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かぐやに訪れた最初の禍はザコによるものでした。

御上の声・かぐや姫の章で悪魔no.5のミヒョルエバンがかぐや姫に手を掛けようとした時に、悪魔no1のコッキャキレエヌに滅された事をお伝えしたのは覚えておられるでしょうか?
その後ミヒョルエバンは霊(タマ)を10000個吸収し、辛うじてザコとして蘇りました。
当然に悪魔no.5ミヒョルエバン時代の記憶など無い筈なのですが、何故か恨みだけは残っていた様です。

とはいえ、ザコとして蘇ったミヒョルエバンがかぐやに近づく事は出来ません。
ゆえに、彼は霊(タマ)を操って復讐を試みるのでした。

かぐやと空は、野山を駆け回り、木々や森の生き物たちと戯れる日々を過ごしていました。
それは大きな感激や驚きや発見など特に無く、地味で淡々とした生活でしたが、それでも、二人が共に在る事、そのものに深い幸せを感じていました。

尊き想いの郷からこの世に舞い降りる際に、離れ離れになった時の底知れぬ悲しみの記憶が、殊更に今の幸せを増強しているのでした。

穏やかに時は流れ、夏の暑さも和らぎ、そろそろと淋しげな虫の音が響き渡りだした晩夏の夜の事でした。
北の山から季節に合わせて南下してきた山賊が、事もあろうにかぐや達の暮らす野山に現れたのです。

普通山賊は、その山で暮らす者には目もくれません。何故なら、ほぼ自給自足の生活をしている彼らが、山賊を潤す様な金品を持ってる筈も無いのを心得ているからです。

あの夜も、二人の無邪気な行動が無ければ、悲劇に見舞われる事も無かったでしょう。

  薄汚れたこの地図と
  お前の地図を取り替えろ
  此処を通して欲しければ
  金目の物は置いて行け

  助けて欲しけりゃ金を出せ!
  助けて欲しけりゃ金を出せ!

  馬に飛び乗り去り行くは
  ヒト知れず我が姿
  この頭巾の奥底に
  潜む憎悪断ち切れず

  許して欲しけりゃ服を脱げ!
  許して欲しけりゃ跪け!

  後に引けず先行けず
  この身沈み落ちるまで
  取り囲むは我が頭巾
  満ち足りては無情なり

  助けて欲しけりゃ金を出せ!
  許して欲しけりゃ服を脱げ!
  助けて欲しけりゃ……

辺りに山賊の唄が響き渡りました。
夜も更け、山賊達の宴が始まったのです。
その唄を耳にしたかぐやと空は、吸い寄せられる様に、山賊達の宴へ導かれて行きました。

今回はここまで。
次回はちょっとだけ山賊のカシラに就てお伝えして、その後に本篇の続きをお伝えしようと思います。

                                鄙虎猫蛇






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