こんばんは。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
8/31に実父が89歳で急逝し、9/2に名古屋で葬儀を行い、9/3に高野山で永代供養と納骨の手続をして参りました。
49日にはまた親族みんなで高野山に行って法要をしてきますが、それまでの7日ごとの法事は永代供養先のお寺で毎週しておいてくださることになりました。
遺骨を抱えて毎週お寺を回った母のときと比べて非常に負担が少なく、とても有り難く思っております。
さて、菩提寺のある方で、男の子もいて墓や仏壇のお守りに不安のない方は菩提寺のご指示どおりされればよいわけなのですが(檀家制度はお寺のサブスクですね)、そうではなく、菩提寺がない場合、親の葬儀についてご心配のかたも多いのではないかと思います。
昨年6月の母の葬儀に続いて今回父を慌ただしく送り、ああ、事前にこうしておいたらよかったな、ということがいくつかありましたので、整理してお伝えしようと思います。
どなたかのご参考になれば幸いです。
【事前準備】
葬儀関係の互助会などにお入りの方はそちらをご利用されればよいのですが、そういうものと全く縁がない、という方は、突然親が危篤だ、とか亡くなった、とかいうことになると、どうしていいか途方にくれると思います。
高齢の親が入院中、危なくなってくると、医師から、
①「いまのうちに会える方は会っておいてください」
②「面会をフリーにします」
③「今日、明日がヤマです」
など、いろいろな言い方で
死期が迫っている
ことを告知されます。
母の場合、肺の難病だったので、
①→②→③
と順番に告知が進んだのですが、父は①の告知を受けてお見舞いに娘3人が駆けつける最中、容態急変というか、わずか10分の差で到着前に眠ったまま亡くなりました。
人が亡くなると、
医師による死亡診断書(又は死体検案書)の作成
→遺体の搬出
と続きます。
病院や施設は早く明け渡さないといけません。
ということは、
・遺体を搬送してくれる葬儀社にすぐ来てもらわないといけない
・自宅で葬儀できないなら、遺体の搬送・安置先(葬儀社なら葬儀会館)を迅速に選定してそこに遺体を運ばないといけない→契約必須
ということになり、しかも数時間単位の一刻を争う状況になります。
ということで、
①の告知を受けたら、病院にかけつけながらでもいいので、葬儀社に電話して
1 親が危篤であること
2 万一の場合は御社で葬儀を出したいこと
3 葬儀場は◯◯駅付近希望
4 葬儀の規模(家族のみか大規模か)
などを伝えましょう。
担当者が決まると、いざという時、まことに迅速に手続が進みます。
親が「株式会社◯◯社長」とかで社員や関係者が多数来るような大規模な葬儀になるのか、または親戚のみで10人程度なのかによって、電話する先が違います。
家族のみなら、
小さなお葬式
などと銘打っているような葬儀紹介屋さんに電話すると、最初から数十万円の格安プランを紹介してくれます。
しかも、大きな葬儀社の大規模な葬儀会館の中で実施できる場合もあり、驚きの格安価格で立派な施設を利用できたりしますので、いろいろと便利かなと思います。
ポイントは、
親が大変な病気で入院した、あるいは親が超高齢になってきてそろそろやばそうだと思ったら、
医師から①の告知が来る前に、あらかじめ葬儀社に資料請求
しておくことです。
(ネットで「資料請求」のボタンをポチるだけです。)
そうすると、名前と電話番号などで葬儀社に顧客登録され、Xデーの場合に話がめちゃくちゃ早くなります。
資料請求のとき、葬儀会館としてどこを希望するか◯をつける書式(ネットのフォーマット)があったりしますので、後の手続がますます便利になります。
※会社関係の場合は、社葬として経費にできるかもしれませんので、会社の経理のかたと相談すべきかもしれません。
【病院や施設から葬儀会館に移動するときの注意点】
人が亡くなると、遺体の上あたりにふわふわと霊体が浮いている、といいます。
本人はまだ死んだ自覚がないことがあって、そのまま遺体を搬出してしまうと、わけがわからず霊体だけが亡くなった場所に取り残されて、病院や施設に出没する幽霊になってしまうことがあるとか。
なので、必ず、搬出の前に
「今からみんなで◯◯に行くからね。お父さんも一緒にきてね。」
などとご遺体に声をかける必要があるのだそうです。
(桜井識子さんのご本で知りました。)
