今日は外貨預金についての話をしていきたいと思います。外貨預金とは日本の通貨ではなく外国の通貨で預金することです。

 

一般的に言って外国の通貨のほうが円よりも金利が高いことが多く、金利が高いほうがもらえる金利が多くなります。

 

今回はこの外貨預金というものが役に立つのか?資産運用の一環として利用する価値があるのか?ということです。

 

結論から言ってしまうと、外貨預金をしてはいけません。資産運用としては多くの危険を背負わされて、得るものはかなり少ないかマイナスになる資産運用となります。

 

今回はその理由を3つに絞ってご説明します。

 

 

●理由1 外貨の金利が高くても、全体として見ると有利でも不利でもない

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外貨預金を進める銀行や各種サイトには「金利が高いから受け取れる利息も高い」とあります。これは事実です。

 

例えば2018年12月ごろに某銀行から送られてきたチラシには以下のように書かれています。

 

外貨定期預金

米ドル1年もの 年2.3%(税引き後1.83%)

豪ドル1年もの 年2.0%(税引き後1.59%)

 

これだけ見ると、外貨定期預金は素晴らしいものと言えます。同時期の某銀行の定期預金では1年預けの定期預金で0.02%となっていました。外貨預金をすると200倍の金利差があります。

 

単純に並べてみるとこうなります。

 

日本円1年もの 年0.02%(税引き後0.0159%)

米ドル1年もの 年2.30%(税引き後1.83%)

豪ドル1年もの 年2.00%(税引き後1.59%)

 

しかし、注意して考えてほしいのです。これだけ金利差があるのなら、多くの金融機関、機関投資家や勉強熱心な個人が外貨預金をするのではないだろうか?ということです。

 

資産運用において、利益率が0.1%違うと無視できないものとなります。仮に100億円を運用しているならば、0.1%の利益率の違いは1千万円となります。決して無視できるものではありません。

 

それならば、どうしてこのような美味しいと思える商品が、わざわざカラー印刷の広告にて、人を雇うコストをかけてまで我が家のポストにわざわざ届けられたのでしょうか。

 

答えは、為替レートにあります。為替レートとは通貨交換するときに適用されるレートです。海外旅行したことがある人は、空港や金券ショップで旅行先の国で使う通貨を交換したことがあるでしょう。

 

その為替レートと、先ほどの利息を並べるとわかります。

 

日本円1年もの 年0.02%(税引き後0.0159%)

米ドル1年もの 年2.30%(税引き後1.83%)

1米ドル=108.53円(2019年1月5日)

 

非常に簡単に言うと、この為替レートは金利差(上記なら約2.3%の違い)を含んだうえで成立しているのです。

 

つまり、日本円を持っても米ドルを持っていたとしても、特に有利でも不利でもないということです。日本円、米ドルのどちらを選んでも五分五分だからこそ、この為替レートで成立しているとも言えます。

 

従って、日本円と米ドルを比べた場合、単純に金利差があるから米ドルが有利となるわけではないのです。

 

日本円と米ドルを比べると金利だけなら米ドルを持つほうが高い→正しい

だから日本円より米ドルを持つほうが有利正しくない

 

という点には注意が必要です。

 

実は、高金利通貨は次第に為替レートが不利になっていきます。これは資産運用をする上では常識です高金利通貨は次第に為替レートが不利になるからこそ、高い金利を提示してそれを補っているにすぎないのです。

 

それを知っている多くの機関投資家や個人投資家は外貨預金には手を出しません。言い換えれば、そのことを良く知らない無知な個人投資家に、資産運用としては取るべきリスクではない商品を売りつけているのです。

 

 

●理由2 通貨自体が価値を生むわけではない

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以前お話ししたように、資本主義社会における資産とは「持っているだけでお金を与えてくれるもの」です。これは非常に重要な概念ですからぜひご記憶ください。

 

その点において、通貨はそれ自体が何ら価値を生むものではありません。通貨は持っていてもそれ自体が増殖するわけでもありません。

 

高金利通貨は利息が大きい反面、その通貨自体の為替レートが悪化することを考慮すると差し引きゼロとなります。

 

ならば為替レートの変化が利益の源泉になるのでは?と考えるかもしれませんが、これも違います。

 

定期預金が満期になった時の為替レートを正確に予測することはできません。私たちは5分先の未来でさえ、正確に予測することはできないのです。それならば、為替レートの変化で利益を得るか、それとも損失を出すのかは時の運となります。

 

保有していても利益を出すことはなく、外国通貨から日本円に戻すときに適用される為替レートはわからない。これは資本主義社会における資産とは言えないでしょう。

 

 

●理由3 銀行が取る手数料があまりにも大きすぎる

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そして最後に注目すべき点は、銀行がとっている手数料が明らかに高すぎること、そして外貨預金による損失の危険性の大部分をお客に押し付けていることです。

 

銀行が取っている利益は最低でも4つあります。

 

1)日本円→外国通貨に交換するときの手数料

2)外国通貨→日本円に交換するときの手数料

3)提示している金利

4) 運用している資金をお客さんに出させている

 

1)と2)は海外旅行に行く人はご存知だと思います。

仮に現在の為替レートが1ドル=100円だとしましょう。

この時、銀行はこのような交換レートを提示します。

日本円→米ドル 1ドル=101円

米ドル→日本円 1ドル=99円

 

外貨預金をする場合は日本円を米ドルに換えて、運用終了時には米ドルから日本円に戻す必要があります。仮に101円をもって日本円→米ドル→日本円と交換するだけで、101円は99円になってしまいます。この差額の2円は銀行の手数料として持っていかれてしまいます。

 

つまり、銀行は何もしなくてもお客が預けたお金の一部(今回なら約2%)を手にすることができます。非常においしい商売をしていることがわかります。

 

そして3)では、提示している金利によって利益を得ています。

2018年12月現在、日本と米国の政策金利は以下のようになっています。

この場合、政策金利の差で得られる利息差は年利2.4%となります。

 

日本 0.10%

米国 2.50%

(出典:外為どっとこむ

 

ところが、某銀行のチラシには「米ドル1年ものの利息は2.3%」となっています。

差額の0.1%は銀行の利益となっているのです。

 

