こんばんは。
ご訪問くださり、ありがとうございます。
こちらのブログでは、基本的には腎不全や腹膜透析のかたに何らかのお役に立つと思われる情報を書くようにしております。
今日は、病気平癒祈願などとの関係で、霊験あらたかな生き仏と言われる、
比叡山の千日回峰行者の大阿闍梨様による護摩祈祷とお加持
を受けられる
比叡山の
千日回峰行者特別祈祷
と、
比叡山無動寺谷明王堂の
護摩祈祷
についてご紹介します。
※昨年の記事に、今年の変更点を加筆修正して再アップしております。
【千日回峰行者特別祈祷について】
比叡山の横川中堂で、毎年9月に行われており、
ことし令和6年は
9/6〜9/8
の3日間です。
申込受付が本日、7/1から始まりました。
どんな行事なのかは、あとで詳しくご説明します。
※比叡山延暦寺の公式サイトのポスターです。
令和6年から、内陣特別席も公式サイトからネットで申し込めるようになりました。
1日あたり20席限定です。
↓
千日回峰行者特別祈祷公式サイト
【千日回峰行とは】
ウィキペディア
比叡山のお坊さんのする修行の中で最も過酷なもので、毎日、夜中に比叡山の山中を30kmにわたって飛ぶように歩きながら、途中にある石仏やお堂の前でお経をあげて回ります。
台風でも、熱が出ても、やめることは許されず、予定どおり走れないならば自害せよ、ということになっていて、自害用の短刀を持って回るのが掟だそうです。
1年間に100から200日ずつ行うしきたりなのですが、7年後、700日たったところで「堂入り」という命がけの行があり、準備として100日間五穀断ちしたあとで、
丸9日間、
寝ず、
横にもならず、
水も食べ物も一切口にせず、
お堂の中でひたすら真言を唱える
という修行をします。
ただ座っているだけではなく、毎日夜中に数百メートル離れた井戸までお不動様にお供えするための水(閼伽水)を汲みに行くのも義務付けられています。
普通の人なら7日で死亡するような過酷な行です。そのため、堂入り前は「生前葬式」をしてからお堂に入るのだそうです。
堂入り中は、死ぬスレスレのところまでいくため、線香の灰が落ちる音が聞こえるほど感覚が鋭敏になるとのことです。
堂入りが終わると、今度は、一般人にお加持を通じて病気平癒などの加護を与えるための「利他行」が始まります。
1日に回る距離が60kmに一気に増えるうえ、「京都大回り」といって、比叡山から歩いて京都まで降りてきて、平安神宮のあたりなどの市内を回って、沿道で待っている信者の背中を数珠で叩いてお加持をしながら延々と全長84kmを歩く、という過酷なプログラムもあります。
この京都大回りは100日行います。
このような千日間の行を全て終え、満行されると不動明王の化身になるといわれており、様々な奇跡を起こす法力のある生き仏様として崇拝され、
北嶺行満大阿闍梨
という称号がつきます。
【千日回峰行者様について】
現在、比叡山には数名の北嶺行満大阿闍梨様がおられます。
そのうち、9月の特別祈祷をされる3名のかたは、満行された時期が早い順に、
藤波源信 大阿闍梨様
光永圓道 大阿闍梨様
叡南浩元 大阿闍梨様
です。
叡南浩元大阿闍梨様は、いまのところ一番新しい阿闍梨様ですので、現在、千日回峰行者さんの基地(修行の場)である、比叡山の
無動寺谷明王堂
のご担当(輪番、といいます)もされています。
これ以外にも大阿闍梨様はおられまして、5月の比叡の大護摩をご担当されたりしておられます。
皆様それぞれ、御自分が住職をされているお寺も持っておられます。
【千日回峰行者特別祈祷の内容】
1 開催場所
比叡山横川の横川中堂というお堂で開催されます。
当日は横川中堂の前に受付テントが出ます。
横川へのアクセスについては、こちらの過去記事をご覧ください。
↓
なお、当日は、横川行きの臨時バスも出るそうです。
公共交通機関で行くには、坂本ケーブルか、バスで比叡山に登り、そこから横川までこのシャトルバスで行って、帰りも同じように延暦寺バスセンター又は坂本ケーブルのりばにシャトルバスで戻り、麓に降りるバスに乗るか、ケーブルで坂本に降りるかになります。
延暦寺バスセンター発横川行きシャトルバス
横川から延暦寺バスセンター行きシャトルバス
2 チケットの種類と違い
このご祈祷に参加する際は、
① 3000円の一般席
② 3万円の内陣特別席
のどちらかを選ぶことになります。
①の一般席は当日、現地で先着順受付です。早くから行って、テント前で立って並ぶことになります。