その時、搬出の前に一回、般若心経をあげておくとよいのだそうです。
よろしければご参考になさってくださいね。
(うちは両親とも、このやり方で病院や施設から葬儀会館に移動しました。)
【葬儀場選定の時、気をつけるポイント】
葬儀場選びの時、大事なことは、スタッフの質などのクチコミのほか、
1 駅近などアクセスのよい物件かどうか
2 親族控室が充実しているか(快適か)
3 周辺にコンビニやファミレス、銀行などがあるか
です。
1 駅近
葬儀の時、親族が集まりますが、駅近でないといちいち大変です。
(もともと電車とかが少ない地域で、参加者が全員マイカーを使用するのが常識、といった場合は別です。)
2 親族控室
葬儀の時、兄弟姉妹や叔父叔母、嫁などの親戚が喧嘩する…という修羅場は極力避けたいですが、ああいうことになる一番の原因は、
危篤の知らせから葬儀にかけて、
みんなろくに寝てないせいでイライラして不機嫌
だからかな、と思います。
母方祖父母の葬儀の際、母の姉妹どうしやお嫁さんとの間で、いろいろ嫌なことや喧嘩があったのですが、喧嘩してた人達は全員、危篤から数日間病院で付き添いなどしていて寝不足で、目がイッており、判断力も著しく低下していました。
自分たちが葬式を主催するときは、こんなことにはしたくない、と思いました。
昨年の母の葬儀のとき、かねて資料請求してお願いしていた「小さなお葬式」の担当の方が手配してくださったのが、名古屋駅近くの
愛昇殿太閤通店
という葬儀会館のいちばん上の階にある式場でした。
(うちは予算数十万円の家族葬です。本来は愛昇殿に登録した会員さんしか使えない特別なフロアらしいので、担当者さんに感謝感謝でした。)
ワンフロア1家族の貸切制で、親族控室は12畳ぐらいの和室(棺の安置所あり)、12畳ぐらいの洋室(応接セットとマッサージチェア付)、10畳ぐらいのベッドルーム(ベッド3台あり)、ジェットバス付きの一坪の広々したお風呂、台所、トイレ付きというスイートルームみたいなピカピカの綺麗なお部屋で、それはそれは素敵でした。
葬儀ホールは親族控室の隣にあり、他人が私達のフロアには入ってこないので、自由に行き来でき、ノーストレスです。
なにより、バス・トイレと寝室が快適なので、死亡前後のドタバタによる疲れがとれ、疲れた感じの親族はマッサージチェアやジェットバスに送り込んで復活させることができ、非常に有り難かったです。
父の時は①の電話から死亡まで数時間しかない、という緊急事態だったので、葬儀社への事前の連絡ができませんでした。
担当の方は母のときと同じ人だったので、母の時と同じ部屋を使いたい、と頼み込んだのですが、あそこは会員専用だから…とやや渋い返事。
(最初に第一報の電話を受けた人の交渉力の差のようです。)
そのため、最初に父を搬入したのは同じ葬儀会館の違うフロアで、18畳ぐらいのガラーンとした畳の和室と給湯室があるだけ。たぶん布団で雑魚寝、しかも風呂なしです。
これはやばい、と思い、追加料金が出てもOKなのでなんとか前と同じ部屋を使わせてください、と交渉して、最終的には料金追加で同じ最上階のジェットバス部屋を使えることになりました。
そんなわけで、あらかじめ近隣の葬儀場の施設や設備をチェックしておくこと、その際、葬儀場よりもむしろ親族控室のグレードや快適性をしっかり見ておくことが肝要かと思います。
3 食事の確保
通夜のとき、出前を取って来訪者にふるまう…ようなことはコロナ禍でほぼなくなっているかと思います。
そうすると、親族は、火葬までの間、どこかで食事をとらないといけません。お腹がすいたりまずい飯を食べてるとえてして人間は凶暴になり、喧嘩がはじまります。
近所のコンビニで調達するか、ファミレスに行くかですが、そういう施設が近くにない葬儀会館だと困ったことになります。
また、格安葬儀だと、葬儀費用は契約時に現金即時払いを求められることが多いので、銀行が近いと便利で安心です。
※銀行で「親が亡くなりまして」と一言でも言うと、即、口座凍結されます。
葬儀費用を親の口座から出さなくてはいけない場合、カードなどでATMから黙って出すしかありません。
入院中の親がいる場合、子供に十分な葬儀費用がないなら、念のため親から暗唱番号とカードの場所は聞いておいたほうがよいです。
ただし、親の口座から出したお金の管理は明朗かつ透明にしないと、あとで地獄の相続争いになりますのでご注意ください。
(後日、別記事にします。)
↓
【火葬許可取得の注意点】
