早くしないと第二波が…あっ』

「えええ!ちょっと!その手でサイフとか触らないでくださいよ!?」

『だったら早く名前を…ぐぉぉ』

「だから…名前は…」

『早くしろぉ!!!』

「書けないんですよ!!!」

『はぁ!?自分の名前だろ!!書けよ早く!!』

「漢字が!難しくて!書けないんです!!」

『何アホなこと言ってんだ!アンタ何歳だよ!どれだけ難しくたって普通覚え…なんだこれ…初めて見たぞこの漢字…』

「鬮目(クジメ)って読みます…だから言ったでしょう難しくて書けないって!!ていうか読めたんだから返してくださいよ!!」

『あ、あぁ…疑って悪かっ…ぐおぉぉぉお腹がぁ!!!』

「え!?ちょっと!!ねぇ!先にカバンだけでも!!」

『グァァァァ!!!』


「…ちょっとー、もう3時間も篭ってますけど生きてますー?ていうかいい加減カバンだけでも返してくれませんか?」

『いま…こっちは…それどころじゃ(ゼェハァ)』

「あぁもうめんどくさい!!こうなったら無理矢理…!すみませんが開けますね!!」

『ちょっと…まって…』

「どぉりゃあああああああああぁぁぁ!!」

『ぎゃああああ!!』

「なんで俺(私)のカバンで顔隠してんですか!!やめてくださいよ汚ならしい!!!」

『辛辣すぎる!トイレをしていただけなのに!!』

「俺(私)はカバン忘れただけなんですけど!それじゃ!…って、あれ!?サイフは!?」

『そ、それじゃあ僕(私)はトイレの続きを…』

「ちょっとまて」

『なんですか!!』

「俺(私)のサイフは!?」

『いやーどこいったんでしょうねアハハ』

「ふざけるな!返せよう〇こ野郎!!」

『返せるわけないだろ!流しちゃったんだよ!!』

「流したァ!?人のサイフを!?何やってんだよアンタ!一体なんの恨みがあって…」

『うるせぇ!人の安息の時をジャマしておいて何偉そうに上から見下ろしてんだ!!』

「アンタが座ってんだろうが!!あぁもうどうしよう、身分証とかカードとか色々入ってたのにいいい」

【ザッパーンやぁやぁやぁどうもどうもどうもトイレの神様で御座いますやぁやぁやぁ】

「『なんか出てきたーーー!!!???』」

【えーあなたが落とした、いや流したサイフは金のヴィトンか銀のヴィトンかル〇ヴィトンかどのヴィトンでーすかっっっ!!!】

「金ピカだしキャラ濃いし頭にウ〇コ載せてるしなんだこの神様」

【ウ〇コじゃねーわそういう髪型だわ神様舐めんな】

『舐められるような見た目してるのが悪いだろ』

【うーん辛辣ぅ】

「あーえっと、流しちゃったサイフはヴィ〇ンじゃなくてケイ〇スペードなんですけど」

【おぉぉぉぉうGood!私はGODだけど君はGoodだね!!!正直者の君にはこのケイトス〇ードのサイフを返してあげよう!それじゃあね!!!ばいみー!!!】

「…なんだったんだ一体…でもよかったーこれで買い物が…は!嘘!?お金無くなってる!?アンタが取ったのか!返せよ!!」

『僕(私)じゃねーわ!そこまで意地汚くねーよばーかばーか!良いからトイレさせろよ!!』

「じゃあ一体誰が…まさか…あのウ〇コ頭ーーーー!!!かえしやがれーーー!!!!」

END
アーサー「ふぅ、目的地に着いたな・・・って、お前、なんだその大荷物。」

クラウン「あ?そりゃてめぇ、俺様の仕事道具に決まってんだろ。」
 
アーサー「いや、ターゲット一人やるのにそんなに必要ないだろ・・・」

クラウン「は!?なに!?てめぇ標的だけやったら帰るつもりか!?そりゃねえだろ!手下も全員ぶっ殺すんだよ!そうじゃなきゃ張り合いがねえ!」

アーサー「ターゲットは奴一人だけだ、部下の抹殺は含まれてない。依頼を忘れたのか?」

クラウン「いいやしっかり俺様の頭にインプットされてるぜ!けどそれじゃあ面白くねえだろ!?何のために俺様がお前みたいな堅物とわざわざ組んだかわかるか?300人の部下ごと奴を天国に送ってやるためだよ!本来なら俺様一人で片づけるはずだったのに依頼人の野郎がてめぇと組まなきゃ仕事はさせないだとか抜かしやがったからしかたなく・・・」

アーサー「仕方なく?それはこっちのセリフだ。なんで俺がお前のような殺戮ピエロと組まなきゃならないんだ。」

クラウン「誰が殺戮ピエロだ!てめぇのその可愛い鼻も真っ赤にお化粧してやろうか!?」

アーサー「あぁもうわかった、今更泣き言言っても仕方ない。ターゲットは俺がやるから、それまでお前は待ってろ。そのあと奴の部下がどうなろうとしったこっちゃない。好きにしろ。」

クラウン「そうだよそれでいい!んじゃ、標的は任せたぜ!ックーー!早くぶっ殺してえーーー!」

アーサー「はぁ、いいか、部下をやるのはターゲットを殺してからだ。じゃなきゃ俺が危ない。もし下手な真似したらお前もターゲットの一人に入れてやるからな。」

クラウン「言うねぇ!お前とは一度でいいから殺しあってみたかったんだよ!なんなら今からやるか?準備運動にはもってこいだろ!!」

アーサー「寝言は寝て言え。それじゃ、そろそろ始めるぞ。」

クラウン「チッ、ノリが悪いぜ。あんまり待たせんじゃねえぞー!」

ーーーAlertーーー

アーサー「やっぱりこうなるんじゃねえか!!だから俺一人でいいってあれほど・・・っクソ!!」

クラウン「あははははははははは!!!やっぱこうじゃねえとなあ!!オラ来いよ雑魚共!!俺様のナイフの錆にしてやるよ!!!それともバットで殴り殺されたいか!?選ばせてやるからありがたく思えよ!!!」