以上、1)~3)のようにして様々なところで手数料を取っているのが銀行の立場です。この手数料はお客さんの運用しているお金ですから矛盾もいい所です。

 

そしてこの手数料を取るためにお金を出資しているのはお客さんです。

 

お金を出しているのは銀行ではなく、お客さんである。この点において、銀行は4)の利益を得ています。

 

お客さんは自身のお金を出すことで、為替レートの変動などあらゆるリスクを背負い、銀行に各種手数料を見えにくい形で払わされています。

 

その反対に、銀行はお客さんのお金を使うことで確実に1)~4)の利益を手にできる立場にいるのです。

 

 

●外貨預金を選択しているようでは勉強が足りない

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銀行視点で考えるとお客の利益、損失などはどうでもいいのです。如何にして銀行が利益を出すことができるのか。それを最優先で考えています。

 

銀行視点で考えると、外貨預金は非常に儲かる商品なのです。だからこそ、わざわざカラー刷りの広告を、人を使ってまで私の家のポストに投函してきたのです。(我が家は新聞を購読していない。)

 

さらに、私の家に届けられた外貨預金のチラシには「他銀行の外貨預金を某銀行に移動させると最大で現金100万円をプレゼントします!」と大見出しで書かれています。100万円をプレゼントしてもなお有り余るほどの利益を得られるのでしょう。

 

ということで、今回は外貨預金についてのお話をしました。細かい構造や背景などは省略していますが、外貨預金によってお客さんが利益を得るということはほぼない、と断言してもいいでしょう。

 

間違いなく利益を得るのは銀行であり、銀行が得る利益はお客さんが投入したお金に掛ける手数料です。言い換えると、お客さんは高い確率で損をするということです。

 

仮にお客さんが利益を得ることがあるならば、他の商品で運用したほうがもっとたくさんの利益を得られたでしょう。

 

なお、外貨預金をすることのデメリットに、預金保険制度の対象ではない(銀行が破綻した時に運用資産が全く戻ってこない場合がある)ことも付け加えておきます。

 

このような商品をお勧めしている人は商品を販売している銀行、アフィリエイト報酬を狙っている人、外貨預金のメリットを書くように依頼されたライターなど、外貨預金を推奨することによって利益を得ようとしている人でしょう。あるいは知識量が不十分な人なのかもしれません。

 

そのような記事を書く人を信用してはいけません。しかし、逆に言えば「信用してはいけない人たち」ということがわかる基準の一つと考えることでプラスと捉えることもできるかもしれません。

 

以上のことから、外貨預金を検討している人には、資産運用からその選択肢を外すことを強くお勧めします。他に優れた資産運用はいくらでもあります。

 

それを判断できるようになるまでは、資産運用の実践はしないほうがいいかもしれません。

資本主義社会では「資産」というものがとても大きな意味を持ちます。この意識があるのかないのか、たったそれだけのことであなたのお金の問題を大きくするのか、小さくするのかを決定します。

今回は資本主義社会における資産とは何を意味するのか。そして資本主義社会で意識すべき3つの資産を紹介します。


●資産とは「持っているだけでお金を与えてくれるもの」
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皆さんは資産と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。

実は多くの人は「資産とは何か」というものを学校教育や家庭教育で教えられていないので、思い浮かべることは人それぞれでかなり違います。そのため「あなたが持っている資産を教えてください」と言われると困る人が多いのです。

それでも多くの人が共通して考える資産とは「売ればお金になるもの」ではないでしょうか。このように考えると持ち家やマイカーも資産、古本や古着など誰か買い手がいるものは資産ということになります。少し変わったところでは金(ゴールド)や古美術品なども当てはまるでしょう。これが世間一般で言うところの資産だろうと思います。

しかし、資本主義社会で言うところの資産とは定義が異なります。資本主義社会における資産とは「持っているだけでお金を与えてくれるもの」です。これが資本主義社会における資産の定義・基本・原則になります。

そのため、先ほど一般的な資産として挙げた「持ち家、マイカー、古本、古着、金(ゴールド)、古美術などは当てはまりません。これらも所有によってあなたにお金を与えてくれるならば資産ですが、ほとんどの場合であなたにお金をもたらさない、あるいはあなたからお金を奪っていくものになります。

持ち家は住宅ローン、マイカーは各種税金やガソリン代などの維持費、古美術品ならば破損や劣化、盗難を防いて価値を維持するための保管室や空調設備などにお金がかかるでしょう。

ゴールドならば維持管理費を掛けない方法もありますが、ゴールド自体が増殖するわけでもなければ所有している間にお金をもたらしてくれるわけでもありません。

資本主義社会のルール・原則に基づく「資産」とは決して多くはないのです。では、どのようなものが「資本主義社会で言うところの資産」に該当するのでしょうか。


●大原則の3種類さえ押さえればいい
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資本主義社会で言うところの資産、つまり持っているだけであなたにお金を与えてくれる資産は、以下の3種類だけ考えておけば良いです。これらが基本となるものです。

・不動産経営
・自らが上場させた会社の株式を保有する
・他人が上場した会社の株式を保有する

それぞれ説明していきます。


1)不動産経営
不動産に代表されるものは賃貸住宅、土地など動かすことができない財産となります。

賃貸物件は誰かに貸し出すことで家賃収入を手にすることができます。管理費など必要経費を家賃収入以内にすることで、残りをあなたの収入とすることができます。このように、不動産で利益を出すことは純粋に経営となります。

不動産経営とは紀元前から行われているものであり非常に多くのノウハウが蓄えられています。歴史が長く実績がある資産として非常に有効活用ができるものとなります。

この方法も非常に優れた方法になりますが、資本主義社会ではもっと効率的な方法があります。


2)自らが上場させた会社の株式を保有する
資本主義社会における最大かつ最強の錬金術とも言われる方法で、最も沢山のお金を手にする可能性がある方法です。世界の大金持ちの大部分がこの方法によってお金を手にしています。

起業とは、何もない所から価値を創り出すことです。周りがお金を出してでも欲しいと思うものを提供することができれば、それが収入となります。価値あるモノ・サービスを創り出すことで会社をより大きく成長することができ、一定の条件を満たすことで株式を上場することができます。

