歩けば歩くほど重心が下がっていく。特に、膝が曲がると腰が落ちるとか外見の問題ではなく重心が下がる。そして、足はどんどんペラペラ・ふわふわ感覚なる。
これには、股関節の捉えがある程度正確で、大腰筋が伸び伸びした状態、つまり肋骨と骨盤がしっかりと離れて細分化されていること、伸ばす縮める、反るにおいて上下のベクトルが発生していることが少なくとも前提として必要である。
前にも書いたが、大腰筋は伸びると上下に力のベクトルが行く。この作用により、歩くときには接地した側の大腰筋が伸びるので重心が下がる。
このように重心が下がると言うと、身体が地面に居着いてしまうと思われがちだが、むしろ逆であるように思う。
重心が股関節の上(骨盤内)に居着いていればいるほど、動きは居着かない。さらに、当たり負けしない。
身体を動かした際に重心、つまり腰が付いてくるからである。言い換えれば、居着いた動きは腰が付いてきていない。一歩遅れる。
居着かない動きを、重心が股関節の上に居着いた状態(重心ニュートラルポジション)を0、移動が1として、「0→1」としよう。
そうすると居着いた動きには2つの原因となる現象がみられる。
①そもそも重心が0の状態でないので、-1からスタートして、次に0、で1になる。
「-1→0→1」の動きになる。
ので当然、マイナスからなので0に戻す作業が増える。これが居着きの原因で、無理な力が一つ多い。これが力みと余計な力を生む。また、重心移動が1テンポ遅れることになるのだが、これは腰が遅れていること。
②マイナススタートは一緒なのだが、今度は0に戻らず無理やり1へ向かう。そうすると、原因①よりも力みや無駄が多く腰も当然ついてこない。一番問題なのは1に到達しない。
つまり、「-1→(0)→1未満」
よくサイドステップの切り替えしが移動に関わる動作として取り上げられているが、これも重心が居着いていれば踏ん張ることもなくなる。踏ん張らない、のではなく、何故踏ん張ってしまうかを考えたほうが良い。原因は①と②の両方に共通する、重心が0に無いことが原因。後から来る腰を受け止めないといけないので、おそらく慣性の法則もあって、接地する方の足に余計に負担がかかる。腰、つまり重心を待ってからの切り返しなので1テンポ遅れる。接地の際に重心が0位置にあればそのまま地面の反力を使って切り返せる。
ちなみに、「胴体深部が動く住人」がよく言う、腰を入れる、腰を落とす(実際には落ちていない)、腰で踏むとか、ケツで踏むとか、ケツを使うとか、骨盤の弾力を使うとか、股関節で踏むとか、地面の反発を使うとか、重力を利用するとか、という表現は本質的に一緒で重心が0位置に無いとまず話にならない。繰り返すが、あくまで「胴体深部が動く住人」が言った場合に限定。
また、腰を低くするか、高くするかもあるが、これも重心が0にあればとりあえずそこまで問題にならない。感覚的には、特に低くする方はかなり難しい。いわゆる腰割りのような形になるので重心以外の部分に気を取られやすい。これは精密な重心コントロールが求められる。つまり腰を低くしても重心が0位置からズレないか。ズレいな限りにおいては良いと思うだが、ズレた状態で倒れる力や転ぶ力を利用するとか練習しても結局、原因①と②はいっこうに解決されないので無駄な力を消費するだけ。ただでさえ低くするとシビアなのに、マイナスからなので、普通に立って0からの移動には勝てない。つまりどれだけ練習しても無駄。いや余計な力みや筋肉がついてかえってマイナスになり兼ねない。マイナスから転ぶ力を利用するより、0から利用した方が効率が良いような気がする。
それから、居着かないように足踏みするというのも見たことがある。地面から離れていた方が動きやすいという発想であろう。しかし、重心が0に無い場合は逆に重心をズレさせることにしかならない。重心が暴れてしまう、原因①と②を助長させてしまう。おそらく重心が0位置にある人は、足踏みにより片足ずつ股関節で地面を捉えているか、重心が0位置にあるかを確認しているのだと思う。できれば、地面から離れたくないと思っていると考えらえる。前後左右どこに動くにしてもどちらの足からでも股関節で地面を捉えて移動できるようにしている。メッシが小股で走るのはそのためではないかと思う。あの合気道の達人、塩田剛三氏もかなり小股である。理由は同じと思われる。
上半身を使って重心移動をしても、重心が0位置になければ原因①と②が発生してしまい結果、居着いた動きになってしまう。
解決策は、普段から重心が0位置になるように心がける。つまり、北京原人姿勢を日常的に維持すること。これに限る。自分は2年で激変した。現在は、普段、スーツ着て、革靴履いて、ビジネスカバン背負って、また、家から駅まで、職場まで、職場で「居着かない」動きをしている。というより、そういう動きになっている。何故なら、重心ゼロ位置姿勢=北京原人姿勢の地面とほぼ垂直Versionで動いているからである。しかも、3本の軸を感じて動いている。スーツ+革靴を身に付けているのが自分としては面白くてしょうがない。だって、やっぱり軸とか居着かないとかは、なんとなく柔道着や袴とか、ユニフォームやスポーツする格好であるジャージ、それから道場、運動場、体育館、ジムなどのイメージがあったから。ちなみに3本軸は寝ていても、つまりパジャマでも感じられる。
動きのプロのトレーナーや選手が出来ないわけないと思う。とはいえ、やるなら自己責任でお願いします。あくまで個人的な見解であるため本当かは分からないから。