アーサー「あいつが誰かと仕事するのはこれが最後だろうな・・・クソ、弾切れか!これ借りるぞ!(敵から銃を奪う)」

クラウン「おらおらおらおらぁ!!!よーし次はっと・・・よっしゃ!斧でヴァイキングごっことしゃれこもうか!!『勝利かヴァルハラか!!!』」

アーサー「楽な仕事の・・・はずだったのに!あのバカあとで覚えてろよ!!まあでもたまにはーーー」

クラウン「最初はあんなのと組むなんて御免だったが、あいつが標的をやってくれてるおかげで俺は好きなだけ部下共と遊べるんだもんな!たまにならこういうのもーーー」

二人「「案外悪くないな!!!」」
リザ「あなたがアーサー・ヴィズラ?」

アーサー「・・・人違いだ。」

リザ「殺してほしい人間がいるの、仕事の話よ。」

アーサー「人の話を聞け・・・」

リザ「報酬は800万ドル、前金で300万支払うわ。」

アーサー「足は洗った、もう殺しはしない。」

リザ「ターゲットはギルバート・ヘミングウェイ、ヴィックスマテリアル社の兵器運搬部門の一人、いわゆる武器商人ね。」

アーサー「おい、いい加減に・・・はぁ、セールスマン殺しに800万とは大層なことだ。」

リザ「この男、中東の反政府勢力に武器の横流しをしているの。あんな寄せ集めの雑魚共に政府が手を煩わせているのはそのせいね。」

アーサー「神の名のもとに戦う人間は強いぞ?」

リザ「そんな話に興味はないわ。それに、問題はそれだけじゃない。兵士の補充も請け負ってるの。」

アーサー「人身売買か・・・」

リザ「自前の貨物船で武器の輸送ついでにかなりの数を攫っている。女子供まで見境なく。超が付くほどのクソ野郎だわ。」

アーサー「そんなやつ放っておけ、多くの恨みを買ってるんだ。俺がやらなくても誰かが手を下す。」

リザ「今すぐ死んでもらわなきゃ困るの。だからこうしてわざわざあなたを探したのよ。」

アーサー「はぁ・・・それで、何にお困りなんだお嬢さん?」

リザ「先日実用化されたばかりのヴィックスマテリアル社の新型兵器が何者かによって奪われた。中東の戦況を覆しうるような代物よ。そんなものが反政府側の手に渡りでもしたらどうなるかは想像つくでしょう?」

アーサー「政府軍に勝ったとなれば勢いづいて各地で戦争を起こすだろうな。」

リザ「そうなったらおしまい。だから兵器が反政府側に渡る前にこの男を始末してほしいの。」

アーサー「どうして俺に依頼を?」

リザ「『モナーク』と呼ばれ恐れられた、最強の殺し屋であるあなたなら信用に足りるから。」

アーサー「おだてても何も出ないぞ。」

リザ「これはお願いじゃなく「命令」よ、政府からのね。受けないのならあなたの命はないわ。」

アーサー「どうりでさっきから視線が熱いわけだ。」

リザ「・・・気づいてたの?」

アーサー「あれで紛れていたつもりか?ド素人め。まあいい、計画はあるんだろうな?」

リザ「来週末にモスクワで新型兵器の展示会があるの。そこにこの男も現れる。会社の代表としてね。会場には一般人はおろか報道関係者も立ち入れない。兵器の展示会なだけあって警備もかなり厳重よ。」