株式を上場すると、その会社の株式を多くの人が売買するようになります。その会社がより沢山の利益を生み出す会社と判断されれば、より多くの人が株式を購入したがるので、株式はより高値で売買されるようになります。

このように、何もないところから価値を生み出すのが起業の醍醐味となります。社会に価値を提供することができれば、それが株式の価値上昇、そして株式に対する配当という形で、起業した人に莫大な収入をもたらすのです。現代の錬金術と言われる理由がこれです。

難点は失敗率が非常に高いことです。およそ5年間で80%から90%の企業が廃業すると言われる、激烈な競争社会がビジネスの世界です。その中で競争に打ち勝ち、株式市場に上場し、更なる大企業に成長できる企業は極めて限られています。

起業して成功した時のリターンは無限大ですが、それを手にするには想像を絶する努力、才能、そして運など、あなたの力では制御できないものですら味方につけることが必要になります。


3)他人が上場した会社の株式を保有する
自らの力で起業して世界に通用する大企業を創り上げることが最強と書きましたが、その難易度は想像を遥かに超えて極悪です。

私たちは全員が起業に興味があるわけでもなければ、起業で成功するだけの力を持っているわけでもありません。常に激しい競争にさらされる環境に耐えられる人は限られています。

そのような人たちは、誰かが起業して成功した人の株式を保有すればいいのです。

既に起業している会社の株式を買うということは、大企業を創り上げた人間の才能の一部を購入することも意味します。

あなたに才能がなかったとしても、他の才能がある人が作り上げた会社の株式を購入することで、その優れた才能の一部を株式という形で保有することができます。

株式を保有することで、誰かが作り上げた優れた会社が手にする利益の一部を、合法的に受け取ることができるようになります。

起業からスタートして株式上場を成し遂げる方法に比べると、株式を購入する資金が必要となること、その株式も大企業であればあるほど基本的に高値になってしまうことから利益率は大幅に下がってしまいます。

その代償として、上場するまでプロセスや苦労を全てお金で解決することができます。言い換えると成功率がかなり高くなるのです。

さらに、あなたがすることは、株式を保有することだけです。あなたが経営に関わる必要はありません。あなたより優れた人たちが、あなたが所有している会社が今後も継続して利益を上げ続けるために日夜努力してくれます。

株式さえ保有しておけば、後はあなたがやりたいこと、好きなことに時間を使えばよいのです。


●あなたは何らかの資産を持つことで資本主義社会を有利に立ち回れる
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以上、資本主義社会における基本となる3つの資産を紹介しました。共通点としては「保有しているだけで利益を生み出すもの」です

あなたはこれら3つの資産のうち、何らかの形で1つ以上所有することをお勧めします。これらを何も持たずに生きていくことは、ジャングルを裸で生活するようなものです。

あるいはサッカーで遊ぶときに足でボールを蹴らないようなものです。立ち回り次第では何とかなるかもしれませんが、楽しく遊ぶ、あるいは気持ちの良いプレーをことは難しいでしょう。

これら以外にも「保有しているだけで利益を生み出す」に該当するものがあります。それを何であり、どういうものなのかが見分けられるようになれば、資本主義社会が何を重視していて、どのような行動が有利となるのか、その中でどのように立ち回れば良いのかがわかるようになるでしょう。
 

資本主義社会ではお金の使い方があなたの人生に与える影響が非常に大きくなります。お金に関する知識の有無、知識を実行するか否かの決断があなたの人生に少なくない影響を与えます。1つ1つは決して大きくはないのですが、それが積み重なると無視できない違いとなって表れます。

 

その1つがあなたが手元に残したお金をどのように使うのか、です。同じお金を使うにしても、使うお金をどのようにして得たものなのかによって大きな違いがあります。

 

 

●資産を経由して消費する

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あなたは自分が稼いだお金をどのように使おうとしていますか。資本主義社会ではお金を使う前の過程が大事となります。

 

その過程とは、大きく分けると次の2つになります。

 

・給料→消費

・給料→資産を購入→資産からの収入→消費

 

一般的にはあなたが働いて得たお金をそのまま消費します。

 

しかし、資本主義社会においては、働いて得たお金は一度資産して、購入して手にした資産がもたらす収入を消費に回すほうが、より優れているのです。

 

お金を使うことで物あるいはサービスを手に入れるという結果は同じですが、途中経過を変えることで、その後、あなたの手元に残るお金や資産の量が大きく変わるのです。

 

 

●同じ100万円でも使い方によって将来の結果が変わる

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ここにAさんとBさんがいるとします。AさんとBさんは毎年どこかに旅行しています。

 

ある日、AさんBさんに幸運が訪れ、共に100万円を手にすることができました。

 

堅実なAさんは100万円を一気に使うのではなく、毎年4万円ずつ使おうと考えました。こうすれば大好きな旅行を25年も続けることができます。使わないお金は銀行の普通預金にお金を預けることで盗難や紛失の心配もありません。非常にうまいやり方です。

 

Bさんも一気に使うのは勿体ないので、Aさんと同じように毎年4万円ずつ旅行に使っていこうと考えました。しかし、Bさんはこの100万円をただ使うのは勿体ないと考えました。

 

計画通りに使うと25年でこのお金は無くなってしまいます。そこでBさんは100万円を使って資産運用して、毎年4万円の収入を得る仕組みを作りました。これによって、Bさんは毎年の旅行代金を資産から得られる収入で手にすることができるようになりました。計算上、ここでは資産の価値は変わらず、資産から毎年4%の収入が手元に残るとします。

 

 

25年後、Aさんは100万円を完全に使い切り、それ以降は自分の収入からお金を出して旅行を続けています。

 

Aさんのお金の推移

1年目

現金 100万円

資産 0万円

資産からの収入 0円

 

26年目

現金 0円

資産 0万円

資産からの収入 0円

(上記以外からの持ち出し 4万円)

 

一方のBさんは1年目に購入した資産が残っているので、26年目以降も資産からの収入を使って旅行を続けています。資産は1年目から減っておらず、新たにお金を出す必要はありません。

 

Bさんのお金の推移

1年目

現金 0円

資産 100万円

資産からの収入 4万円

 

26年目

現金 0円

資産 100万円

資産からの収入 4万円

(上記以外からの持ち出し 0円)

 

