その124:マングローブメジロ(Lemon-bellied White-eye)



よく似た種類がいて、種の識別が難しいグループがいくつかいます。

代表的なのはムシクイWarbler。特に中国からヒマラヤ辺りに分布しているLeaf Warbler系は研究があまり進んでいないこともあって、囀りでの識別ができない越冬地では、ほとんど識別が不可能な場合もあります。

アフリカにいるGreenBulというヒヨドリの仲間も、お互いとてもよく似ていて、しかもそれが何種も一緒になって群れているため、識別に気が狂いそうになるそうで。


今回紹介するメジロの仲間も、1つの種でも島毎、或いは場所毎に色合いが全然違っていたりして、中々に奥深いグループであると言えそうです。




feathercollector's diary-マングローブメジロ

これはマングローブメジロ Lemon-bellied White-eyeです。


feathercollector's diary-マングローブメジロ

日本で普通に見られるメジロと姿・大きさは似ますが、腹部まで鮮やかな黄色である点で、明確に異なります。主にインドネシアの島々の沿岸部に生息しています。この個体はバリ島で撮影したもの。




これに似ているのがヤマメジロMountain White-eyeの標高の高い地域に生息する亜種で、色合いはそっくりです。


当時、手持ちの図鑑が、「A Field Guide to the Birds of Borneo, Sumatra, Java, and Bali 」しかなくて、これの記述がかなり適当なため、これが本当にマングローブメジロなのか、随分悩みました。

 



→この図鑑はお勧めしません。



海外の図鑑は、地域によってはほとんど出版されてない場合もあります。

毎年数多くのバードウォッチャーが訪問するボルネオでさえ、まともな図鑑が出版されたのは、つい最近のことでした。

ラオスやバングラディッシュは未だに図鑑さえありません。(東南アジアの図鑑がカバーしていると言えばそうなのですが。)


過去に図鑑が出版されていても、絶版となっていることもあります。極楽鳥が生息するパプアニューギニアも、まともな図鑑が1つしか出版されておらず、しかもそれは現在絶版のため、10万円というとんでもない高額で売買されています。
Birds of New Guinea (Handbook (Wau Ecology Inst.../Bruce McP Beehler



¥5,367

Amazon.co.jp


(2015年現在、改訂版が発刊されたため、価格は大幅に下落しています)

→ニューギニアの図鑑は来年くらいに新しいのが出る筈なので、購入を考えておられる方は、しばし待ちですね。

(2022/1追記)
ニューギニアの図鑑としては以下がお勧めです。

 




という訳で、ここで一句。「いつまでも あると思うな 図鑑と時間」(字余り)

メジロの仲間はこちら↓






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