こんばんは。

ご訪問くださり、ありがとうございます。
ここ数回、父の葬儀に関連して、親の危篤の時期から葬儀に関するお話をさせていただいております。

葬儀疲れでとうとう気管支炎になってしまいました。幸いコロナではありませんでしたが、咳がほんとに辛いです。


親の預金を下ろす際の注意点 


今回は、死後の銀行預金の解約など、財産関係の相続手続に必ず必要になる「連続した戸籍」の取り方についてご説明します。

なぜ連続した戸籍が必要か】
ある人が亡くなった時、その人の相続人が誰か、を確定するためには、その人が生まれてから死ぬまでの戸籍が全部必要です。

なぜかというと、たとえば、男性が結婚して子供を作って離婚したあとで、「転籍」といって他府県などに戸籍を移す手続をすると、前に結婚して子供がいたことなどは新しい戸籍には全く転記されず、まるでずっと独身だったかのような戸籍になってしまうからです。
初婚のふりをして長年結婚生活をしていた人が、実は遠く離れた地域に前妻との間の子が5人もいた…ということが本人の死後に相続手続ではじめて発覚した、というケースもあります。

また、婚外子を認知したことなども転籍などで全部消えてしまうので、古い戸籍(除籍、または改正原戸籍といいます)を掘り起こして子供が何人いるかを確かめないといけないのです。

銀行預金の解約などの際、遺言があって遺言執行者が決まっているような場合以外は、相続人全員が実印を押さないと解約できません。
銀行は「相続人は誰と誰か」を確認しないと絶対にお金を払ってくれませんので、亡くなった方が生まれた時の戸籍(昭和10年生まれなら、その当時使われていた祖父母の戸籍)から死亡するまでの戸籍を全部集めないといけないのです。

【戸籍の集め方】
戸籍の集め方については,このようにします。
基本的に、最後の戸籍から遡っていく形になります。


こちらの戸籍見本をごらんください。


最初のところに,「名古屋市中区三の丸1丁目4番地の1から転籍届出」と書いてありますね。このように,前の戸籍がどこにあるかが書いてあるわけです。

この場合,「名古屋市中区」とありますので,中区役所になります。

ですから,中区役所に行って,
「本籍が名古屋市中区三の丸1丁目4番地の1の名古屋太郎の除籍を下さい」
と言って申請すればよいわけです。

後は,同じやり方で順番に遡っていって,亡くなった方が生まれた当時の戸籍まで遡ればOKです。

結婚して新しく戸籍を作った時は,たとえばこちらの見本のようになります。

「◯◯と婚姻届出 名古屋市中区◯◯番地 名古屋一郎戸籍より入籍」
というように書いてありますので,そこに書いてある結婚前の実家の戸籍を探せば大丈夫です。

また,「戸籍改製」と書いてある時は,同じ内容で戸籍の書き替えをした,ということです。


ですから、同じ番地の役所で,同じ筆頭者の方のこの前の戸籍を下さい、と言って申請すればよいです。

ずっと同じ市町村に本籍があった方については、市民課などに
「出生から死亡までの戸籍全て」
というような書き方の戸籍の申請書を置いてくれていますので、簡単に古い戸籍全てをとることができます。

しかし、他府県などから戸籍が移ってきている場合は、そこの市町村に電話した上で、郵送で戸籍を取り寄せることになります。
郵送申請のときは、戸籍発行手数料を郵便局の定額小為替で納める必要があります。
詳しくは当該市町村にお電話してお尋ねくださいね。

【親が亡くなる前に集めておくと吉】
…と、このように「古い戸籍集め」は異様にめんどくさく、手間がかかります。
しかし、古い戸籍(除籍や改正原戸籍)は、既に使われていない戸籍なので、内容が変わるということはありません。
つまり、一度集めておけばずっと使えるのです!

親が亡くなった後は、そうでなくても後期高齢者医療保険や年金、介護保険、税金などの手続が忙しいので、面倒な戸籍集めなんてとてもできそうにありません。

なので、古い戸籍全てを集める作業は、親が80歳を過ぎた頃にボチボチとやっておくと、いざという時困らないです。

古い戸籍を集めることの利点はほかにもありまして、それは、祖父母や叔父叔母のほか、曽祖父母など、知らなかったご先祖様の名前がわかることです。

霊能者のかたのブログで、
「お墓参りのとき、家系図を持参してご先祖様の名前を順番に読み上げ、お陰様で生かせていただいております、とお礼を申し上げるとご先祖様がとても喜ばれる」
と書かれていたものがありました。

今年のお盆の墓参りのときは、そのとおりにさせていただきました。
ご先祖様が喜んでくださっているといいな、と思います。

皆様がスムーズに相続手続をできますように。
いつもコメントやイイネをありがとうございます。

【12/26追記】
令和6年3月から、

広域交付制度

が始まり、親や祖父母、配偶者の戸籍や除籍は、一括して住所地の市役所などで請求できるようになります。
 ↓



ただし、本人が身分証明書を持って窓口に行く必要があります。
それでも、郵送でチンタラ取り寄せるよりはずっと楽ですので、この制度もご活用くださいね!