AさんとBさんの決定的な違いは、収入をもたらしてくれる資産を持ったのか持たなかったのかにあります。Aさんは資産を持たなかったので手持ちの現金がなくなってしまえばそれまでとなります。

 

しかし、Bさんは資産が毎年お金を生み出してくれます。今回の場合では、Bさんが資産を持ち続けている限り、毎年4万円を手にすることができます。そして資産自体は100万円のままなので、毎年4万円を使い続けているにもかかわらず、100万円の価値がある資産を持ち続けています。

 

これは資本主義社会が持つ仕組みの一つである、資産を持っているものがより有利になることを示しています。

 

 

●資本主義社会ではBさんのやり方が優れている

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世の中には人の数だけ価値観があります。資産運用をしたくない、お金は汗水流して働いて得るものが貴く価値がある、働かないでお金を得ることは悪い事だ、などの価値観は当然尊重されるべきです。

 

その反対に、持っているだけでお金を手にすることができる資産を持ち、働かないでお金を手にする仕組みを作る事も同じように尊重されるべき価値観です。

 

しかし、各自が持つ価値観と資本主義社会が持つルールは、互いに無関係に存在している事には注意が必要です。

 

どんな行動をとるのかはあなたが自由に判断して決定・実行すべきですが、あなたの価値観や理念とは関係なく、資本主義社会の仕組みはあなたが取った行動に対して何らかの働きかけを行うことには注意が必要です。

 

Aさんのように手に入れたお金をそのまま消費に使ってしまうと、手元に何も残すことができません。Aさんのやり方では、100万円は50年経っても100万円の価値しかありません。これでは資本主義社会の仕組みが有利に働いてくれているとは言えないでしょう。

 

Bさんのやり方では100万円で手に入れた資産が毎年4万円を生み出し続け、その資産を持ち続けることができます。仮に資産を手にして50年経つと、100万円の資産と、資産が生み出した200万円、合計で300万円を手にすることができます。手持ちの資産を減らすことなく200万円を生み出しているのです。

 

資本主義社会が持つ仕組みを上手に活用するためには相応の知識と努力が必要ですが、その気になれば誰でも利用でき、資本主義社会の仕組みを有利になるように働かせることができます。

 

 

●資本主義社会が持つ仕組みを有利に働かせる、という価値観

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あなたが資本主義社会で少しでも懸命に生きたい、お金でできるだけ苦労をしたくないのであれば、資産運用は非常に大きな意味合いを持つことになります。

 

収入をもたらす資産を手に入れ、持ち続けることで、資本主義社会が持つ仕組みをあなたに対して有利に働かせることができれば、あなたの経済的な問題は少しずつ、確実に改善されていくことでしょう。

 

もちろん、資産運用に「絶対」ということはありません。資産運用とは「未来に得られるであろう利益を予想して、今この時点で購入する」ことです。そして、私たちは5分先の未来すら予想することはできません。だから資産運用において「絶対に儲かる」ということはあり得ないのです。

 

しかし、どのような資産運用の方法がより高い確率であなたの利益をもたらしてくれるのかは、勉強して身につけられる知識です。

 

将来のあなたがより有利になるように、試しに資産運用について勉強してみてはいかがでしょうか。

お金よりも大切なものは沢山あります。その一つが時間です。

 

時間は全ての人間にとって大切な資源です。2018年現在、男性で81歳、女性で87歳となっています。これは過去の歴史を考えると非常に長寿命になっています。

 

日本の歴史に合わせて寿命を見てみると実に興味深いと思います。寿命そのものには諸説ありますが、紀元前から16世紀ごろまでの平均寿命は20歳を下回っていました。この間には旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代など様々な時代がありますが、いずれも寿命に大差はありませんでした。これらの時代を生きた人にとって、20歳を超えて生きることができればとんでもなく長生きだったことがわかります。

 

17世紀でようやく20代後半~30歳ごろまで寿命が延びます。そして18世紀では30歳代半ば、19世紀で30代後半となります。

 

寿命が40歳を超えるようになってきたのは20世紀になってからのことであり、ごく最近のことです。1947年時点、すなわち第二次世界大戦終了から2年後の平均寿命は男性50歳、女性54歳になります。人生50年はこの頃にようやく実現しました。

 

それからおよそ70年後の2018年現在、男性で81歳、女性で87歳になりました。私たちは寿命という観点から考えると恵まれた時代に生まれていると言えます。

 

しかし、寿命が長くなったから必ずしも良いというわけではありません。

 

 

●健康寿命は寿命より短いという当たり前の現実

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寿命には別の概念もあります。その1つが「健康寿命」という考え方です。

 

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。

 

もっと簡単に言うと、他人の手助け無くトイレを済ませることができる、食事や洗濯などの家事をすることができる、自分が好きなところに力に出かけることができる状態と考えられます。

 

このように考えると、平均寿命と健康寿命との差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味します。ここで言う「健康ではない期間」とは、日常生活を送るうえで他人の補助が必要な状態を指します。好きなところに旅行することもできません。

 

この「健康寿命」が2016年時点で、男性72歳、女性は74歳と発表されています。

平均寿命と健康寿命の差は次のようになります。

 

男性:寿命81歳  健康寿命72歳  その差9年

女性:寿命87歳  健康寿命74歳  その差13年

 

これが現代を生きる私たちの平均的な寿命と健康寿命なのです。私たちが十分に満足して生活できるのが70歳とちょっとであり、それ以降は他人の手助けなしには満足に生活することすらできない期間が続きます。

 

その期間をどのように過ごすことになるのかは、老人ホームを見ればわかります。そこに入居している人たちは、元気な人は伝え歩きをしたり車椅子で動くことができます。このレベルで自由度が高い状態です。

 

中には完全に寝たきり状態になっている人も少なくありません。彼らはまだ寿命が残されていますが、健康寿命は尽きてしまっています。

 

老人ホームに入居している人たちの姿は、いずれ私たちに訪れる未来なのです。その期間は平均すると男性で9年、女性で13年続くことは強く心に刻んでおくべきでしょう。

 

 

