(前回より続く)
勝山の「酒蔵レストラン西蔵」で、昼食をとった後、神庭の滝に向かいました。
神庭の滝は、高さ110m。
「日本の滝百選」に県内で唯一選ばれ、また「神庭瀑」という名称で国の名勝にも指定されていますから、岡山を代表する名瀑と言っていいだろうと思います。
しかし、そういう固い話を抜きにしても、盛夏の日中、勝山の市街から来ると、ほとんど別世界。
緑陰の渓谷ですから、実際の気温も数度低いのでしょうが、滝つぼの方から吹いて来る風が涼しく、こういうのを天然のクーラーと言うのだろうな、などと感じました。
1933年7月1日、夫の与謝野寛とともに、この地を訪れた与謝野晶子は*、
萬木の しげみの中に 白雲の 身をもて懸かる 神庭の瀧は
神庭瀧 山に懸かりて あるほどは 綠金にして 末はしら波
と詠んでいます**。
萬木の緑と、懸かる瀧の白さのコントラストがポイントかなと思い、冒頭の画像にしたのですが、そのようにうまく撮れていたでしょうか?
*逸見久美『新版 評伝 与謝野晶子 昭和篇』(八木書店、2012年)
**『与謝野晶子歌集』(岩波文庫、1938年)