アーサー「だろうな、役人のふりでもしていくか?スーツを新調しなくちゃな。」

リザ「真面目に聞きなさい。近隣のホテルでパーティーを開くようなの。暢気なものね、そこを狙うといいわ。私兵を連れているから気を付けて。」

アーサー「私兵?規模は?」

リザ「20人ほどの小規模な部隊だけど、侮らないで。みな特殊部隊上がりの精鋭たちよ。」

アーサー「なるほどな。そちら側からの支援は?」

リザ「武器、装備、その他諸々必要なものはこちらで用意してあげる。現地ではあなた一人で行動して。」

アーサー「20人相手にたった一人とはな。」

リザ「残念ながらこちらも人手不足なの。それに政府が関わっていると悟られるわけにはいかない。」

アーサー「・・・1000万だ。」

リザ「なんですって?」

アーサー「1000万ドル、前金で500万。それが飲めないなら受けない。」

リザ「交渉の余地があると思って?死にたくなければ受けなさい。」

アーサー「お前らに俺が殺せるか?毎晩死の恐怖に怯えることになるぞ。」

リザ「・・・わかったわ。上には私から言っておく。」

アーサー「それでいい。・・・あんた名前は?」

リザ「リザよ。リザ・グランバーグ。」

アーサー「リザ、仕事が片付いたらディナーにでも行こう。最高の店を知ってる。」

リザ「喜んで。無事帰ってこれたならね。
  ・・・健闘を祈ってるわ、『モナーク』。」




リカ R

コウタ K



Rナレ)全ては、とても些細な彼のたった「一言」から始まった。


K「炒飯まっず!」




2人「僕らの炒飯戦争」




R「はぁ!?愛しの愛しの彼女である私が作った炒飯に対して不味いってなによ!?」


K「んな事言ったってよー…味は濃すぎるし油っこすぎるし、野菜ちゃんと切れてないし卵の殻だって入ってるし…いくらなんでも酷すぎねぇか…?」


R「うううううるさい!大体あんたがお腹空いたってうるさいから作ってあげたんじゃない!!文句あるなら自分で作ったらぁ!?」


K「あのなぁ、彼氏は彼女の手料理が食べたいものなのー。でもまさかリカがここまで料理下手なやつだとは思わなかったよ…」


R「そこまでいうならコウタの炒飯も食べさせなさいよ!私が公平にジャッジしてあげるわ!!」


K「えー…卵もったいな…」


R「いーーからはやくーーー!!!」


K「わかったよ…後悔すんなよー?」




ーーーーーー




R「なんで…同じ炒飯なのになんでこんなにも味に差が…っ!」


K「本物の炒飯ってのはこういうもんだ。わかったか?リカ」


R「うううう悔しい!!料理でコウタに負けるなんてえええ!!!」


K「これでも料理男子だぞ俺は」


R「決めた!コウタに負けないくらい美味しい炒飯、絶対に作ってみせる!!今日から毎日炒飯よ!!!」


K「は!?嘘だろ勘弁してくれよ!!」


R「いいから黙って付き合いなさい!あんた彼氏でしょ!!」


K「彼氏を毒味役にするんじゃねええええ!!!」



Kナレ)こうして、リカの特訓の日々が始まった…果たして、俺の体は持つのだろうか…



R「どこに向かって喋ってんのよ!ほら出来たわよ!!」


K「早くねぇか!?ちゃんと野菜に火通したのかよ!?」


R「問題ないわ!『炒飯ハ火力命ネ!』って老師チャオ=ファンも言ってたもの!!」


K「誰だよそいつ!!炒飯の鉄人か何かか!?」


R「いいから早く食べなさい!!」


K「あーはいはい…もぐもぐ…うえぇ玉ねぎ辛っ…ほら言わんこっちゃない…しかも味薄いし。あのなリカ、味見って知ってるか?」


R「知ってるわよそのくらい!んぐうううう!!覚えてなさい!明日こそ絶対美味いって言わせてやる!!」


K「まだ続くのかよぉぉぉぉ!!!」




ーーーーーー




R「はい!今日の炒飯!!」


K「もぐもぐ…ングッ、今日は濃すぎる…!」


R「あーもう!次!!」


K「味の濃淡に偏りがある!!」


R「次!!!」


K「卵がご飯に絡んでない!!」


R「次!!!!」


K「なんで今日は味がしないんだよ!!!」


R「次!!!!!」


K「油入れすぎだあああああぁぁぁ!!!」




ーーーーーー




R「はぁ、はぁ、はぁ…ほら…今日の炒飯よ…さっさと食べて感想聞かせなさい…!」


K「今日で8日目だぞ…いくらなんでも時間かかり過ぎじゃ…」


R「早く食べて!!」


K「うわ!?なんだよもう…もぐもぐ…っ!!う、美味い…!美味いぞ!!今日の炒飯めっちゃ美味いぞリカ!!!」


R「え!?ホント…!?やった、やったあああああぁぁぁ!!ようやく…ようやく美味しいって言ってくれたわね…コウタ…っ!」


K「な、泣くなよリカ…!リカの成長が嬉しくて俺まで泣きそうになるだろぉ!」


R「だって…コウタに私の手料理美味しいって言って貰いたかったから…私ホントに頑張ったんだよ…っ!だから嬉しくて…!」


K「リカ…ありがとう。俺のためにそこまでしてくれて。リカの努力家な所、大好きだよ。」


R「コウタぁぁぁ…!」


K「あーほら!泣くなって!ったく、可愛いなぁリカは。」


R「い、今それはずるいっ!バカ!」 


K「アハハ!よしよし」


R「ううう///あっ、ねぇねぇ!今度はカレー作ってみようと思うんだけどさ!どうかな?コウタカレー好きでしょ?」


K「カレーか!いいね!さすがにカレーなら失敗することないだろうし!!」


R「なんで失敗する前提なのよ!カレーはお母さんと作ってたから大丈夫だもん!!」


K「冗談だよ笑 
リカの手料理、楽しみにしてるな!!」


R「うんっ!!!」



Kナレ(こうして、僕らの炒飯戦争はリカの大勝利で幕を閉じるのであった…めでたしめでたし。




ーーーーーー




K「まっっっっず!!!」



END

奴隷商人
「…いらっしゃ…っ!これはこれはノヴァ様!ようこそおいで下さいました。本日も御機嫌麗しゅ…」
魔女
「機嫌取りは結構よ。それより貴方、最近新しい【商品】を仕入れたそうじゃないの。」
奴隷商人
「へ、へい、3週間ほど前、戦火に焼かれた村の生き残りでさぁ。まだまだ年端のいかないガキですが、なかなかの上モノですぜ。
ご覧になりますかい?」
魔女
「ええ、その為にわざわざこんな汚い店に足を運んだのよ。早くしなさい。」
奴隷商人
「へ、へい!おい!138番を連れて来い!!」

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奴隷商人
「こいつがそのガキです。平民の出ながらなかなかのものでしょう?火傷のあとはありますが、磨けば輝くダイヤの原石です。」
魔女
「この子…やはりあの時の…」
奴隷商人
「?何かおっしゃいましたか?」
魔女
「…なんでもないわ、それより、この子を買取る。いくらなの?」
奴隷商人
「へへっ、まいど。こいつはーーー」

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魔女
「喜びなさい少年、貴方は今日から私の【物】よ。」
少年
「…」
魔女
「…奴隷としての躾がなってないようね、まったく。」
少年
「…魔女め」
魔女
「?」
少年
「…薄汚い魔女め!家族を…妹をよくも!!手枷を外せ!殺してやる!!」
魔女
「あらあら、ちゃんと喋れるじゃないの。ちょっと五月蝿いけれど。」
少年
「手枷を外せ!お前なんか!お前なんか!!ガハッ!!」
魔女 
「五月蝿いと言っているでしょう。貴方自分の立場がよくわかっていないようね。
あなたは私の【物】なの。わかったらその口を閉じなさい。」
少年
「わかっ・・・わかった・・・から・・・はなせ・・・っ!」
魔女
「口の利き方に気をつけなさい。」
少年
「クソ・・・っ!わかり・・・ました、はなして・・・ください・・・!」
魔女
「それでいいの、いい子ね。」
少年
「ゲホッ、ゴホッ、はぁ、はぁ・・・」
魔女
「ところで、あなた名前は?」
少年
「・・・商人から本当の名は口にするなと、「お前はもう教国の人間じゃない」からって・・・。」
魔女
「なるほどね、それなら・・・『ディエナ』。これからそう名乗りなさい。」
少年
「・・・わかりました。ノヴァ様。」
召使
「おや、奇遇ですね。こんなところでお会いするとは。」
少年
「・・・?」
魔女
「あら、グレイシアのところの。お使いでも頼まれたのかしら?」
召使
「まぁ、そんなところです。そちらの少年は?」
魔女
「今しがた奴隷商から買い付けた物よ。」
召使
「珍しいですね、あなたが奴隷など。どういう風の吹き回しで?」
魔女
「戯れよ。召使にでもしようと思うわ。」
少年
「召使だと!?」
魔女
「いちいち大声をださないで。実験台にされなかっただけマシと思いなさい。」
召使
「はっはっは、相変わらず手厳しいようで。
ところで、もうすぐ【集会】の時期です、お忘れなきよう。」
魔女
「あら、もうそんな時期?時がたつのは早いわね。」
召使
「全くです。二回目の満月の夜、場所はいつも通りです。
主ともども、お待ちしております。」
魔女
「わかったわ。あの子にもよろしく言っておいて頂戴。
それじゃ、『魔女集会で会いましょう。』」

登場人物


レオ=ブラント
ガルシア=レイノルズ
エミーリア=オルトリンデ
ナレーター
兵士

ナレーター「大陸歴664年、12月25日。
      数十年続いた隣国との戦争が終結した。
      これは、のちに「聖夜の奇跡」と呼ばれ後世に語り継がれた、
      一人の少女と、兵士たちの物語である。」

