(前回より続く)

 

 安岡親毅『勢陽五鈴遺響』の壹志郡卷之二「白山権現」の項に、

 

 今小倭ノ竹原 飯福田 山田野 八對野 井生 川口 家城ノ七處ナリ

 

とありますから、かつて小倭郷には、白山権現の祠が七処。

 

 そのうちの一つが、「川口」ということなので、現在の津市白山町川口の白山比咩神社ということになるでしょうか。

 

 

白山権現ということなので、神仏習合。

 

 

同社の境内には、今も真言宗御室派の真言院があります。

 

 

また、同神社には県指定の文化財が二点あり、

 

 

一つは、石造燈籠。

 

 

 竿に、元亀四天 癸酉 八月吉日」との刻銘があるので、

 

 

室町時代の元亀4年(1573年)の造立です。

 

 

 もう一つは、拝殿の後方にある本殿。

 

 

ただし、覆屋がかけられ、全容をみることはできません。

 

 

 金網越しに覆屋の中をのぞいてみると、極彩色が施された社殿が見えました。

 

1615(慶長20)年の造立で、春日造の一間社だそうです*。

 

*三重県教育委員会事務局 社会教育・文化財保護課のウェブサイト「文化財データベース」より「白山比咩神社本殿