今日は「敬老の日」というわけで、昨日のブログ「敬老の日クイズ」の解答をお知らせします。
Q1:『広辞苑』第4版で、「敬老会」を引いてみると、「老人を招いて慰安する会。○○会(しょうしかい)」と書いてありました。
○○に当てはまる語句は、何でしょうか。
答:「② 尚歯」
出典は、『礼記』祭義第二十四*、
昔者(むかし)有虞氏は徳を貴(たつと)びて齒(よはい)を尚(たつと)び、夏后氏は爵を貴びて齒を尚び、殷人は冨を貴びて齒を尚び。周人は親を貴びて齒を尚ぶ。虞夏殷周は天下の盛王なり。未だ年を遺(わす)るる者有らず。年の天下に貴きこと久し。親に事(つか)ふるに次ぐなり。
中国において、年齢の尊重は天下に久しい習わしであり、父母につかえることに次いで古いものであったようです。
Q2:『広辞苑 第5版』で、Q1の「○○会(しょうしかい)を引いてみると、「①高齢者を祝う会。敬老会。また、老人を請じて詩歌を作り遊学を催す会合。(略)中国で845年、△△△が催したのが初め」と、書かれていました。
では、△△△に当てはまる、中国の詩人は誰でしょうか。
答:④ 白楽天
「中国で845年白楽天が催したのが初め。わが国では877年大納言南淵年名が小野山荘で開いたのが初め」
と書かれています。
Q3:長寿のお祝い(賀寿)で、七十歳と言えば、「古稀」。
中国のある詩人の漢詩「曲江」**の「人生七十古来稀なり」が出典です。
朝 囘 日 日 典 春 衣
毎 日 江 頭 盡 醉 歸
酒 債 尋 常 行 處 有
人 生 七 十 古 來 稀
(以下略)
毎日酔って帰って、酒代の借金が常に行く先々にあったらしい、この七言律詩の作者は誰でしょうか。
答:「② 杜甫」
Q4:『論語』為政篇***に「子曰、吾十有五而志乎學、三十而立(略)」とあるので、十五歳の別称(異称)は「志学」、三十歳は「而立」です。
では、70歳は、何と呼ばれているでしょうか、
答:「⑤ 従心」
『論語』為政篇***に「七十而従心所欲、不踰矩」とあります。
Q5: 『広辞苑 第5版』で、Q1の「○○会(しょうしかい)を引いてみると、「② 江戸後期、××××・高野長英ら蘭学に関心を持つ人々の結成した研究会。蛮社の獄により壊滅。」
と書かれていました。
三河田原藩の家老であり、画家としても知られていたものの、蛮社の獄に連坐し自刃した「××××」の人物とは、いったい誰でしょうか。
答:⑤ 渡辺崋山
▲渡辺崋山「獄廷素描」(『崋山全集』より)
Q6:次の①~⑤は、いずれも18世紀の生まれながらも、古稀を迎えることができた人物です。
では、この中で享年88歳と、ただ一人米寿を越え、最も長命だったのは、誰でしょうか。
答:① 葛飾北斎
『岩波日本史辞典』(1999年)によると、宝暦10年9月23日に生まれ、嘉永2年4月18日に没しているので、享年は88歳。
当時としてはかなりの長寿だったということになります。
ただし、同書によると「改名30数度、転居93度の奇癖を有し」ていたようです。
Q7:日本の平均寿命は、最新の統計である厚生労働省「平成28年簡易生命表」によると、男性で80.98 年、女性が87.14 年です。
ところで、同表によると、今から70年前の1947年、男性の平均寿命は何年だったでしょうか。
答:① 50.06
Q8:内閣府『平成29年版 高齢社会白書』によると、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は、平成28年(2016年)10月1日現在で27.3%です。
ところで、同白書によれば、1950(昭和25)年の国勢調査における、高齢化率は何パーセントだったでしょうか。
答:② 4.9%
*竹内照夫『新釈漢文大系28 礼記(中)』(明治書院、1977年)
**『杜詩 第二冊』(岩波文庫、1963年)
***『論語』(岩波文庫、1999年)