ーーーーーー


レオ「おらー!働けお前ら!今日中に砦の修復が終わらないと魔術防壁の展開が間に合わないんだとよ!
   終わったら今夜は御馳走だ!!なんたってクリスマスだからな!!おらがんばれがんばれー!」

ガルシア「砦の修復は順調ですかな、少佐殿。」

レオ「ん・・・?お前!ガルシアか!久しぶりだな!!7年前の共同戦線以来だ、元気だったか?」

ガルシア「あぁ、お陰様でピンピンしてるよ。・・・ちょっと老けたな、レオ。」

レオ「それはお互い様だろ笑、昇進したんだってな?聞いたよ、おめでとう。今は大尉か。」

ガルシア「それも、お互い様だな!お前だって少佐だろ?相変わらず俺の上を行きやがって、この野郎笑」

レオ「たまたまだよたまたま!・・・それで、お前がここに来たということは第4中隊もここの防衛に加わるのか。」

ガルシア「そういうことだ!魔導歩兵部隊第4中隊177名、指揮官ガルシア=レイノルズ大尉!
     これよりガラム砦の防衛任務に着任いたします!!」

レオ「了解!ガラム砦防衛の指揮を任されている、レオ=ブラント少佐だ!第4中隊の合流を歓迎しよう!!」

ガルシア「ははははは!またお前と共に戦える時が来るとはな、レオ!」

レオ「お前が付いてくれるなら百人力だぜ、ガルシア!」

ガルシア「それで・・・戦況はあまり芳しくないって聞いたぞ?」

レオ「残念ながらな・・・。ここの所攻撃が激しさを増してきている。調査班の情報によれば、
   新型の魔術回路で武装した魔道飛行部隊を投入してきたらしい。おかげでこのありさまだ。」

ガルシア「なるほどな・・・俺たちが来たから魔術防壁の強度は倍以上には増すだろうが、
     実際に相手の戦力がわからないと何とも言えないな。一人も落とせなかったのか?」

レオ「高機動高火力ってやつだ、現状の装備じゃ歯が立たない。それにうちの魔導士は防衛特化だからな。
   陸戦装備で飛行部隊とどう戦えってんだ。」

ガルシア「そいつらは俺たちでどうにかする、安心しろ。まぁとりあえずは砦の修復が最優先ってとこか。
     手伝えることがあったら遠慮なく言ってくれ。とっとと終わらせて飯にしようぜ。」

レオ「そうだな。俺ももう腹ペコだよ。」

兵士「少佐ー!ブラント少佐ー!」

レオ「どうした、なにかあったのか?」

兵士「『聖女様』がお見えになってます!我らに祝福を施しに来てくださいました!」

ガルシア「『聖女様』だって?」

レオ「あぁ、王立協会から各地の主要防衛地点に派遣される祝福の施し手ってやつだ。 
   わかった。すぐに向かう。先に行っててくれ。」

兵士「了解しました!」

ガルシア「なるほどなぁ、兵士たちの心の支えってわけか。」

レオ「そういうことだ。さて、俺たちも行くか、祝福を施してもらいにな。」

ーーーーーー

兵士たち「『聖女様』ー!」「『聖女様』ー!」

エミーリア「皆、防衛の任、誠にご苦労様です。我らが神の祝福があらんことを。」

ガルシア「あれが噂の『聖女様』か。」

レオ「エミーリア=オルトリンデ、教皇の一人娘だ。」

ガルシア「教皇の・・・どうりで聞いたことある名だと思ったら。」

エミーリア「・・・!レオ!」

レオ「御機嫌よう、『聖女様』。このような危険な地に御足労頂き誠にありがとうございます。
   兵士たちの士気も高まります。」

エミーリア「もう、レオまで。からかうのはよしてくださいといつも言っているでしょう?。そちらの方は・・・?」

ガルシア「お初にお目に掛かります『聖女様』。魔道歩兵部隊第4中隊隊長、ガルシア=レイノルズ大尉であります。
     本日より、このガラム砦の防衛任務に着任いたしました。」

レオ「堅苦しいなガルシア、美人を前に緊張してんのか?笑」

ガルシア「うるっせ、仕方ねえだろ。」

エミーリア「ふふふ。二人は仲がいいのですね。さて、時間も惜しいですし、早速皆に祝福を施して回りますね。」

レオ「丁度いい、ガルシア、お前もこい。砦の中を案内してやる。」

ガルシア「あいよ。むさくるしい男二人との散歩で申し訳ありませんエミーリア様。」

エミーリア「そんなことありませんよ、とても頼もしいお二方です。」

ガルシア「・・・まるで女神様だな。」

レオ「ははっ!その通りだな。」

エミーリア「ちょっと!からかわないでください!!」

ーーーーーー

ガルシア「おお!!なんだこの豪華な飯は!?男所帯とは思えねえな!!」

レオ「うちの兵たちを見くびるな?料理は男の嗜みってな!それに今日はクリスマスだ!
   「祝い事は豪勢に」がうちの部隊の鉄則だ。」

ガルシア「やるじゃねえかレオ!最高だぜ!見直した!!」

レオ「それに今日はエミーリアが手伝ってくれたから!あいつの手料理は絶品だぞ?」

エミーリア「おまたせしました皆様!よっ・・・と、これで全部揃いました。さぁ、食事にしましょう!」

兵士「流石『聖女様』だ・・・」「エプロン姿・・・いい!」「かわいい・・・」「最高のクリスマスだ・・・」

ガルシア「これは惚れるな。」

エミーリア「もう!ガルシア様まで!」

レオ「ハハハハハ!相変わらずの人気っぷりだなエミーリア!」

エミーリア「うぬぬぬ・・・早く食べないと片しちゃいますからね!!もう!!」

レオ「やべっ!おら早く食えお前ら!!」

一同「「「頂きます!!!!」」」

ーーーーーー

ガルシア「それで・・・ここでの戦い方は?」

レオ「完全防衛、敵を殲滅する必要はない。勿論可能ならやるが、「いのちだいじに」だ。
   誰一人欠けることは許さん。」

ガルシア「なるほど。それならうちの人員の半分は魔術防壁を保つことに専念させるか。
     問題は例の魔道飛行部隊か・・・。」

レオ「ああ、奴らの火力は侮れん。幸いにして死者はゼロだが・・・今後もそれを保てるかはわからん。」

ガルシア「せめてもっと情報があれば・・・。」

エミーリア「食事の時まで難しい話ですか?」

レオ「エミーリア・・・すまん、ここのところ連戦続きでな。どうにも気が休まらん。」

エミーリア「仕方ありません・・・。戦況については教会の耳にも届いています。
      ここは王都と敵国の丁度中間地点です。王都を攻めるなら相手もここは必ず落としたいはず・・・。」

