統合失調症で痔主の街金業者のつぶやき~過払い金請求のデメリット -3ページ目

統合失調症で痔主の街金業者のつぶやき~過払い金請求のデメリット

突然精神的に破たんをきたしクリニックへ通い、統合失調症と向き合いながら、途中で痔ろうを患い手術を受け、地方都市でささやかなる貸金業を続けるも国策によって被害を被り、産業廃棄物業の会社へアルバイトに出かける毎日を書き綴る。

 失礼します。私は診察室へと入っていった。その精神科医は職業柄清楚でフレンドリーで終始おだやかだった。室内は待合室の淡いグリーン基調ではなく、オフホワイト統一され窓から入ってくる光を乱反射させることなく部屋全体を輪郭のない、やや大げさな言い方をすれば薄い霧の中にいるような、患者を一切刺激しない作りになっていた。このクリニックは診療内科ではないので、患者が横たわれるようなベッドはない。部屋の調度真中に大きい木製テーブルと白いデスクトップパソコンと小型のインクジェットプリンタ。筆記用具、座り心地の良い椅子が4脚(これも患者に優しい)。テーブルを挟んでややはす向かいに座る。距離は1m以上離れている。医者は私が書いた問診票をしばらく精査し考えを巡らしている。その間1,2分。

 これは重傷だね。

 第一声がこれ。私、茫然。予想はしていたものの、この単刀直入は優しくない。目の前が暗くなる。

 でも、治せなくもないな。


 第二声発する。動悸は激しいままだ。まずい、と脳がからだに指令を出している。私はいまのところ無言のまま、相手の言葉が続くのを待つ。

 時間掛かるよ?いい?大丈夫?

 疑問形で3連発。頷くしかない。治してもらいたいからここに来たのだ。
 この後の質疑応答は多分一般的なものだと思う。例えば、近親者に精神を病んでいるひとがいるか、とか、薬物に手を出したりしてないか、とか。私の育った環境、幼児虐待、病歴、家族構成、などなど。実は子供のころ「てんかん」を何度か発症したことがあった。突然からだ全身が震え、冷たい汗が全身を包み、過呼吸になり、からだの自由が利かなくなりそのまま倒れることしか出来ない。上手くしゃべることも出来ない。そんな感じ。そのことは問診票にも書いてある。
 彼は私が発する言葉をブラインドタッチでパソコンに打ち込んでいく。ものすごい速さに圧倒。
 次に付き添いで来た妻が呼ばれた。

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 平成24年2月、私は収益の上がらなくなった貸金業の資金不足解消のため、産業廃棄物の収集と運搬を手掛ける会社のアルバイトをすることになった。平成18年の改正貸金業法の犠牲者だ。ハローワークに行き、日中の数時間で効率よく稼げる仕事を探していたのだが、たまたまその会社の事務員が辞めるとのことで、緊急に人員確保のために求人を出していたのを見つけ、早速紹介状を貰い、面接日を決めた。面接当日は生憎の雪降りで、心なしか「運が悪いな」と悪い方に考えていた。家を出る前にセルシン5mgとデパス1mgを服用した。過度な緊張を避けるためだ。


 紹介状と履歴書を持って、雪降りの中、その会社の玄関に入り、面接に来た旨を告げ、奥の応接室に通された。事務所の中は一切の物音がなく、かろうじてエアコンの送風音とパソコンのファンの音がするだけだ。タバコの匂いさえしない。個性的な家具類はなく、無表情なグレーの事務用デスク、書類棚がある。自分の精神を悩ませるようなものは何もない。男性がひとり、会社の制服のようなものを着てパソコンに向かっていた。私にちらりと視線を送ったが、それ以外何も訴えたり、諭したり、要求したりすることはなかった。

 応接室の安物の黒い合成皮革のソファーに腰を下ろし、人事担当者が来るのを待った。お茶は出ない。やがて、担当者と年配の小太りな男性が入ってきて、簡単な挨拶から始まり、通り一辺倒な質問があった。若干の緊張はあったが、面接はこともなく15分程度で終わった。私はセルシンとデパスに感謝した。二人は5分ほど席を外したが、私にそのまま待つように告げていた。
 

再度私の前に現れたのは小太りの年配だった。開口一番、

 じゃあ、明日からやってみるか?

