昨年の話になってしまいましたが、JR弥富駅から、名鉄尾西線で津島へ行きました。 

 

ピタゾウのブログ-JR弥富駅

 

 弥富駅は、少なくともJRの中では「地上で日本一低い駅」。

 

 「海抜マイナス0.93m」という表示まであって、というわけで、写真撮影です(左画像)。

 

 愛知県「平成25年地盤沈下調査結果 」によれば、弥富市神戸七丁目が昭和38年の調査開始からの累積沈下量が149cm(ワースト1位)で、標高マイナス1.3033m。

 同じ弥富市鳥ヶ池一丁目が累積沈下量109cm(ワースト4位)で、標高マイナス1.7415m。

 

ということで、この辺りがいわゆる「海抜ゼロメートル地帯」であるということがわかります。


 これから向かう津島も、海岸線から20km近く離れているにもかかわらず、地盤が低いところで、1959年の伊勢湾台風の折には、約2カ月間、湛水しました。

 

 先ほどの「平成25年地盤沈下調査結果」によれば、ワースト5位が津島市西柳原町一丁目で、累積沈下量108cm、標高マイナス0.3415m。

 津島駅の東、愛知県海部総合庁舎やCoCo壱番屋のあるあたりが、西柳原町一丁目です。

 

 さらにその東、立込町二丁目の津島市役所は、 『津島市市勢要覧2013』資料編によれば、標高マイナス66.38cmだそうです。

 

 さて、その津島と弥富を結ぶのが、名鉄尾西線。

 現在は、乗降客も少なく、本数も1時間に2本と、ローカルな雰囲気ですが、実は名鉄の中では最も古い歴史をもつ区間です。

 1897年(明治31年)4月、尾西鉄道が、弥富~津島間8.2kmを開業させました*。

二十万分一図「名古屋」より尾西鉄道
 右画像は、1906(明治39年)修正の二十万分一図「名古屋」。

 弥富から佐屋、津嶋へと北に向かうのが、「尾西鉄道」です。

 

 ところで、この尾西鉄道が、開業にあたって、米国ブルックス社より輸入した**のが、「博物館明治村」に保存されている「尾西鉄道蒸気機関車1号 」。

 

 また、1911年(明治44年)、鉄道院より尾西鉄道に譲渡された**「蒸気機関車12号 」は、さらに古く、1874年のイギリス製ですが、現在も「博物館明治村」で運行中です。

 

 尾西鉄道は、1925年(大正14年)、名鉄に合併され、名鉄尾西線になりました*が、その歴史は、この2台の機関車によって、今も続いているということができます。

  

 では、その尾西線に乗って、津島に向かうことにしましょう。

 弥富駅の尾西線ホームは3番線。弥富~津島間の運賃は290円です。



 

*神田功「幻の尾西鉄道〔上〕」(『鉄道ピクトリアル』1980年2月号、NO.372)

 

**神田功「幻の尾西鉄道〔下〕(『鉄道ピクトリアル』1980年3月号、NO.373)