レオ「あぁ、だからこそ、ここだけは死守しなければならない。」

ガルシア「おっと、「誰一人欠けることは許さない」じゃなかったか?お前もだぞ、レオ隊長。」

エミーリア「そうですよ、レオ。」

レオ「言葉の綾だよ笑。大丈夫だ、こんなところでくたばりはしない。」

ガルシア「あったりめぇだ!誰がお前を死なせるかよ!」

エミーリア「ふふふ。レオにもガルシア様にも、神のご加護が付いていますわ。」

ガルシア「そういえば、二人はずいぶん親密なんだな。」

エミーリア「えっ?あ、えと・・・そ、そうかしら?」

レオ「エミーリアは俺の幼馴染だからな、付き合いが長いんだよ。」

ガルシア「レオはいいとこのボンボンだったな笑。」

レオ「うるせえ、戦場じゃ家柄なんて関係ねえよ。」

ガルシア「ま、そうだな。泥の中を必死こいて走り回ってりゃ、そんなことどうでもよくなっちまう。」

エミーリア「そういうガルシア様はどちらの出身なんですか?」

ガルシア「俺か?俺は商業区の出だよ。酒場の一人息子だ。家業を継ぐのが嫌で軍人になったのさ。
     ま、こっちの方が向いてたみたいでよかったよ。酔っぱらいの相手なんて御免だっての。」