 私は即答でOKした。

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 平成18年改正により、貸金業務取扱主任者の資格が必須になった私は、前々より、県貸金業協会の担当者より第1回目の試験を受けるように、との強い勧めがあった。その時の私は、出来れば問題の傾向が知りたかったし、取得時期にもまだ余裕があったため受験を渋っていたのだが、あまりの説得に根負けし、平成21年第1回の試験に挑むことになってしまった。当協会より、事前対策のDVDが郵送され、協会推薦の出版業者から予想問題集や参考書を購入し、平成19年の12月頃から本格的に勉強を始めた。試験時期は形成21年8月30日、会場は名古屋工業大学だった。テキストは「きんざい」という出版社発行のもので、隅から隅まで暗記した。内容的にはさほど難しいものではなく、今までの協会主催の講習会と、その後に行われるテストと変わりがなかった。参考書は3部構成で、約半年かけた。3回繰り返した。6月には予想問題を解き、「きんざい」に採点してもらい、アドバイスももらった。100%自信もついた。


 そして試験当日を向かえた。晴天。8月末の名古屋は信じられないくらい蒸し暑く、エアコンのきいたバスから降りたとたん眩暈を感じ吐きそうになった。予定では会場まで歩いていこうと決めていたが、さすがに無謀なことに思えタクシーを利用した。歩いても30分の距離だし、体力的にも問題なく、経済的に有効であるし。

 タクシーの乗車時間は10分もなかった。料金は1560円。会場に着いた時、1560円の価値を認識することになった。試験時間までは2時間程あったので、近くの公園の木陰で休憩し、問題集を読み返した。確かに暑いのは変わりなかったが問題集の活字がスムーズに頭に入っていった。もし徒歩で会場まで辿りついたら、全身汗でぐっしょりだっただろうし、もしかしたら体力を消耗し、最終チェックすら叶わなかったかもしれない。1560円に感謝した。

 集合時間になり、キャンパス内へと足を運んだ。大勢の老若男女が砂糖に群がる蟻の大軍のように思えた。

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 平成10年2月、いまだ冬の気配が残る季節に、私は決意を持って精神科クリニックへと向かった。

 幻視・幻聴に悩まされ、何をするにも億劫で生きる希望も願望も失い、心は常に奥底に滞留したままで、顔からは喜怒哀楽の表情が消え、夜眠りにつけたとしてもそれは浅いものであった。家族の話によれば、私は夜間部屋中を何か呟きながら徘徊し、時には絶叫し、また時には大泣きし、再びベッドへ潜り込んだそうだ。自分のからだも心も限界に達し、このままでは自殺するしかない、と思うまでになっていた。


 ここは小さな地方都市のため、精神科を扱う病院・医院は3か所しかなく、そのなかでも評判の良いクリニックを選んだ。中に入ると問診票と番号札を渡された。問診票はYES,NOで答えるものと、現在の症状を書く欄があった。渡されたそれらはすべて清潔な状態であり、問診票はA4サイズの淡いブルーの色合いのカラーペーパーであったし、下敷きとなるバインダーはアルミニウム製、ボールペンも何かの金属製でともにシルバーだった。待合室はこれも淡い色のグリーン基調で統一されており、家具調度品と呼べるものが無く、大ぶりの2,3の観葉植物とマッキントッシュのプリメインアンプと小型のJBLのスピーカー、とても座り心地のよい本革製椅子、床は清潔に掃除されたフローリング。JBLは静かな音量でバロック音楽を響かせていた。初診ということで私はそこで約1時間待たされることになったが、心を乱されるような悪意はここにはなく、他の患者も沈黙していた。眠っていたのかもしれない。騒がしい画面の映像機器もなかったことはうれしかった。


 問診票は10分程度で書き上げ、受付に提出し、椅子が私の帰りを待っていた。座るとなぜか心が癒される感じがあり、30分くらいうとうとしただろうか。受付の女性が私の近くに来て番号札に刻まれた番号を囁き、診察室へ入るよう促された。


 私の妻も付き添いできていたが、まずは私からの話を先生に伝えるのが順番らしい。

 フローリングは私が転ばないように足元をしっかりグリップしてくれ、その心遣いに感謝し、待合室から診察室へと入っていった。

 中でまっていたのは50代後半の男性で清潔な白衣を着たやや小ぶりな体躯の先生だった。まなざしは優しく、口元は僅かに微笑んでいるように見えた。

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 私の精神が何かおかしいことになっている、と気がついたのは平成10年の1月でした。
 症状としては


  ・就寝中に誰かが勝手に入ってきて(男の人で60歳代くらい)、ベッドにまたがり私の首を無言で締める。私は恐怖心で一杯になって、助けを呼ぼうとするも肝心な声を発することができない。もがくことさえできない 。全くの全身麻痺にかかったように無抵抗のまま首を絞められ続ける。苦しさはない。そこには時間の流れを感じ取ることができす、実際それが数秒だったのか、数分だったのかわからない。やがて、その男はふっと消え去る。


  ・これも就寝中に、「起きろ!」という命令が何の前触れもなく聞こえる。何度も何度も聞こえる。当然私は覚醒するが、その声の主が男なのか女なのかいまひとつわからないし、自分の頭の中で響いているのか、耳元で感じられるのか判断できない。次に誰かの言い争っているような声も聞こえる。


