親類に居住用財産を譲渡した場合に3000万控除は可能か?! | 理系税理士 佐原三枝子のラジカルトーク

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宝塚で開業している女性税理士です。
経営や税務に関することはもちろん
季節のエッセイや
トレッキングやアウトドアの趣味のことも書いています。

土地や建物を譲渡して
利益が出た方は必ず確定申告をしなければなりませんが
たまたま自宅を譲渡した場合にまで
利益が出たからと言って無体に税金をかけるのはいかがか・・
ということで、
諸条件をクリアしなければなりませんが
3000万までなら利益が出ても、なかったことにしましょう
という制度があります。

昨今の不動産の値下がりで
譲渡損は出ても譲渡益は出ない、という方が多くなりましたが
それでも、先代さんからの相続物件などの場合は
譲渡益が大きくなることがあります。

この居住用財産の3000万の特別控除の適用要件の中に
売却先の制限があります。

特殊関係のある人に売ったのでは適用しませんよ、
という縛りです。
親類縁者で3000万で、うまいこと利益が収まるように価額を操作して
裏でごそごそ・・・なんていうことを規制するためでしょう。

では、この特殊関係者とはだれを言うのでしょうか?


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   ①その個人の配偶者及び直系血族。

   
   ②その個人の親族(①の者を除く。以下同じ。)でその個人と
    生計を一にしているもの及びその個人の親族でその譲渡に
    かかる家屋の譲渡がされた後その個人とその家屋に居住
    するもの。
   
    

   ③その個人とまだ婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と
    同様の事情にある者及びその者の親族でその者と生計を一に
    するもの。

   ④①から③に掲げる者及びその個人の使用人以外の者で
    その個人から受ける金銭などにより生計を維持しているもの
    及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの。

   ⑤その個人、その個人の①及び②に掲げる親族、その個人の
    使用人若しくはその使用人の親族でその使用人と生計を一に
    しているもの又はその個人に係る③及び④に掲げる者が
    その発行済株式等の50%以上を有する同族会社その他これに
    準ずる関係のあることとなる会社その他会社以外の法人。
    

    なお、特殊関係者等に該当するかどうかの判定は、②を除き、
    居住用財産を譲渡した時点で判定する

   
     


ひょえ~。
法律の文章ってなんでこんなにわかりにくいんでしょうね~。

ということで、お客様からの具体的な質問で考えてみます。

「弟が僕の家を買ってくれるっていうんだけど、
3000万の控除は使えるんかな?」
「弟さんは生計は別ですか?」
「よっぽど向こうのほうがお金持ってるがな~」
「うう・・・。そこを売られた後はどうされるのですか?」
「僕はちっこいマンションを買ってそこに移ろうかと・・・。
弟は家が古いから壊して、息子らに家を建ててやるとか言ってたで。」

弟なので直系親族や配偶者でない
(弟は傍系親族になります)
生計別
売却後に一緒に住むこともない
ということで、弟なんていかにも特殊関係者っぽいのですが
この場合、売却先が弟はOKです。

逆に、
売却先が法人であったとしても
自分や親、配偶者などがオーナーである同族会社では
関係を法人で偽装しているだけなので
ダメということになります。

もっとダメ出ししますと
離婚した後の配偶者は他人ですから
離婚後に相手に売却すれば
この控除は受けられることになります。

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