●老後になると早く死にたいと考える人たちが増える理由

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今の世の中は、長生きすることが称賛される風潮となっています。80歳、90歳、100歳を超えてもこんなに元気、あるいはどんなに年をとっても新しいことに挑戦できるという、プラスの話ばかりです。このような話ばかり聞いていると、長生きすること自体が良いこと、どんなに年を重ねても何でもできてしまうのだ、と考えてしまいがちです。

 

しかし、それは大いなる誤解なのです。

 

平均寿命や健康寿命の話はあくまで平均であり、私には関係ないと考える人もいるかもしれません。しかし、多くの場合において、平均的なことはあなたにも当てはまります。

 

テレビやメディアに取り上げられる理由は、それが希少な例だからです。当たり前のこと、誰もが知っていることは取り上げられません。ならば、80歳になっても、90歳になっても、100歳を超えてもこんなことができるというのはあくまで特殊な例ということです。

 

その反対に、ごく普通の老人たちが抱える現実というものは直視されない傾向にあります。これらはごく平凡な当たり前の現実であることはもちろんのこと、人の生死に関わる事柄となり、同時に人の価値観に強く左右される事柄となる、あるいは非人道的との批判を避けるなら語らないほうが賢明です。

 

しかし、生きているすべての人たちにとって、老後の現実は決して避けることができない問題です。

 

現実には健康寿命を迎える前から、肉体や精神は少しずつ老化していきます。満足に体を動かせなくなる、あるいは若いころのように柔軟な思考が出来なくなってしまうことを感じてしまうと、無理に長生きしようと考えないようになるようです。

 

私の周りにいる、ある程度年を取った人たちは「そんなに長生きしたくないんだよ」と言うことが多いのです。それは何となく察するものがあります。

 

注意すべきは、「そんなに長生きしたくない」という人は、性別、業種を問わずそれなりの人数が存在することです。

 

これは、人間はただ生きているだけでは何かが足りないことを意味しているのだと思います。私たちは生きて何かを成し遂げるあるいはやりたいことをやるから、だからこそ生きていることに明確な意義を持つことができるのでしょう 。

 

それが失われた時、あるいは十分にできなくなった時に、これ以上長生きする必要はないと感じてしまうのだと思います。

 

 

●光陰矢の如しという諺の真意は経験ではなく知識を持って知るべきだ

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私たちは自分の時間を「寿命」で考えてはいけないのです。「健康寿命」という視点で考えるべきです。

 

私たちにとって残された時間は「健康寿命」なのです。自分が満足に生きられる時間は平均して70歳と少しです。75歳まで届かないのです。時間が大切な資源と考えるのであるならばこの点を誤解してはいけません。

 

私たちに残された時間は決して多くはありません。私たちはこの世で生きられる時間、自由に活動できる時間は1日1日確実に減っていきます。やりたいこと、成し遂げたいことに挑戦できる将来の時間は確実に少なくなっていきます。

 

そして、あなた自身が「もうこれ以上長生きする必要はない」と感じてしまったときが、あなたにとっての時間切れです。これは経験によって納得する性質のものではありません。私たちより長生きしている先人の知識を活用して、「私にもその時が来たか」と納得するために活用するべき知識です。

 

時間は決して待ってくれません。そして周りにとっても私の人生に責任を持ってくれるわけでもありません。私たちの人生は、私たち一人ひとりが自分に対して責任を持って生き抜いていくのです。どんな人生を選ぼうとも、それはあなたの責任であり周りの人の責任ではありません。

 

人生80年あるいは人生90年という言葉に惑わされないでください。私たちに残された時間はそんなに多くはないのです。その事をあなた自身が経験として感じ取るようになっては遅いのです。私たちは若いうちにこの事実を知るべきです。

 

そしてあなたが後悔のない人生を歩むためにできること、なすべきことを毎日毎日努力して、時間を大切にして有意義に使うことが、自分の人生を大切に使うことになるのです。

私たちはお金のことを考えたり話したりすることをマイナス評価される場面が多くあります。特に日本人の場合は家庭教育や世間的な評判において、お金の事を話すと行儀が悪い事、しつけが悪いなどお金のことを話すこと自体にマイナスの評価をする傾向が強くあります。経験したことがある人も多いでしょう。

 

一方で、私たちが生きている世界は資本主義社会です。資本主義社会では、お金があればあるほどより沢山の望みを叶えて生きていけます。これは少し考えればわかることだと思います。

 

お金のことを考えることに対する良い評価と悪い評価が混在しているのが現代社会です。そして、あなたの人生をより豊かにするのはどちらの考え方でしょうか。

 

これは言うまでもなく、あなたが現在生きている社会のルールに従った生き方、つまりお金を手に入れる方法を考えることです、あるいはお金の話を受け入れてくれる人と積極的に話すことです。もっと言えば、お金のことが好きな人です。

 

その反対に、お金の事を嫌っている、あるいはあまり好きではない態度を取り続ける人は、自分自身の意識としてお金を遠ざけることになります。それは結果としてお金をあなたの人生から遠ざけてしまいます。

 

 

●お金が好きな人はお金に恵まれる人生を送りやすい

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もしあなたがお金のことが好きならば、お金のことをより真剣に考える機会が多くなり、お金に関する知識が集まりやすくなります。その結果、お金に恵まれた人生を送る可能性が高くなります。

 

お金に興味がある人は、例えば、ふるさと納税によってより効果的なお金の使い方をすることができるようになるでしょう。ふるさと納税をわかりやすく解説しているサイトは書籍は沢山ありますので少し調べれば誰でも活用できる制度です。

 

Ideco(イデコ)は聞きなれない人もいるかもしれませんが、資産運用の中では非常に珍しく、「確実に」利益が得られる制度もあります。2019年時点では対象者もかなり増えているので、いろいろ調べて理解できるようになったら実践を検討する価値は十分にあるでしょう。

 

NISA、積立NISAのように株式投資で得られる配当や売買差益への課税を合法的になくすことで、よりたくさんの利益を得ることを知り、実際に払う税金を減らしている人もいるでしょう。

 

不動産を勉強することによっても物件を購入し、物件から得られる家賃収入でより豊かな生活ができるようになるかもしれません あるいは普通の人より安く家を購入する、格安の賃貸物件を手にすることができるかもしれません。

 

本当にお金が好きならば、自ら会社を立ち上げてより沢山の収入を得て、より豊かな暮らしを実現することだって可能でしょう。

 