レオ「ま、ここでも酔っぱらった上官の介抱は俺たちがやるんだけどな笑」

ガルシア「7年前の話か?あれは最悪だったな・・・思い出したくもない・・・おぇ。」

エミーリア「ふふふ。お二人も長いんですね。」

ガルシア「っていっても、その共同戦線以降は、お互い人づての情報しかなかったけどな。
     こんな美人と幼馴染だなんて聞いてねえぞ?」

レオ「聞かれてもないことわざわざ言うかよ。って、変な気起こすなよ?」

ガルシア「んなことわかってるっての!それに、エミーリアさんにはもう意中の相手がいるみたいだしな。」

エミーリア「ぅえ!?な、なんのことかしら・・・」

レオ「ん?そうなのかエミーリア?」

エミーリア「そ、そりゃ、私だって・・・って、私の話はいいですから早く食べてくださいっ!!!」

レオ「な、なんだよ!あ、おい!食べるから勝手に片づけるなよ!!」

ガルシア「エミーリアさんも大変だなぁ・・・。」

ー爆発音ー

エミーリア「キャアッ!!」

レオ「っ!!なんだ!?」

兵士「ブラント少佐!!敵襲です!!規模不明!!おそらく先日の魔道飛行部隊かと思われます!!!」

レオ「わかった!総員戦闘準備!!!エミーリア、安全な場所まで案内する。ついてきてくれ。
   ガルシア!しばらくの間指揮はお前に任せる!絶対に死ぬなよ!!」

ガルシア「わかった!!すぐ戻って来いよ!!行くぞお前ら!!!」


ーーーーーー

兵士「大尉!!攻撃が激しすぎます!!これでは魔術防壁が持ちません!!!」

ガルシア「クソッ!情報より攻撃が激しくねえか!?今までのは斥候ってことかよ!!」

ー爆撃ー

兵士「グアああああッ!!」

ガルシア「!?大丈夫か!?」

兵士「くっ・・・はぁ、はぁ、なんとか・・・ですが今の攻撃で・・・魔術防壁が・・・!」

ガルシア「まずい・・・!お前ら!!魔術防壁の再展開を急げ!!半分は俺と来い!!
     あの飛行部隊を撃ち落とせ!!!」

レオ「ガルシア!!」

ガルシア「レオ!状況は最悪だ!魔術防壁が破られた!このままじゃ犠牲が増える!!
     俺たちが飛行部隊を迎撃する!お前は魔術防壁再展開の指示を!!!」

レオ「わかった!・・・死ぬんじゃねえぞ。」

ガルシア「こんなとこでくたばるかよ!!おら行くぞ!!!」

兵士たち「「「了解!!」」」

レオ「完全に油断していた・・・俺のミスだ・・・クソっ!!!
   ・・・腐ってる場合かよ。魔術防壁再展開!!!手の空いてるものは負傷者の手当だ!!」

ーーーーーー

ガルシア「撃て撃て撃て!!攻撃の手を緩めるな!!間をあけたら爆撃されるぞ!!!」

兵士「うおおおおおおお!!!」

ー銃撃ー

兵士「ぐああっ!」「がはっ!!」「うあぁっ!!」

ガルシア「クソッ!これじゃ格好の的じゃねえか!魔術防壁はまだか!?」

兵士「大尉!負傷者多数です!!死者が出てないのが奇跡ですよ!!!」

ガルシア「あぁ畜生!!負傷者を砦の中へ運んでやってくれ!!ここは俺が引き受ける!!」

兵士「了解!!」

ガルシア「こんなところで死んでたまるかよ!!!うおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

レオ「ガルシア!無事か!?」

ガルシア「あぁ!生きてるのが不思議なくらいだぜ!にしても…ック!なんて数だっ!!!」

レオ「まさかこれほどの大部隊だったとは・・・これじゃっ!!クソッ!展開が間に合わねえ!!」

ガルシア「とにかく撃て!!少しでも展開を早めさせるんだ!!!」

レオ「あぁ・・・。っ!!!ガルシア!!!危ない!!!」

ガルシア「!?」

ー爆撃ー

ガルシア「グハッ!!!ゲホッ・・・ゴホッ・・・ちくしょうう!!!レオ!おいレオ!!」

レオ「はぁ・・・はぁ・・・無事か・・・ガルシア・・・」

ガルシア「レオ!!どうしてかばった!?誰か来てくれ!!少佐がやられた!!!」

レオ「ガル・・・シア・・・はぁ、はぁ・・・お前は、生きろ・・・!!」

ガルシア「馬鹿野郎!!!お前も生きるんだよ!!これじゃエミーリアさんに顔向けできねえだろうが!!」

レオ「は・・・はは、俺の部下と・・・エミーリアを・・・頼む・・・」

ガルシア「レオ!おいレオ!!大丈夫だまだ生きてるよ弱気になるんじゃねえ!!」

兵士「少佐!魔術防壁の再展開が・・・!少佐!!」

ガルシア「おい!こいつをすぐ中へ連れてってくれ!!他の負傷者たちもだ!!誰一人死なせるな!!!」

兵士「くっ・・・!了解!!!!」

ーーーーーー

ガルシア「クソッ!!!兵の半数が負傷した上レオまで・・・!打つ手なしかよ・・・!!」

エミーリア「ガルシア様!!」

ガルシア「エミーリアさん!無事でしたか!!」

エミーリア「ええ、レオが砦の地下へと案内してくれたので・・・あの、レオは・・・?」

ガルシア「・・・レオは今・・・治療を受けています。あいつは・・・俺をかばって・・・!!」

エミーリア「そんな・・・レオ・・・!!!」

ガルシア「クソッ・・・!魔術防壁の強化さえ終わらせていれば・・・!俺の責任だ・・・!!」

エミーリア「・・・まだ終わっていません。我々は負けません!ここで引いては負傷した兵士や、
      レオの思いが無駄になってしまう・・・!ガルシア様!!私を砦の上へ連れて行ってください!!」

ガルシア「なっ!?正気ですか!?防壁が展開しているとはいえ簡易なものです!!いつまた破られてもおかしくない!!
     それに攻撃が激しすぎる!!いくらなんでも危険すぎる!!!」

エミーリア「わかっています!!ですが我々に残された道はもうありません!!それが神の御意思なら!!
      私は従うまでです!!」

ガルシア「くっ・・・!わかりました、俺のそばを離れないでください!!
     何人か援護を頼む!そのほかは負傷者の手当を急いでくれ!!」

兵士たち「「「了解!!!」」」

エミーリア「ありがとうございます・・・!行きましょう!!」

ガルシア「ああ!!」

ーーーーーー

ー爆撃ー

エミーリア「キャアッ!!!」

ガルシア「エミーリア様!!クソッ!防壁があるとはいえ衝撃がでかすぎる!!!」

エミーリア「くっ・・・!平気です!!急ぎましょう!!!!」

ガルシア「たいしたお嬢さんだ!!走れ走れ!!!」

ーーーーーー

ガルシア「着きましたエミーリア様。」

エミーリア「あたりが見渡せる・・・ここなら。
      ガルシア様!増幅魔法を!!!」

ガルシア「増幅・・・?わ、わかった!!」

ー魔法エフェクトー

エミーリア「ありがとうございます・・・。」

ガルシア「一体何を・・・?」

エミーリア「~♪」

ガルシア「歌・・・?だが、こんな歌・・・聞いたことがない。」

兵士たち「なんて歌声だ・・・。」「美しすぎる・・・。」「あぁ・・・!神が!我らが神の歌声だ!!!」

ガルシア「・・・!!?攻撃が・・・やんだ・・・!?」

エミーリア「~♪」

ガルシア「飛行部隊が撤退していく・・・これは、魔術・・・?いや、彼女の声に魔力はない・・・。
     ならいったいこれは・・・。」

兵士たち「奴らが撤退したぞ!!!」「我々の勝利だ!!!」「うおおおおおおおおおお!!!!!」

ナレーション
「大陸歴664年12月25日。
数十年に渡りつづいた隣国との戦争が終結した。
たった一人の少女の歌声によって。
翌日、隣国からの和平の申し出があった。
曰く、『貴国の少女の美しい歌声を前に、我々の愚かさを感じた。』とのこと。
その知らせは瞬く間に王国中に広まり。エミーリアは『神の歌姫』と呼ばれるようになった。
戦争終結を機に、レオは軍を除隊。のちにエミーリアと結ばれ子を授かる。
ガルシアは防衛任務の功績を買われ昇進、軍の中枢へと上り詰めた。

この出来事はのちに『聖夜の奇跡』と呼ばれ、後世へと語り継がれ、王国民から愛され続ける逸話となった。」

 喜「ずっと・・・ずっと前から好きでした!!私と、つ、付き合ってください!!
   ・・・え?あなたも私のこと、ずっと見ていてくれたの?本当に・・・?
   嬉しい・・・!やった!あのね、私初めてこんなにも誰かを好きになったの。
   だからね、誰かと付き合うのって初めてで・・・。
   わからないこととか多くて色々と迷惑とかかけちゃうかもしれないけど、私・・・頑張るから!!
   だから、その・・・これからよろしくお願いします!!えへへっ。」

 怒「はぁ!?なんであんたがここにいるのよ!!彼をここに呼んだのは私よ!!邪魔しないで!!!
   は・・・?今さっき告白してOK貰えたから・・・って、ふざけんじゃないわよ!!
   何勝手に告白して何勝手に付き合っちゃってんの!?彼にここに来るように手紙を書いたのは私で、
   彼に気持ちを伝えようとしてたのは私なの!!!
   まさか・・・あんた手紙の中身勝手に・・・!!!
   ふざけんな!!許さない許さない許さない!!!私は絶対に認めない!!
   私は!絶対!!彼を諦めないから!!!!覚えてなさいよ!!!!」

 哀「ここに来るのはいつぶりだろう。相変わらず綺麗な景色。
   懐かしいなぁ・・・。あの時の彼の横顔、ホント素敵だったな・・・。
   あぁ、もう、だめね。別れて久しいのに、未だに・・・彼のこと・・・。
   あはは・・・。きっとこのまま忘れられないんだろうな。こうして彼との思い出に浸って。
   つらいだけなのに・・・。でも、忘れたくないんだもの・・・。うう・・・ぐすっ・・・。
   やっぱりやだよ・・・!帰ってきてよ・・・!お願いだから・・・っ!!」

 楽「わぁ!ねぇ!!こっちこっち!早く来て!!トラだよ!!
   怖い・・・けど、かわいい・・・!あ、ねぇねぇあっちは!?
   パンダだー!笹食べてるよ!癒されるぅー。
   こっちはー・・・ゾウだ!!おっきいー!鼻、すっごく長いね!!
   うふふ!楽しいなー♪君が隣にいてくれるから、なおさら!!
   今日はほんとにありがと!動物園行きたいっていきなり言ったのにつれてきてくれて。
   これからもいっぱいいっぱい、いろんなところ連れてってね!
   あ!見てみてレッサーパンダだよ!ほら!いこいこ!!はーやーくーー!!!」

