甲賀市水口町三大寺に、日吉神社があります。
日吉神社は、『近江輿地志略』(1734年)に、
三大寺大明神社 三大寺にあり。祭神未詳。社僧あり。
と書かれているように、旧称「三大寺大明神」。
1868年、大山咋神を奉祀し、「日吉神社」と改称したようです。
拝殿は、入母屋造の平入で、
本殿は、妻入の春日造。
また、先述の『近江輿地志略』が続けて、
社僧あり(略)比叡山總持坊の末寺也。
と書いているように、かつて同社には社僧(別当寺)がありました。
ただ、『甲賀市史』第8巻(2016年)によれば、
飯道寺は江戸時代は本覚院といい日吉神社の別当寺だったが、明治25(1892)年、先に廃寺になっていた飯道山山上の飯道寺の寺号を継承して改称した。
ということで、現在は「天台宗金奇山飯道寺」。
境内は、中央に本堂、右手に行者会館、左手に観音堂という配置で、
さらにその左奥の収蔵庫には、日吉神社の本地佛二体と、村内常福寺の阿弥陀如来坐像を安置。
飯道山修験ゆかりの行事も、同寺により伝えられているようです。