これは重傷だね。
第一声がこれ。私、茫然。予想はしていたものの、この単刀直入は優しくない。目の前が暗くなる。
でも、治せなくもないな。
第二声発する。動悸は激しいままだ。まずい、と脳がからだに指令を出している。私はいまのところ無言のまま、相手の言葉が続くのを待つ。
時間掛かるよ?いい?大丈夫?
疑問形で3連発。頷くしかない。治してもらいたいからここに来たのだ。
この後の質疑応答は多分一般的なものだと思う。例えば、近親者に精神を病んでいるひとがいるか、とか、薬物に手を出したりしてないか、とか。私の育った環境、幼児虐待、病歴、家族構成、などなど。実は子供のころ「てんかん」を何度か発症したことがあった。突然からだ全身が震え、冷たい汗が全身を包み、過呼吸になり、からだの自由が利かなくなりそのまま倒れることしか出来ない。上手くしゃべることも出来ない。そんな感じ。そのことは問診票にも書いてある。
彼は私が発する言葉をブラインドタッチでパソコンに打ち込んでいく。ものすごい速さに圧倒。
次に付き添いで来た妻が呼ばれた。
精神病は病気ではない - 精神科医が見放した患者が完治している驚異の記録
(2002/04/18) 萩原 玄明 商品詳細を見る |