 喜「えーっと・・・171、172、173・・・174。ある。俺の番号がある!!!
   てことは・・・合格だ!!!やったぁぁぁぁぁ!!!受かった!受かったんだ!!!
   この3年間必死に勉強したかいがあった・・・!俺の努力は、決して無駄じゃなかったんだ!!!
   ほんとに・・・ほんとによかった・・・!!やったぞーーーー!!!!俺は受かったんだーーーー!!
   よーし!これからのキャンパスライフ!目一杯楽しむぞ!!!
   そうと決まれば!とりあえず打ち上げだ!!焼肉だ焼肉ーーーーー!!いえーーーーい!!!!」

 怒「おい、お前、こんなところでいったい何を・・・、っ!!
   相棒!一体何がどうなってんだ・・・!貴様・・・!俺の相棒に何をしてやがる!!!
   その汚い手をどけやがれ!!!おい聞いているのか!頭にドでかい風穴開けられたくなかったら
   今すぐそいつを離せ!!!!!っ!!相棒おおおおおおおお!!
   貴様あああああああああああ!!!よくも・・・よくも俺の相棒を・・・!!
   この場から生きて帰れると思うなよ!!!!」

 哀「なぁ・・・お前言ってたよな。俺と一緒にこの腐った軍を変えるって・・・。
   俺の腕とお前の頭脳で、上まで上り詰めるって約束だったよな・・・?
   死んじまったら何にもならねえじゃねえか・・・!俺は、俺はこれから・・・お前なしで
   どうやって生きていけばいいんだよ・・・!
   なぁ、返事をしてくれよ!!なあ・・・!!ぐっ・・・う・・・うぁ・・・あぁぁ・・・!!」

 楽「ねこちゃーん!こっちおいでー!あーきたきた、可愛いねぇ。
   ほらー猫じゃらしだぞー、ほれほれー、一緒にあそぼー。
   ほーれほれほれ!あははは!ホント可愛いなぁ!ほらチュールもあるぞー!
   あー肉球が!肉球が俺の手に!ぷにぷに!かわいいーーー!
   猫カフェ・・・猫好きの猫好きによる猫好きのための聖地・・・!!
   最っ高だぁぁぁ!!!お、もっと遊ぶかい?ほれほれー!あはははは!」
 

ある日、夢をみた。猫になる夢だ。
猫になって塀の上を散歩したり、屋根の上でお昼寝したり、小さな子どもとじゃれ合ったり・・・
とてものんびりとした夢。
ただ一つ違和感を覚えたのは、妙にリアルな夢だったということだ。
まるで本当に自分が猫になってしまったかのような・・・。
不思議なこともあるもんだなぁと、寝ぼけた頭で考えながら、体をぐぅっと伸ばす。
・・・ん?なんか、世界が大きい・・・?あれ?私縮んだ?
それにしたって視線が低い。まるで四つ足で歩いてるみたいな・・・。
寝ぼけてるのかな・・・。とりあえず顔洗わなきゃ。
って、洗面台たか・・・どうなってんだいったい。
ん・・・っしょっと!!!ふいーこれで顔が見え・・・
あれ?猫がいる。うち猫飼ってたっけ?
可愛い猫、茶色い毛色にふわふわのお顔・・・。
よーしおいでおいでー・・・ん?なんか変だな。
てか、私の顔は?鏡に私の顔・・・私?
え?これ・・・この猫・・・・私・・・?
ええええええええええええええええええええええええ!!!?????
は?なにこれ私まだ夢見てる???いやでも、体は起きてるし頭は冴えてる。
そうだ体!体どうなって・・・わ、肉球。綺麗なピンクだぁ、フニフニしたい・・・。
じゃなくて!!!これ私の手だし!!!嘘!?ほかには・・・・。
あ、尻尾。えー尻尾ってほんと無意識に動かしてるんだ。そらじゃれるわけだわ・・・。
って!尻尾!!!綺麗な縞模様じゃん!!かわいい!かわいい私!!!
てかこれ、夢で見た猫と一緒・・・、もしかしてあれって、正夢・・・?
嘘だぁあああああなんで・・・なんで猫・・・かわいいけど、可愛いけど・・・!!
・・・あーなんか、考えすぎて疲れたわ。寝よ。猫だし。
あ!そうだ!!せっかく猫になった?んだし、自分のベッドじゃないとこで寝てみよ!!
んー、猫といえば・・・あ!ソファの背もたれの上!
実家の猫よくあそこで丸くなってたなあ・・・。なつかし。
さってさってリビングへっと!
あれ?誰もいない。今何時だ?・・・うわ!11時じゃん!!やばい学校・・・
いや、私猫だった。猫に学校とかないじゃん・・・。
気を取り直してソファ♪ソファ♪
よっ・・・と!おおーなかなかに気持ちいい。それに高いところってなんか落ち着く・・・。
これも猫効果?ふあーぁ、気持ちいい・・・。猫の昼寝最高じゃん・・・。zzz。

ーーー

・・・ん、ふあーぁ・・・って真っ暗じゃん!!やば、電気電気・・・。
お?暗いはずなのによく見える。これが夜目ってやつ!?すご!!なにこれすご!!
めっちゃ便利!人間にもこんな機能あったらいいのに!!!
よっと!ふいーお昼寝終了ー。うわー、ソファの背もたれって結構高いところにあったんだなー、
猫のジャンプ力恐るべし。ってか、着地した時も痛くなかったな。これって肉球効果!?便利すぎる・・・。
ガチャ
お?お母さんかな?

母「ただいまー。あら、真っ暗ね。唯香ったらまだ帰ってないのかしら。」
おかあさーんお帰りー。みてみて猫になっちゃった!

猫「にゃーにゃー。」

母「あら?どこの子かしら。唯香ったらまた勝手に猫拾ってきて・・・。
まぁ可愛いからいいか。どことなく唯香に似てるし、ふふっ。」

流石に気付かないよねぇ。私に似てるっていうか私なんだけどな。

母「猫用の餌って残ってたかしら・・・。あーだめね、ごめんね猫ちゃん。
ちょっと買ってくるから待っててね。」

猫「にゃー!にゃー!」

そうだおなかすいたんだよ!お母さんよろしくねー!
ってか、猫になったからって猫用のごはん食べなくても・・・。
まぁ見た目完全に猫だし仕方ないかー。猫用のごはんってのも気になるし!!!

