神経痛っていう言葉がありますが、神経が痛むわけではありません。

例えば、座骨神経痛。 
座骨神経が痛いのではなくて、座骨神経に沿って痛みが走るため呼ばれている俗称であり、座骨神経痛と言う病名はありません。俗称であり、また神経そのものが痛んでいるわけでは無いのです。

そもそも、神経というものは痛みを感じるための器官では無いのです! 
( ̄ェ ̄;) エッ?って思った方、いるでしょ?

身体を縦横無尽に走っている神経は痛みを感じるための器官では無いなら何なの?って疑問を持つ方いませんか?

以下、私の拙い知識でごく簡略化した説明を書きますので、実際とは多少異なっていたり正確では無い表現が含まれていると思いますがご了承ください。



実際に痛みを感じる、または痛みを感知する器官は、神経が枝分かれした先端にある未分化なポリモーダル受容器という
侵害受容器(センサーのようなもの)なのです。
この受容器にブラジキニンという物質が作用することで化学反応により起電力を生じ、それが神経を伝って脊髄~脳へ痛みの生体電気信号を伝え、脳で痛みとして認識します。

つまり、神経は痛みの信号を伝えるための、いわば電気配線のようなものなのです。

ただし、電線のように電子が移動して電流が流れるのではなくて、発生した電位により局所的な脱分極が生じ、神経細胞の表面の膜にある電位依存性Na+チャネルを開き、そのNa+チャネルの開口が周囲に広がり脱分極を繰り返していくことで活動電位の伝導が起こります。

このようにして痛みの電気信号が神経繊維を伝わって脊髄~脳へと伝わり痛みを認識することができます。

ですから、神経そのものが押されても電位が生じない限り痛みは発生しないし、痛みを感じることもありません。


さて、ポリモーダル受容器で痛みの電位が発生するためにはブラジキニンの作用が必要ですが、そのブラジキニンという物質は、細胞への酸素供給が滞ったり不足することで放出されます。

つまり、筋肉細胞に局所的な酸欠状態が継続的に生じることでブラジキニンが放出され、ポリモーダル受容器で電位が生じて、痛みの信号が起きるのです。
その他では、外部刺激によるもの、つまり打撲や切り傷などの外的エネルギーによってもブラジキニンが放出されます。

さて、痛みの信号が脳へ伝わり、痛みを感じることによって脳からは逆に緊張信号が出て、それによって筋肉の緊張や血管の収縮が生じ、さらに末梢の循環が阻害されることでさらに細胞への酸素供給が低下して悪循環が起こります。




東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター教授の花岡一雄氏(日本医師会雑誌「疼痛コントロールABC」より)
(痛みの第一現場、第二現場の名称はあとで加茂先生が書き加えたものです。)


さて、筋細胞の酸欠が発生した場合というのは、細胞が酸素を受け取れなくなった場合です。
細胞は直接血液から酸素を取りこむのではなくて、間質液つまりさとう式では間質リンパ液と呼ばれているものを介して行われます。

筋肉が硬く緊張したままでは筋細胞がこの間質リンパ液を受け取ったり、不要となった疲労物質(乳酸)を含む間質リンパを放出できなくなります。
この状態が続くと細胞は酸素不足となり、発痛物質と呼ばれるブラジキニンが放出されるのです。


つまり、さとう式ではこの筋緊張を取り除き(筋ゆる)、細胞への間質リンパの流入・排出を促すことで痛みが消えていくのです。
さとう式では、このように間質リンパの作用を改善する事をリンパケアと呼んでいます。

巷のリンパマッサージとはまったく異なります。
巷のリンパマッサージはリンパ管の流れを、身体を揉むことで強制的に行おうとするもので、この細胞との間質液(間質リンパ液)のやり取りを改善するものでは無いのです。


さとう式の施術では一切揉みませんし、強く押したりも引っ張ったりもしません。

強制しません。 コントロールしようとしません。 

ただより良い状態へ向かえるようにマネージメントするだけです。

そうすることで身体が自ずからより良い状態へと向かっていくのです。




さとう式に興味を持たれた方は全国で無料セミナーも開催されていますので、この機会に参加されてみては如何でしょう?

また、当院でも随時行っていますのでよかったら遠慮無くお問い合わせください。
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