②の内陣特別席は事前にネット申込で、原則的には先着順でお席も決まります。ただし、お席の位置は、大人の事情で調整が入ることもあります。
どちらも、参加費は当日、テントの受付で現金で払います。
一般席は、普段、横川中堂にお参りした時に参拝者が入れる場所に椅子が並べられており、そこに受付順に座っていきます。
比叡山のお堂は、根本中堂もそうなのですが、仏様のお厨子が2階の高さにあり、その回りが1フロア低くなっていて、その低い所でお坊さんがお経をあげます。
(1階は、お厨子のすぐ横なので内陣といいます。)
参拝者は、お厨子と同じ高さ(2階)に、お坊さんがいる内陣を見下ろすように外周に沿って作られたデッキのようなところからお参りします。
(参拝者エリアを外陣、といいます)。
一般席の椅子は外陣に並べられるので、受付が早くて、前の方に座れますと、阿闍梨様のお護摩風景などの見通しはとてもいいと思います。
内陣特別席は、阿闍梨様と同じ高さに、左右に別れて、横5人、2列ぐらいの10人ずつ、合計20人です。
阿闍梨様とご本尊に近い左側の前方席から順番に1番、2番…と番号がつき、左ウイングが満席になると、阿闍梨様の右側最前列からまた埋まっていくことになります。
↑
この公式のお写真の真ん中が阿闍梨様で、手前に後ろ頭が見えているのが内陣特別席の左ウイングのかた、写真の右側の赤い柵のさらに向こうが外陣一般席です。
ご本尊の観音様は、この写真でいうと阿闍梨様の左側におられます。
(写真では柱の陰になっています。)
内陣特別席はまさに、かぶりつきの位置、ということになります。
(その分、護摩の煙と熱もすごいですのでご注意ください…)
3 式次第
特別席のかたは参加証を兼ねて、受付で輪袈裟をいただきます。内陣に入るときは輪袈裟をかけていないといけません。
お席に案内されるとき、内陣はお清めしていない人は入れないので、お坊さんが参加者に聖水を樒の葉でふりかけて、軍荼利明王の真言を唱えてお清めしてくれます。
あらかじめ、内陣特別席の参加者は護摩木を渡されて名前と年齢、願い事を書き込んでおり、それを持って着席します。
外陣一般席も護摩木を記入して、お坊さんに預けます。これは阿闍梨様の横に積み上げられます。
一般席のかたも、紙製の輪袈裟を参加証としていただきますので、それをかけて座ります。
お護摩が始まるとお坊さんたちが読経し、阿闍梨様が護摩を焚きながら護摩木を投入していきます。
内陣の人は、指示があったらひとりずつ阿闍梨様に近づき、自分の護摩木を手渡すことができます。
阿闍梨様は護摩木を読みながら火にくべていかれます。
内陣特別席の人の名前と願い事は、確か別途、読み上げていただけたような記憶です。
開始から1時間ぐらいして、護摩木を焚き終わり、お経と真言を唱え終わると、阿闍梨様によるお加持が始まります。
内陣席から先に、阿闍梨様が席の間を回りながら、合掌して頭を下げている参加者の両肩を数珠で叩いてくださいます。
一昨年、光永圓道大阿闍梨様のお加持を受けたときは、数珠で叩かれただけなのに、ビビビーっ!と強い電流が走り、めちゃくちゃ驚きました。
これが生き仏様のお力なのか…!という感じです。
阿闍梨様は外陣一般席ももれなく回ってお加持されます。
全員のお加持が終わると終了です。
開始から終了まで1時間半ぐらいです。
内陣の参加者は、帰りに、御祈祷ずみの木の御札をいただけます。
4 注意点
締め切ったお堂でさかんに火を焚きます。
酸欠+前が見えにくくなるほどの煙とススによるPM2.5で、かなり空気は悪くなります。
一昨年、内陣の最前列にいた若い女性が煙にやられてフラフラになり、係のお坊さんに連れ出されていました。
終了後、マスクをみたら、不織布の網目がわかるほど真っ黒になっていて、そらおそろしい感じでした。
↓
衣類は必ず、洗濯機で洗える素材のものにしましょう。
全身、耳の穴まで、もれなく護摩の煙で燻製になります。帰宅したら即、お風呂+ミミクリン+洗濯が相当です。
横川に行くとき、お手荷物に取替用の予備のマスクと、帰りにどこかで顔を洗うためのタオルは必ず入れておきましょう。
【無動寺谷明王堂の護摩祈祷について】
さて、千日回峰行者特別祈祷はステキそうだけど、交通費と参加費を足したらすごい額になりそうだからちょっと引いちゃう…という場合、
無動寺谷明王堂で毎日11時から行われているお昼の護摩供に参加する
と、願い事を書いた護摩木は(積み上げ方式ですが)その時に焚いてもらえますし、千日回峰行者の大阿闍梨様によるお加持も受けられます!