これらのお金に関する知識には企業のように難しいものもありますが、拍子抜けするほど簡単なことも決して少なくありません。現代社会は必要と思える知識にアクセスすることへのハードルが大きく下がっています。あとはその人のやる気次第、興味の方向性次第となります。

 

何よりお金が好きな人は放っておいてもお金に関する知識を集めようとします自分が好きなことをやるのだから当然の話です。私たちは好きなものは好きなものは自ら積極的に知識を集め実践しようとするものです。それは妨害することが難しいのです。

 

例えば、子供達がテレビゲームに何時間も熱中して、親が怒ってもなおゲームを続けることがあります。多くの人は子供もしくは親の立場を経験しているでしょう。好きになる対象はテレビゲームだけではありません。アイドルに夢中になる、歴代の総理大臣が大好きな人もいるでしょう。あるいは今やっている仕事がそうかもしれません。

 

そして好きな事には熱中してしまうのが人間なのです。

 

このように「好きなこと・興味がある事」がお金に向かうと、お金に対する知識が豊かになり、結果としてお金に対する知識が高い人間になっていきます。興味のある知識を得ることが必ずしもプラスになるとは限りませんが、お金の事を嫌っている、お金の事を何も勉強しない人に比べれば優れた高いお金に関する知識を手にすること可能性が高くなります。

 

お金に関する知識が高ければ、お金が手元に残りやすい、あるいはより沢山のお金を手にするという形になってあなたの元に戻ってくる可能性が高くなります。

 

お金の事が大好きな人はこれらのお金の持つ力というものを知っています。お金が持つ大きな力、プラスに働く力を知っているからこそ、お金が持つ力を最大限に活用しようと努力します。そうすることでお金が私たちに大きな魅力や安定、安心を与えてくれるからです。

 

その結果として、お金の事が好きな人がお金持ちになりやすいのは、ごくありふれた現象の1つなのです。

 

 

●お金があれば不幸、不満、不便を排除できる

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お金だけでは手にできないものがある、という言葉があります。子供のころに良く言い聞かされていたのではないでしょうか。

 

この言葉の裏を返せば、お金があれば大体のものは手に入ることを示しています。もう少し説明すると「お金があれば、ある程度の不幸、不安、不便を解消、あるいは遠ざけることができる」ことを意味します。

 

お金があれば、衣食住をより豊かにすることができます。友人と映画を見に行く、お茶をする、旅行するなど様々な選択肢から好きなものを選んで楽しい時間を過ごすことができます 。

 

お金があれば、空調を使うことで暑い夏を涼しく、寒い冬を暖かく過ごすことも可能です。あるいは寒い時期には暖かい沖縄に行く、暑い時期には長野など避暑地に行くこともできます。

 

お金があれば、人間関係の維持をすることもできます。代表的なものがあれば恋愛関係や家族関係の継続です。男性視点で言わせていただくと、女性はお金がない男性を恋人とする、あるいは夫とする確率、家族関係を継続できる確率はどうしても少なくなってしまうのです。

 

もちろん、お金を稼ぐ能力が高いことが100%幸せに繋がるわけではありません。これもまた真実です。

 

だからお金は役に立たないと考えるは子供じみた考えです。1つでも悪い所があればすべてが悪いと考えていては、その考え方が持つ良い所を活用することは難しくなるでしょう。

 

 

●お金が嫌いな人はお金を遠ざけ、結果的に生き辛い人生となる

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お金が嫌いな人は自分の人生からお金を遠ざけようとします。自分が嫌いなものを真剣に考えようとすること自体、気分が落ち込むことなので普通の人はすることができません。そのため、私たちは誰でも自分たちが嫌いなものは遠ざけようとします。

 

あなたが嫌い、苦手とする人間のことを考えてみてください。すこし考えるだけで非常に苦痛のはずです。だから私たちは苦痛を受けるのではなく、苦痛から積極的に離れようとします。もしお金が苦手なこと、苦痛なことに当てはまるなら、考えることは一分一秒だって避けるはずです。

 

お金が嫌いになっている人はお金に向き合うことができないので、結果的にお金の問題を先送りしてしまい、状況が悪化してしまうことが多いのです。

 

先ほど書いたように、お金があれば解決できる問題、例えば衣食住や暑さ寒さを和らげることこれらはお金があれば比較的簡単にできることですが、お金の問題をから目を背け続けることでお金の持つ力を十分に発揮できなければ、これらの些細な問題に対しても十分に対応することができないでしょう。

 

お金が嫌いな人はお金に対して目を背け、自らの人生からお金を遠ざけてしまいます。その結果、多くの場合でお金が嫌いな子は貧乏になる、あるいは金持ちになれないという状態になってしまいます。

 

 

●資本主義社会はお金主義社会

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私たちは資本主義社会に生きています。資本主義社会とは上品な言い方に過ぎません。直接的に表現すれば、資本主義社会はお金主義社会です。

 

お金がある人がより優遇される社会です。お金を手にする能力の高い人間、お金をより効果的に使うことができる人間がより豊かな人生を送ることができるのです。これは社会の構造がそうなっている、もっと言えばお金を持つものが有利となるゲームをしているようなものです。

 

私たちはお金に対して目を背けるのではなく正面から立ち向かっていく方向に進むほうが良いでしょう。

 

あなたがお金がことが嫌いであっても私たちは資本主義社会で生きていくしかありません。もしあなたがどうしてもお金の事を好きになれないならば、あなたではなくパートナーあるいは家族にお金のことをより勉強してもらい、より効果的に働かせる方が良いかもしれません。

 

いずれにしても、資本主義社会で豊かに生きていきたいならば、お金に対してプラスのイメージあるいは最低でもプラスマイナスゼロの以上のイメージを持つことが絶対に必要です。

 

あらゆるゲームにおいて、ルールに反するものはペナルティを与えられます。お金に関してマイナスイメージを持ってしまう人は、目に見える、あるいは目に見えない部分で数多くのペナルティを払わされることになり、その結果、お金に関して非常に苦労を続ける人生を送ることをなるでしょう。

保険の中には資産運用ができる保険があります。

資産運用できる保険を契約することは有効なのでしょうか。

 