ーーー

母「ただいまーねこちゃん!どれがいいかわからなかったからカリカリとちゅーるにしたわよ!」

猫「にゃー!にゃー!」

おお!かの有名なちゅーるとやら!!どんな感じなのか試してみたかったんだよなー!!
さぁ!早くよこすのだ!!!

母「もう、そんなに急かさなくてもちゃんとあげるわよ。ハイ、どうぞ。」

猫「にゃー!」

はむはむ・・・ほう、なかなかにうまい。てか魚、超魚って感じ・・・。
でも、止まらない!私の!猫の本能が!!止められにゃい!!!

母「うふふふかわいい。ほら、カリカリもあるわよ。お水も飲みなさいな。」

お!カリカリだ!はむはむ・・・。なんか肉と魚の味のコーンフレークみたい・・・味うすっ!
でもうま!!猫安上がり!!うまい!!水は安定してうまい!!ナニコレたのし!!

母「それにしても、唯香ったらどこほっつきあるいてるのかしら。
学校に電話しても今日は来てないって言ってたし・・・。まぁそのうち帰ってくるでしょう!」

いやうちの母お気楽かよ。まぁそこがお母さんのいいところなんだけど。
・・・このまま元に戻らなかったらお母さん心配するかな・・・。
友達にも先生にも、会えなくなるのは寂しいな・・・。
・・・まぁなんとかなるか!!そのうち元に戻るさ!!
ごはん食べたらまた眠くなってきた・・・。そうだ!次はお母さんの膝の上で寝よ!
おかあさーん!

母「あらあら、もー可愛いわねぇ、小さいころの唯香みたい。」

猫「にゃー!」

ふふふー!最近お母さんに甘えれてなかったからねー!せっかくだしいっぱい甘えよ!

猫「にゃーん。ゴロゴロ。」

母「ふふふ、よーしよーし。」

あぁ、お母さんの手、落ち着く・・・。もっと撫でで撫でで・・・。

猫「ゴロゴロ・・・zzz」

母「あらあら、寝ちゃったのね。うふふ。」

幸せ・・・お母さん・・・大好きだよ・・・。

ーーー

んぁ、あれ、また真っ暗。あー、もう0時過ぎてる!そらお母さんも寝るか。
んー、私も寝たりないし、もっかいねよ。
・・・お母さんのベッド、潜るか。

猫「にゃー。」

母「ん・・・、あら、猫ちゃん。どうしたの?」

猫「にゃー。」

母「一緒に・・・寝たいのね、いいわよー、おいで。」

お母さんと一緒に寝るなんていつぶりだろ。
懐かしい。やっぱり落ち着くなぁ、お母さんの横って。
お母さん、いつもありがとう。恥ずかしくってなかなか言えないけど、大好きだよ。
今度何かプレゼントあげよう・・・また、人に戻れるかな・・・・zzz

ーーー

母「唯香、唯香ー、起きなさい!」

唯香「ん・・・あれ、私・・・。」

母「もー唯香ったら、いつ帰ってきてたの。それに私のベッドで寝てー。」

唯香「あ・・・そっか、戻ったんだ、私。」

母「ん?何か言った?そういえば、猫ちゃん見なかった?確か一緒に寝てたんだけど・・・。」

唯香「う、ううん見てないよ!!」

母「あらそう、夢でも見てたのかしら。」

唯香「お、お母さん・・・いつも、ありがとう。」

母「どうしたの急に。ほら、早く準備しないと遅刻するわよ。」

唯香「わわっ、そうだ学校!!」

母「うふふ、あわただしい子ね。」

ーーー

唯香「ねぇ、お母さん。その、夢で見た猫って、どんな猫だったの?」

母「んー、そうねぇ。小さい頃の唯香に似て甘えんぼで、とってもかわいかったわ。」

唯香「そっか。ふぅん・・・。」

母「にしても不思議ねぇ、ホントに現実みたいな夢だったわ。」

唯香「ねぇお母さん!今度久しぶりに一緒にお出かけしよ!ちゃんと仕事休みとってよね!!」

母「あら、珍しいわね。いいわよ!買い物にでも行きましょ。」

唯香「やった!ありがとうお母さん!!」

母「うふふ、ほら、そろそろでないと。」

唯香「あ、うん!---それじゃ、行ってきます!!!」
 


A・性別不問
B・女性

A「皆よく集まってくれた。これより定期報告を・・・」

B「あらーーーいやいやごめんなさいね!おくれたわ!やっほやっほー!」

A「貴様・・・!」

B「なーにカリカリしてんのよ?ほんの少し遅れただけじゃない。
 それにこんな報告会なんて名ばかりの仲良し会、やるだけ無駄なんじゃない?笑」

A「図に乗るなよ若造が!!」

B「あんたこそ、ボスに気に入られてるからって調子に乗ってんじゃないわよ?
 ボスとの連絡手段があんただけだから実質的にNo.2の地位にいるけど、
 あんたみたいな小物をNo,2として認めてる人間は何人いるのかしらね?笑」

A「クッ・・・それで、いったい何の用だ。」

B「あらぁ、あんたが喉から手が出るほど欲しがってた『情報』、
 もってきてあげたのにそんな言い方ないんじゃないかしら?」

A「なに!?」

B「あなたたちがこんなお遊びしてる間に私はあくせく働いてるのよ?
 ちょっとは敬ってほしいものね。
 まぁ私には必要のない情報だし、手柄はあんたにあげるわ。 
 NO.2さん笑」

A「・・・よくやった。」

B「はいはーい、それじゃ、私はこれで。
 あんたたちも少しは働きなさいなー?うふふふふ」

A「・・・このアマ。」

ーーー

B「全く、何なのかしらねこの組織。
 ボスには一向に会える気配はないわ、No.2は使えないわ、
 ほかのやつらはいないも同然だわで、よくもまあここまで持ってるわね。
 まぁでも、あいつさえ押さえればこの組織は牛耳ったも同然ね。
 使えない馬鹿共も私が操れば少しはまともになるでしょ笑
 ・・・もしもし、ええ、いいわ。その手はずで進めて頂戴。
 あぁ、あいつ?今は自由にさせていていいわ。
 どうせあの頭じゃ勘づく頃にはもう手遅れ。私の計画を止めることはできないわ。
 億が一に気が付くようなことがあったら・・・容赦することはないわ。
 消しなさい。
 ええ、それじゃ、よろしくね。
 ・・・あぁ、楽しみだわ。みんなが私の掌の上で踊るサマを見るのが。
 ふふ、ふふふ、ふはははははは、あーーーっはははははは!!!!」