体操などで深層筋を活性化して、表層優位から深層優位になっていくると確かに自然と身体は良い姿勢になってくる。
これは内側から、結果として外見に現われてくるものである。
「良い姿勢」は「結果」であるというのは経験上、間違いないと思う。
しかし、経験上、無意識だけで良い姿勢は作ることはできない。
何が一番邪魔するかと言えば、自分自身にある悪癖である。
癖と言うのは無意識で、まずこれが意識化されないと中々癖は抜けない。
無意識が故に気づけないのである。
そこでじゃぁ、良い姿勢を無意識化すればよいのだが、そうは問屋が卸さない。
基本姿勢をまずしっかりと身体に叩き込む。ここでいう北京原人姿勢である。
股関節の捉えとか色々言っているが、
詰まるところ「自分を中心軸」に置いている姿勢で、つまり「自分の中心はここだよ」って自分で自分に教えるための姿勢である。
最初はもちろんこの姿勢をとっても中心というのは自覚できない。同時に実は悪癖も自覚できない。
ある種の型の練習みたいなもので、普段から何度も何度もこの姿勢で、これが中心なのだと教え込むことによって、徐々に徐々にこれが中心だということが分かってくる。
やってることは武井壮の「内部感覚と外見を一致させる」と同じこと。
ただこれを継続するのが非常に難しい。
なんとなく中心が自覚できるようになってくると、同時にそうあいつがちょっかいを出してくる。悪癖。つまり、悪癖も自覚できるようになる。しかし、まだまだうようよいる無意識下の悪癖が横やりをいれてくる。
年齢によるが、十年単位で悪癖の統治下にある場合、かなり戦況は不利である。いきなり盲目だった悪癖軍隊を目の当たりにするのである。
しかしこれは自分自身が生み出した産物。自業自得。
しかし、こいつを蹴散らさないことには良い姿勢は作れない。
だから、日常的に「あいつに惑わされるな。お前の中心はここだ」と教え続けるのである。
さらに厄介なのは、自分の中心が分かりだすと確かに悪癖を自覚し減らせるのだが、さらなる悪癖をみつけてしまう。
正念場である。
「悪癖=普通」から「悪癖=異常」で、「中心がある=普通」ということを身体に教え込む。
と、自分自身と対話しているうちに徐々に良い姿勢が日常化になってくる。
「捉え」て過ごせた場合の反応がどんどん分かってくる。
一例を挙げると、一日中座って家で仕事をして、夕方靴を履いた時に靴が朝はいた時と同じように緩い。つまりむくんでいない。
歩いて、歩き終わって、足がペラフワ感覚になっている。足首が締まって細く感じる。
上手く立てていると、動いた時にやたらと身体が軽い。止まっていたのにも関わらず。肩がくるくる回る。
座った後にも同様の「体が軽く」なる現象が起きる。動いていないのに。
しかしまだまだ無駄が多い。
自分はようやくこの無駄をそぎ落とす段階に入ったようである。しかしまだまだ左右差や悪癖はあるし、脱力もしきれていない。ここからかなと思う。
そうこうやってある地点まで行っては、再スタートなのである。
巷の一部で良い姿勢はある?ない?というのが議論されているのたまにみるが、「ない」場合、どうやって癖を撃退するのだろうか。
「ない」場合、癖を指摘した時点で「良い姿勢」が前提になるから(又は何かの基準から外れているから癖なわけで)、そもそも癖を指摘しないのかな。指摘した時点で「ある」派だからな。
それから「良い姿勢」を意識すると逆に動きがぎこちなくなるってあるけど、
悪癖の悪さであって、良い姿勢の意識が悪いわけではないのではないかな。まだまだ身体が悪癖の支配下にあるだけではないかな。
箸の正しい使い方を習得するのと、
良い姿勢を習得するのに差はないと思うんだが。
前者は癖がつく前の習得(だいたい幼少期)、後者は癖がついた後の習得になってしまう傾向にある。それだけのような気がする。
箸だって最初はぎこちないんだよね。正しく使っているうちに無駄がそぎ落とされ、無意識にできるようになる。
姿勢作りと一体何が違うのだろうか。
武術に多い「形(かた)」稽古は、おそらく形をなぞることで正しい動きを学び無駄を削ぐ役割がある。
しかし、おそらくこれは単になぞっていては効果は薄い。
しかるべき師について教わって、「ここをこう。もう少し上。下。」など微調整をしてもらわないとダメなのではないだろうか。
そして、このような形の動きは深層優位になって初めて動きがスムーズになり、外見上非常に優雅に美しくみえるのではないか。
何故なら、形そのものが深層筋優位で動かすために作られていると考えらえるからである。
最後に体幹トレーニングは静的か動的どちらがいいかというのもあるみたいだが、本当に深層筋優位にできているなら、上記であげた「捉えて過ごせた場合の反応」の欄に書いたように、止まっていても身体は連動して軽くなる。体幹トレの後、動きが悪くなるのは、表層で頑張っているため。深層が使えていない証拠である。
それ故、「巷の体幹トレ≠インナートレ」なのである。つまりアウタートレに結果的になってしまう。
巷の体幹トレを本当にインナー優位にできる人はほとんどいないのではないか。胴体深部が動くトップアスリートは無意識にインナー優位にできる。だから、トップアスリートがやっているからというだけの理由で、外見だけを真似しても意味が無い。
と、なんとなく色々疑問を抱いてしまった。