例えばオリックス生命保険のRISEという終身保険の場合、30歳から60歳まで月10,920円を支払っていくと、満期時に約436万円を解約返戻金として受け取ることができます。払い込んむ金額が約393万円なので、払い込んだ金額からすると約43万円、率にして11%程度増やすことができます。

 

このようにみると保険で資産運用することは一定の効果があるように見えます。

 

しかし、このような保険に加入する必要はありません。既に加入してしまっている人は仕方がありませんが、現時点で加入していない人はこのような保険に加入してはいけません。

 

その理由を説明します。

 

 

●年利が低すぎる

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貯蓄型保険は、ある一定期間の満期までお金を積み立てることができれば、積み立てたお金にいくばくかのお金、例えば10%程度を追加して受け取ることができます。

 

これは一見すると非常に大きな金利に見えます。2019年1月現在、現在の銀行の金利は定期預金でも0.1%~0.2%ですから、11%ともなれば相当に大きな金利のように感じます。

 

しかし、この金利は「11%/30年」であることを見逃してはいけません。30年間でようやく10%増えるという話です。

 

一般的な金利は「●●%/1年」ですから、単純に比較することはできません。

 

先ほどご紹介したオリックス生命保険のRISEを例にとると、「11%/30年」の分母を1年に修正して考えると「0.6%/1年(30年間の複利運用)」になります。

 

年利0.6%程度ならば日本政府が発行している10年国債と大差ありません。また、株式投資ならば年利3~5%程度を受け取ることは、きちんと勉強していれば決して難しいことではありません。

 

これは単なる数字のマジックに過ぎませんが、このような単純な比較方法を知らないと、大した価値のない金融商品を素晴らしい商品と誤解して購入することになりかねません。

 

そもそも、いちいち変換しなければ他社商品と比較できない表示をしている業者の商品は、最初から購入検討対象から除外すべきです。このような表示をする業者の商品は、他の部分でも買い手を誤解させる巧妙な表示をしていると考えるのが自然だからです。

 

年利を表示していない商品には必ず裏があるのです。

 

 

 

●元本割れする期間が長すぎる

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保険で金融商品を運用する場合は、毎月支払い続ける必要があります。

しかし、途中で支払いが難しくなり解約となった場合、支払った金額よりももらえる金額が少なくなる期間があります。これを元本割れと言います。

 

これを避けるためには支払期間と支払金額に無理な概要に設定する必要がありますが、そんなことは可能でしょうか。

 

今の時代はどんな会社もいつ潰れるのかわからないほどに時代は早く激しく動いています。現時点で一世を風靡している会社が10年後には廃業していることは決して珍しくありません。

 

そんな時代において、毎月定期的に払い込み続ける方式かつ途中で払い込みできなるかしれないリスクを抱える資産運用を採用するメリットはどこにあるのでしょうか。

 

勤め先が存続していたとしても、あなたの家計が常に保険料を毎月払えるほどゆとりがあるわけではないでしょう。一時的に現金がぎりぎりの状態になる事、あるいは運用しているお金を取り崩さざるをえない事態に陥ることも十分に考えられます、

 

保険で資産運用している場合、中途解約はほぼ禁じ手となるほどの悪手です。これは一度資産運用を始めてしまうと、最後まで続けない限り損をしてしまう商品なのです。これは極めて性質の悪い商品であると言えます。好んで選択するような商品ではないのです。

 

 

●コストが明示されていない

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投資信託であれば投資信託を買うときの手数料、年間の口座維持費あるいは年間の管理手数料などが明示されています。私たちはその数字も検討材料として金融商品を購入するかどうかを決定しています。

 

ところが保険が保険の場合はそのような時は一切明示されていません。資産運用において、手数料は判断基準となるべき重要な要素なのですが、これらが明示されていない商品は致命的欠陥を抱えていると言えます。

 

資産運用において似たような商品があるのなら、手数料が高い商品を選択することは絶対にありません。仮に手数料が1%違うだけであっても、長い期間に渡って資産運用するのならば金額的に見てとんでもない違いとなって表れるからです。

 

仮に以下の2つで考えてみましょう。

 

1) 1000万円を年利5%、30年間複利で運用する

2) 1000万円を年利4%、30年間複利で運用する

 

1)と2)の年利差1%は手数料1%の違いと考えてください。この場合、総資産額は以下のようになります。

 

1) の元金1000万円、純利益3322万円

2) の元金1000万円、純利益2243万円

 

手数料が1%違うだけで、今回の条件では約1100万円の違いとなりました。資産運用における手数料がいかに大きな影響度を持つのかがお分かりいただけると思います。

 

1100万円違うと、これから先にやりたいこと、あるいは人生設計にまで大きな影響を与えてくることになるでしょう。

 

これほどまでに重要情報である手数料であるにも関わらず、保険会社が提供する金融商品に明示されていません。その理由は規制がなされていないこと、それを理由に手数料をブラックボックスにすることで保険会社として莫大な利益を得ることが可能になるためと考えるのが自然です。

 

万が一、保険会社が提供する金融商品の手数料を明示すると、あまりの暴利から全く売れなくなってしまうでしょう。また金融庁が大慌てで規制を賭ける事態に発展するかもしれません。

 

 

●複雑すぎる

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保険業者が資産運用としての保険を販売する理由の1つに、商品を複雑にして、他社製品と簡単に比較させないという狙いがあります。

 

仮に生命保険10年掛け捨て30歳男性という条件があれば、他社商品との比較は極めて簡単です。この場合の比較方法は単純に価格が低い商品、あるいは受け取れる保険金が多い商品に軍配が上がることになります。

 

このような商品ばかり取り扱ってしまうと保険業者としては商品競争力を高めるために安売り競争、あるいは契約者に支払う保険金を増やさなければいけないので利益が減ってしまいます。

 

そこで単純な保健機能だけではなく、資産運用をくっつけることにより単純な比較ができないようにしてしまうのです

 

生命保険と資産運用組み合わせる、医療保険と資産運用を組み合わせるなど様々な形をとることで、他社との保険を単純に比較されるのを難しくします。

 

私たち消費者としてこのような商品を選択する必要はありません。その基準となるべき考え方は、「理解できる商品だけ購入する(契約する)」です。

 

