上画像は、1950年応急修正の五万図「桑名」(拡大)。

 

 中央を流れるのは員弁川で、その左岸の河岸段丘上に阿下喜の町、谷底平野を走っているのは、この地形図の表現によれば「三重交通線」です。

 

 北勢鉄道株式会社が「楚原」~「阿下喜東」間を開業したのは1916年8月6日*で、「六石」~「阿下喜」間1.4kmは1931年7月8日**。

 「阿下喜東」は、この区間の営業開始とともに「六石」と改称しました**。

 

 北勢鉄道は、1934年「北勢電気鉄道」と改称⇒1944年に県内の同業他社と合併し「三重交通」⇒1964年三重電気鉄道⇒1965年近鉄に合併⇒2003年三岐鉄道に譲渡

 

という経緯***をたどって、現在は同社の「北勢線」です。

 

 

 上画像は、三岐鉄道北勢線の終点「阿下喜駅」。

 

 

 駅舎は2006年2月の使用開始だそうです。 

 

 

 この北勢線は、鉄道ファンの方ならご存知でしょうが、軌間762mmの特殊狭軌。

 

 

 三重県内には、あすなろう鉄道とこの北勢線の2路線しかありません。

 

 そして、この2線はともに、かつては近鉄の支線でした。

 

 

 上画像は、阿下喜駅に保存されている旧車両。

 

 車体のカラーは、「近鉄マルーン」の一色塗りです。

 

 

 また、この駅に隣接して、「北勢線とまち育みを考える会」が運営する「軽便鉄道博物館」があります。

 

 見えているミニ電車の名前は、「ホクさん」だそうです。

 

*『官報』第1211号(1916年8月12日)

 

**『官報』第1364號(1931年7月17日)

 

***三岐鉄道80周年記念事業公式サイト「三岐鉄道80年の歩み