先日、旧中山道を醒ヶ井宿から関ヶ原まで歩いてみました。

 

 

 JR東海道本線醒ヶ井駅で下車し、

 

 

駅前の道を南下し、まずは中山道へ。

 

 醒ヶ井は、秋里籬島『木曾路名所圖會』(1805年)*巻一に、

 

醒井 柏原まで一里半。此驛に三水四石の名所あり町中に流有りて至つて清し。寒暑にも増減なし。

 

と書かれるように、清流の郷。

 

 

 上画像は三水の一つ「西行水」。同圖會によれば、

 

 同西町民家の裏にあり。岩間より清泉湧出す。

 

 

 続けては、「十王水」。

 

 當驛西町口橋爪にあり。むかし浄藏貴所こゝに來りて結縁し給ふなり。今石燈爐水上にあり。

 

 ここから東に、中山道を歩いていくと、

 

 

了徳寺に、大きな「オハツキイチョウ」(国指定天然記念物)。

 

 

 門のみですが、「明治天皇御駐輦所」。

 

 

 ヤマキ醤油。

 

 

 問屋場(米原市醒井宿資料館)。

 

 

 そして、地蔵堂。

 

 同圖會によれば、

 

 地蔵堂 石像地蔵尊を安ず。長五尺許。御片足水中にあり。腰かけ石の側に安ず。

 

 

 上画像は、同圖會の挿圖「醒井」ですが、居醒清水から流れ出すのが「地蔵川」。その右に描かれているのが、地蔵堂ということになるでしょうか。

 

 古くは、作者未詳『東關紀行』(1242年成立?)**に、

 

 音にきゝし醒が井を見れば、陰くらき木のしたのいはねより流れ出づる清水、あまりに涼しきまですみわたりて、まことに身にしむばかりなり。

 

と書かれる醒が井。

 

道のべの木陰の清水むすぶとてしばしすゞまぬ旅人ぞなき

 

 私も、木陰で涼んだ後、次の柏原宿に向かいました。

 

*日本名所圖會刊行會(1919年)

 

**『東関紀行・海道記』(岩波文庫、1935年)