第7回目は…
ユキ役・東澤有香さん
にインタビューしていきたいと思います!
(質問者・大和田あずさ、長野功/本文中は敬称略)


大和田:今日の顔合わせで、初めてハミングを読んでいただいたと思うんですが、どのような印象でしたか?
東澤:印象…多分(この質問の)趣旨とは違うんだけど、今日みんな平読みっぽかったでしょ?だから私も平読みでやっていたんだけど、あまり入ってこないって思って、一人で読んでる方がすごい分かったなって…。一人で読んでるときは、家族のことだったり、これから家族を作るってことだったり、テーマ的なことが素直に入ってきたんだけど、あ、今日は私ちょっと分かんないなって思いながらやってたっていうシンプルな印象です。色付けるみたいなことになっちゃうから、Pitymanはそういうやり方なのかなと思って
長野:そうですね。Pitymanではなるべく最初フラットにやった状態で、そのあと演出意図を加えて少しずつ構築していくって方法をやっています。でも確かに、台本自体が重めというのもあって、ちょっと辛かったですよね
東澤:辛かった!なんか、入ってこないなっていう印象
大和田:そうなんですね。では、今回東澤さんが演じる、ユキという役についてどう思いますか?
東澤:えっとね、すごく、女の人だなぁって。すごくあったかいし優しいし、包み込んであげる、みたいなイメージを抱きました。ただその要素が私にはあんまりないので、いかにそれに近づこうかなっていうのは考えます
大和田:何故、その要素がないと思うんですか?
東澤:多分、私は私過ぎるんだろなと、興味の行き先が。私がその境地に立ったことがない、そういうものの見方をする女性の要素が薄い方なので、面白いな、やるのって思いました。チラシ撮影ひとつとっても、ちょっとふんわり森ガール風な格好を提示されたんですけど、私普段は絶対しないんですよ
大和田:そうなんですか
東澤:だから「あ、そういうのを求められてるんだな」って思ったりして、おおっ新しいって思った。それが結構私の中で色付けになったりしました。良いか悪いか分からないけど
大和田:そのお話を聞いて、すごく意外に思います
東澤:うーん、どう見られるかって分かんないですもんね
大和田:そうですね、特にお芝居の世界だと
東澤:そうだね
大和田:では、(ユキの)キャラクターに共感できる部分、できない部分はありますか?
東澤:共感できないはないです。なんかね、ハルくんに対しての母性みたいなのをすごく感じる
長野:二人が(ハルとユキが)劇中での父性と母性みたいなポジションになってる感じはしますよね
東澤:象徴みたいなことだよね
大和田:では、本の中で気に入っている所や、良いなと思う所があれば教えて下さい
東澤:なんでか印象に残っているのは「そんな困った顔で結婚しようなんて言わないで」っていう言葉
大和田:それは、何でですか?
東澤:人が喋っている言葉って言葉でしかなくて、喋ってても違うこと考えてますよね。常に同時進行で誰に対してでも考えてる
大和田:そうですね
東澤:さっき言った母性の部分も、悲しいもあるし、そんな男じゃやだもあるし、色んなものがこもってる言葉だなって。『そんな困った顔で結婚しようなんて言わないで』って、優しくも聞こえるけど、真逆にも聞こえる。360度矢印がいっぱい向けられるなっていう思いでした


photo by 大口 葉


大和田:では、ハルくんのことをどう思いますか?
東澤:あぁ…愛すべきヘタレだなって思います。実際ヘタレじゃないんだけどね。なぜでしょう、これが辻さんのパーソナルもあってなのか…絶対憎めないし絶対見捨てられないし、ユキちゃんだったら「そんなに考えてどうすんの?考えすぎだよ!」って言うと思います
大和田:では、ご家族との出来事でご自身の考えに影響を与えたことがあれば教えて下さい
東澤:ああ、そういった意味では、私の父親が芝居をやってたので
大和田:お父さんが役者さんなんですか?
東澤:はい。やってたんですが、私ができたことによって半ば諦めて公務員の道を選んだんです。それからも許す範囲で舞台はやってた人で、かなり幼い頃から父が出る芝居を見ていたので、それの影響はすごく強かったと思います。それが素敵だったからとかではなくて「あ、こういう選択肢もあるんだな」というのはすごくありました。なんか、周りはみんな普通に大学進学して就職してっていう感じだったけど、そうじゃない道っていうのはあって良いし、あるんだなっていう。芝居なんて一生見ないでしょ?人によっては
大和田:見ないですね
東澤:その方が多いかも知れない、もしかしたら人口的には。そういった意味ではすごく影響が大きかったなと思います
大和田:なるほど。では、お母さんってどんな方なんですか?
東澤:母は、もう辞めちゃったんですけど以前公務員をやっていて、父とは職場結婚でした。一般人なんですけど、私ができて父がきちんと公務員に収まっても、この人いつか辞めて芝居の道にいっちゃうんだろうなって、心の準備をしてたみたいな話を聞いて
大和田:じゃあそういう、覚悟じゃないですけど
東澤:みたいなものはふんわりあったんだなっていうのを大人になってから聞いて、すごいなぁって思いました
大和田:すごいですね、なんかお母さんって強いですね
東澤:強いですよね。なんか役者同士だったら支えてあげたいって気持ちとか、自分もやってたからその気持ち分かるわってなるけど、全然職場が違ったら、そんなの辞めて、ちゃんと築いてよ家庭をって考えちゃうかも知れないって思ったので、すごいなって思いました


photo by 大口 葉


大和田:登場しないハルの父と母についてどう思いますか?
東澤:どうなんですかね、会いたいなって思いますね
大和田:それは、何故ですか?
東澤:どういう人たちがこの人を作ったんだろうってのは単純に興味があるし、それがどれだけ良かろうと悪かろうと、会うってすごいパワーじゃないですか。人が持ってるパワーって、見聞きとか想像じゃなくてこの目で見て会うって、纏ってる空気感とか訴えるものがすごいと思うから、ぜひ会って、できる限り仲良くなってみたいなって思いますね
大和田:あなたにとって家族とはなんですか?
東澤:家族とは。だいっきらいなんだけど、だいっきらいをいっぱいひっくり返し続けてると、結局は大好きが残ってしまうもの
大和田:では、ハミングをこれから見る人に一言お願いします
東澤:自分の家族とか大事な人のルーツみたいなことを考えざるを得ないお話だと思います。で、それを考えることって結構日常あんまりないじゃないですか。だから、普段考えないことを考えられるって素敵ね、と思います。楽しみです。楽しみしかないです、わたし今


次回は最終回…
山下 由のインタビューです!!
(6/18更新予定)

お楽しみに!!