 まずこの二つの現象が現れ、私は眠ることに対し不安を覚え、夜に不信感を覚える。幻視と幻聴。ふたつ順番にやってくることもあるし、片一方のときもある。出現率としては週に3回程度。これが一カ月くらい続いた。不眠症。明日の仕事のことを考えると寝なくてはならないのだが、午前2時、3時になっても眠ることができない。動悸が激しく、呼吸も荒く、いやな汗が出る。ようやくそれが落ち着くのが明け方近く。平均睡眠時間は2時間もない。しかし、からだは正直なもので、不足した睡眠時間を昼間に求めてくる。知らず知らずのうちにうとうとしてしまうらしく、電話のベルで起こされて自分が寝ていたという事実に驚く。困ったことは、お客さんがきてもそのまま寝ていることだった。お客さんには何度も起こされた。「ゆうべ飲みすぎ?」とか言われたり「気楽でいいね」とか皮肉言われたり。この商売を始めたときから一人で営業していたので、従業員が居れば起こしてくれたのだろうが、と勝手に居ない人間に責任を押し付けてしまう。果たして「鬱」の症状も出始めた。

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 平成18年に貸金業法は大転換を向かえた。その伏線として平成15年に第一次の改正があったが、その時点で私はここまでの改正が押しつけられるとは予想だにしていなかった。その第一次改正において、単なる「ヤミ金」の撲滅に焦点が当てられたものだったからだ。実際その前の年にアメリカからの年次改革要望書には、消費者金融における要求として、市場の開放と、金利については市場が決めるべき、との2点が主だった。その時の上限金利は年率29.2%であったわけだが、この金利水準は他先進国においてはもっとも低い金利であり、貸金業者にとってはリスクを取るに最低の金利である。


 ところが、それから国と法曹界がタッグを組んで、さも弱い者いじめをしているかのようなイメージを貸金業者に与え、世論にヒステリックに訴え、少子高齢化の時代のパイの奪い合いが始まったわけだ。


 我々業者はアメリカの年次改革要望書にまんまと騙され、まさか、上限金利が下がることはないだろうと考えてしまった。まあ、せいぜい規制法がやや厳しくなるだけだろうと。


 しかし日に日にマスコミによるネガティブキャンペーンが度を増し、結果として平成18年改正により、業者は大打撃を受け、体力の弱い者から順に業界を去っていった。もちろん最高裁の判決のトドメが「期限の利益喪失約款の下での支払につき原則として任意性を否定」である。じゃあ、それまでの金融庁のガイドラインは一体なんだったの?と言いたいのだが、政府主導による国策に金融庁は知らぬ存ぜぬの態度で、自分たちの責任については一切触れていない。


 今から思えば、パイが少ない以上、そのパイは銀行が持って行きたかった、そして、銀行に投資しているファンドがアメリカだった、という単純な成り行きであった訳だが。

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(2004/04/21)
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「日本貸金業協会は平成19年12月、貸金業法に基づく自主規制機関として内閣総理大臣の認可により設立されました。その目的は資金需要者等の利益の保護を図り、貸金業の適正な運営に資することとされております。」

 これは日本貸金業協会のHPにある冒頭のあいさつ文です。なんかズレてませんかねえ。お金を借りたいひとの利益の保護を謳ってますねえ。その、利益、って一体なんでしょう?借りたいひとから見れば、お金が必要なときにすんなり貸してくれる、こと。それが「利益」ですよねえ。そして、その次に続く文面には、業者の適正な運営に資する、とあります。簡単にいえば、闇金はダメよ、法律に従って貸付業務しなさいよ、ってことです。

 ここでひとつ問題があります。借りたい人に対して、法律に従って貸しなさい。法律に逆らって、借りたい人の利益を優先してはいけません。じゃあ、借りたいひとの利益と、業者の縛りをどうやったら両立できるのでしょう?
「弱者」はなぜ救われないのか -貸金業法改正に見る政治の失敗 「弱者」はなぜ救われないのか -貸金業法改正に見る政治の失敗
(2012/08/21)
増原 義剛

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ここに国策の失敗につて、ごく当り前な、しごく当然なことが書かれています。

 新貸金業法に改正されて数年、会員数は減少の一途を辿っています。全国貸金業協会発足時、約4000以上あった業者も今や1300を切るところまでに減っています。これもひとつの自然淘汰なのでしょうか?いやいや、そうではありません。この現象は、


はっきり言って国策です(推測)。


少なくとも私はそう確信しております。


 ここのブログはこのあたりから話を始め、私が実際見たり聞いたりしたことを推論を交え書きつづってまいりたいと思います。