かつて、上野に文部省図書館講習所がありました。
講習所は上野の帝国図書館の内にあるのだから、
と、森銑三が『思ひ出すことども』(1975年)*の中で書いているように、置かれたのは帝国図書館内の一室。
図書館講習所は、一年間速成という間に合わせのような学校だったので、その一年間は、またたく間に過ぎてしまった。
図書館職員の養成機関で、修業年限は一箇年。
森銑三は、1926年3月、同講習所第5回の修了生です**。
1927年9月には、専用教室一棟二室***、
1936年には、木造二階建の校舎が新築されたものの、1945年3月に閉鎖***。
戦後の1947年、あらためて「帝国図書館附属図書館職員養成所」が設置され、同年「国立国会図書館附属図書館職員養成所」と改称***。
1949年、文部省所管の「図書館職員養成所」に***。
その後身が、1964年開学の図書館短期大学****であり、
そして、1979年開学の図書館情報大学です(上画像*****)。
*『思い出すことども』(中公文庫、1990年)
**『官報』1926年4月7日
***図書館職員養成所同窓会『図書館職員養成所同窓会三十年記念誌』(1953年)
****『図書館情報大学 開学20周年創基80周年』(図書館情報大学、1999年)
*****『図書館情報大学案内 平成元年度』(1989年)