医師の死亡診断書がもらえたら、それを葬儀社の人に渡すと、役所に死亡届を出してくれて、火葬許可がとれます。
葬儀の日程は
いつ火葬できるか
に左右されます。
死亡届は、
ア 故人の住民票所在地
または
イ 届出人の住民票所在地
の区役所に出します。
葬儀をする会館がアかイの近所ならよいのですが、そうでないと、遠くの区役所まで死亡届を出しに行くのが大変で、火葬許可が遅れますので、Xデーが近そうなら、親の住民票の場所についても考えて手配をしておくとよいと思います。
地域によっては、当該市町村の住民以外はよそ者割増が適用され、火葬料金がめちゃくちゃ高くなるところがあります。
(父はこれでした。7万かかりました。)
関東など、自治体によっては火葬が1週間待ちというところもあるそうですので、あらかじめ調査して、親の住民票を置く場所についても調べておくと安心です。
【故人の処置でお願いしたほうがよいもの】
湯灌とお化粧はオプション料金扱いのところがほとんどだと思いますが、これは必ずしていただいたほうがいいです。
含み綿などでご遺体を笑顔にしてくれますし、男でも薄化粧すると見違えるように綺麗になります。
母は、難病でかなり苦しんで亡くなったのですが、愛昇殿の神がかった技術の湯灌係の方のおかげで、にっこにこの笑顔になり、司葉子みたいなクールな美人顔になるようにお化粧もしていただき、実家から運んでおいた紫の訪問着と金襴の帯を綺麗に着せていただいて旅立ちました。
元モデル出身で、最後までおしゃれに命をかけていた人ですので(70代までピンヒールにボディコンスーツでしたし、入院先の病室でも医師の許可を特別にとってフルメイクをしていました)、本当に有り難かったです。
父も、薄化粧のおかげで若返って、綺麗に旅立てました。お化粧、ほんとに大事です。
【お棺に入れたほうがいいもの】
三途の川の渡し賃を入れておいてあげないと、三途の川まできたとき、お金がないから渡れない…となって、成仏できないかたがおられるそうです。
と、桜井識子さんのご本にあったので、1000円札を畳んで、着物の胸に入れてあげて、
「これ、三途の川で料金払う時に使ってね。タクシーでもいいし、来たものに乗ってね」
と言い聞かせました。
【お花の祭壇の利点】
お安めの家族葬の場合、なるべく出費を抑えて、かつ、本人を綺麗に送ってあげるには、お花の祭壇がとても有難いです。
なぜかというと、出棺の前のお別れの時に、祭壇のお花を全部切って、お棺に入れてあげることができるからです。
顔以外を花で埋め尽くすと、とても華やかに送ってあげることができます。
【収骨のときの注意点】
火葬がすみ、いよいよ骨上げです。
葬儀会館のかたから、
骨壷は、本骨(大きい骨壷)だけか、分骨用の小さい骨壷も用意するか、どうしますか
と聞かれると思います。
先祖代々のお墓に入るなら、本骨だけでOKです。
ただ、
分骨して高野山奥の院にも納骨したい!
というような場合、骨揚げについて注意が必要です。
高野山奥の院では、10万円で分骨を納骨させてくださいます。
燈籠堂で読経のあと、弘法大師御廟の横の方にある納骨堂に納骨します。
ただし、高野山奥の院には
喉仏の骨しか納骨できません。
これを知らずに、分骨の小さい骨壷にもお骨をたくさん入れて重くすると、
「これは本骨ですね。奥の院には納骨できません」
と言われてしまいます。
高野山奥の院への納骨をご希望の場合、
分骨の小さい骨壷には喉仏の骨しか入れない
ように、火葬場の職員さんにあらかじめお伝え下さい。
奥の院燈籠堂の回向の読経の中に出てくるのですが、弘法大師さまは、生前に、
高野山に納骨した人については、弘法大師様が助けることで必ず成仏させて、菩薩になれるようにしてあげる
と誓われたのだそうです。
有難いことこの上ないのですが、奥の院に納骨を希望の場合は、くれぐれも喉仏以外の骨を小さい分骨容器に入れないようご注意ください。
※父は分骨容器にもなみなみとお骨を入れられてしまったため、本骨を納骨させていただく高野山の塔頭のお寺で、あらかじめ分骨容器から本骨容器に喉仏以外の遺骨を移すことになりました💦
骨壷を持っただけでこれは重すぎてやばいと気付いて教えてくださったうえ、自らお骨の移し替えまでしてくださった塔頭のご住職に感謝です。
皆様が、ベストなお葬式で親御さんを極楽へ送れますように。
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