【無動寺谷明王堂について】
東塔の坂本ケーブルの延暦寺駅から、山道をビル23階分降りたところにあります。
千日回峰行者さまが千日回峰行をするときの基地で、堂入りもこのお堂でします。
ということで、大変にお強いお不動様がおられます。
無動寺谷には、この明王堂のほかに弁天堂があり、どちらも、なんともいえない凄い空気感の、特別な結界があるような神秘的な雰囲気のところです。
弁天堂には、もののけ姫のシシ神の森?みたいな雰囲気があります。
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明王堂では、原則として毎日11時から、輪番の大阿闍梨である叡南浩元様によるお護摩が奉修され、最後に数珠によるお加持があります。
参加は原則無料です。
※阿闍梨様が別の法会に参加されるなどで護摩の時間が変更、または中止になることがありますので、事前に確認されると安心です。
【令和6年9/19修正】
コロナ禍や、人気でお堂が満員になる、など、諸般の事情で、原則予約制になっています。
明王堂の電話番号
077-578-0450
にお電話して、予約なさってください。
あとで説明する「ご挨拶」に参加するかどうか確認されますので、
御護摩のみ参加
か、
御護摩+ご挨拶に参加
かをお答えください。
【堂内での注意】
真ん中は阿闍梨様の通り道なので開けておきましょう。
輪袈裟はかけていたほうがいいです。
阿闍梨様の入堂のときは、みなさん正座して平伏してお迎えされます。
護摩供の途中、全員で般若心経や不動経、真言を唱えますが、不動経の経本は配っていただけます。般若心経は皆様暗記で唱えておられます。
護摩が終わると、みなさんお堂で合掌して平伏され、阿闍梨様がお数珠で両肩を叩いてお加持されていきます。
なお、護摩木は有料です。
お護摩開始前までに書いて、係のお坊さんに渡してください。
(300円です。)
なお、電話予約の際にご挨拶に参加しますか、と必ず聞かれまして、参加しますとお答えすると、護摩供開始前または終了後、明王堂のすぐ下にある阿闍梨様のお屋敷のお座敷で、阿闍梨様と少しお話をできます。
ご挨拶は、御護摩の前にする分と後にする分があります。
最近はお護摩のまえ、10時30分からご挨拶になっているようです。
ご挨拶に参加するかたは、お昼ご飯をいただけることが一般的なようです。
ただし、このお昼ごはんは、仏道修行のためのものなので、
・音を出さず、喋らずだまって食べる
・残さず全部食べて、最後にタクアンとお茶で器を全部洗って飲み干す
という決まりがあります。
また、ご挨拶もお食事も、座敷で正座した状態になります。
腎不全などで厳しい食事制限のあるかたがいつも外食のときにされているような、
何が出てくるかを見てから食べるかどうかを決めて、カリウムや塩分、たんぱく質の関係で無理なものは残す
という方法がとれません。
また、膝や腰の持病で正座が難しい方は辛いと思いますので、その点はご理解くださいませ。
お食事の量自体は、あらかじめお願いしておけば減らしたりしていただくことは可能です。
※明王堂から見た阿闍梨様のお屋敷の屋根と、その向こうの琵琶湖です。
↓でご紹介するブログのかたが書いておられる「お斎(おとき)」とは、このお昼ご飯のことです。
この「ご挨拶」に参加する場合、予約のお電話で、担当の方から注意事項のご説明がありますので、そのとおりになさってくださいね。
明王堂には、お堂内の右の端っこに元三大師百籤の筒と、おみくじの入った引き出しがあり、セルフでおみくじをひけます。
【無動寺谷へのアクセス】
坂本ケーブルの延暦寺駅で下車して、駅から出ると、すぐ横に石の鳥居があります。
そこを入って、下り坂をどんどん20分ぐらい降りていくと無動寺谷につきます。
車道から行くと、ケーブル駅から行くよりたくさん降りなくてはいけないので、無動寺谷に行くときはケーブル利用を推奨です。
帰りはビル23階分の坂道を登ります。
登山用の杖があるとお楽です。
なお、無動寺谷は、比叡山の中腹にありますので、麓の坂本から歩いて登ることもできます。
↓
↓のブログのかたは、行きは坂本から無動寺谷まで歩いて登り、帰りはいったん無動寺谷から坂本ケーブル延暦寺駅まで登ってから、ケーブル横を歩いてふもとまで降りた、というツワモノです。
(普通はケーブル駅までいくとヘロヘロになります。)
このかたは、ご挨拶にも参加されておられて、随喜もされたことのあるベテランのようです。
途中の道の写真や、阿闍梨様のお屋敷の写真もありますので、ご覧ください。
(2024/3/23追記)
※2024年3月17日に辨天堂にお参りした際に、帰りの上りの坂道で後ろからきた男性が、ヘトヘトな雰囲気で
「坂本から登ってきたのですけど、明王堂についた時点で死にそうになりました。まだ、かなりあるんですよね…」
と言われていました。
↑の絵図面は延暦寺の中にあるものです。坂本(日吉大社、とあるところ)からの高低差がよくわかりますので、ご参考にしてくださいね。
皆様がよいお参りをすることができて、阿闍梨様のお加持でお願いごとが叶いますように。
いつもコメントやイイネをありがとうございます。
とても励みになっておりますm(__)m