スーパーで売っている商品で、ラベルが貼られていない商品を買う人はいません。あるいはあなたが理解できない(読めない)言語で商品説明されている商品を買うこともないでしょう。中身が全くわからないから買うのが怖い、何が入っているのかがわからなければ使いようがないからです。

 

保険も全く同じです。あなたが理解できない商品を買う必要はありません。ある保険が理解できないのはあなたが悪いのではありません。説明するのが難しすぎる商品を設計・開発した保険会社が悪いのです。

 

そのような理解できない商品を購入したとしても上手に使いこなせないのでは意味がありません。だから買わなくていいのです。

保険はお金の問題を考えるうえで非常に大切なものとなります。あなたが生きている間に払うお金の総額では、住宅、自動車に続いて3番目に多いと言われているほどの高額な支出となります。

 

毎月支払う金額は些細なものであっても、長年にわたって払い続けることを考えると、保険は決して安い買い物ではありません。仮に毎月3万円を保険料として払っているならば、30年間で1080万円に達します。これには加齢に伴う保険料の値上がりを考慮していないため、実際に払い金額はもっと多くなるでしょう。

 

このように考えると保険料の支払い総額はあなたが生涯で得られる収入の数パーセント、場合によっては10%を超えてくることも珍しくありません。

 

これほどまでに高額な支出となってしまう保険ですから、まずは保険とはどういう役割を持つものなのか、その基本的な機能、役割を知っておきましょう。

 

 

●保険の本質は経済的破綻を防ぐことにある

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保険が担うべき役割は、あなたが経済的破綻してしまうリスクを防ぐことにあります。

それは以下に該当する内容です。

 

・起こって欲しくない事件、事故などが起こる可能性が非常に低い

・それらの事件、事故に遭ってしまうと到底払えないほどのお金が必要となる

 

具体的には「自動車保険」「自転車保険」「火災保険」「生命保険」「団信」などが該当します。(個人の事情によってはここに書かれていないものが該当すること、ここに書かれている物でも該当しないものがあります。)

 

例えば自動車での人身事故では3億円や5億円を超える損害賠償を要求されることがあります。自転車で人身事故を起こした場合でも、数千万円から最高で1億円程度の損害賠償を要求されることがあります。そして実際にそのような判決が出されています。

 

ごく普通の人ならば数千万円や億を超える金額を払うことは、残りの人生全てを捧げたとしても相当な困難となります。仮に払いきったとしても、人生の多くを損害賠償の支払いのために費やさなければいけません。

 

このような事態にあることは極めて稀な事であり、宝くじで高額当選する程度の確率しかないでしょう。しかし、一度起こってしまうと数千万円や1億円などとても払える金額ではありません。

 

保険が求められるのはこのような場面においてです。サイコロを振って1の目を10回連続で出すほどの低確率ながら、一度起こってしまうと人生が狂ってしまう、崩壊してしまうほどの経済的ダメージの直撃を回避するために、保険は非常に効果的な道具となります。

 

保険とは、経済的なダメージによってあなたの人生を破壊するかもしれない不測の事態から、あなたの身を守ってくれるものとして活用するのが本来の使い方です。

 

 

●保険は仕方なく加入するものである

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先ほどの説明だけだと「保険はなんて素晴らしい物なのだ、すぐに加入しなければいけない!」となるかもしれませんが、保険は万能の道具ではありません。

 

大前提として、保険に加入することは損をすることを意味します。

これを頭に入れて置いてください。

 

なぜ損をするのか。

それは保険会社の立場になって考えればわかります。

 

保険会社は営利目的で保険を販売しています。保険会社は「保険という金融商品を販売することで利益を得ている」のです。

 

それ自体は何も悪い事はありません。現に私たちの多くは保険に加入しているのは、保険が必要と考えられている証でもあるからです。

 

大切なことは、保険に加入すること自体があなたの家計にとってはマイナスであるという認識が必要ということです。

 

保険会社の立場から見ると、払い込まれた保険料は以下のように分解できます。

 

払い込まれた保険料           

=加入者に払い戻すお金

 +保険会社を運営する経費

 +会社に残す利益

 

この金額の比率は企業秘密なので正確な所はわかりませんが、仮にあなたが年間10万円分の保険料を適当に振り分けると、以下のようになるでしょう。

 

払い込まれた保険料(10万)

=加入者に払い戻すお金(6万)

 +保険会社を運営する経費(3万)

 +会社に残す利益(1万)

 

1人あたりで考えるとあなたが、払い込んだお金の一部は会社の運営費に使われる、あるいは保険会社の利益として残されます。そのため、払い込んだ金額より払い戻される金額のほうが少なくなり、あなたは損をします。これは少し考えればわかると思います。保険に対して妄信してはいけない理由がこれになります。

 

保険に加入することで安心を得られるかもしれませんが、その代償としてあなたは確実にお金を減らすことになるのです。

 

 

●あなたにとって必要な保険はあなたが選択する

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保険はあなたが経済的破綻を回避する道具であると同時に、保険に加入すること自体があなたのお金を減らしてしまうという、相反する性質を持った金融商品です。

 

そのため、単に加入すれば良いというものではありません。

不必要なものに加入してしまえばあなたのお金を必要以上に減らすことになります。

必要なものに加入しなければ、問題が起きなかったときには何事もありませんが、問題が起こってしまうとあなたを経済的破綻へと導いてしまうかもしれません。

 

あなたにとって何が必要なのかをきちんと考える必要があります。家族がいるのであれば互いに話し合って必要な保険に加入する、不要な保険は解約することが必要です。

 

周りが加入しているから私も加入するというのは良い方法とはなりません。

あなたの友達が加入しているのは、あなたの友達が置かれている状況を考えて必要だと判断したから加入しているのです。あなたにとって必要なのかどうかは別問題です。

 

自分で判断することが難しい、よくわからないという人は多いと思いますが、ここで手抜きでするのはあなたにとってマイナスの結果をもたらすでしょう。

 

先ほど書いたように保険はあなたの生涯に渡る収入の10%以上を占めるようになることもあります。不必要な保険に加入してしまうと、将来的に数百万円単位で違いが出てくることになるかもしれません。

 

もしわからないのであれば、本を読んで勉強する、あるいは知識を持つ周りの人と相談することをお勧めします。

資本主義社会はその名の通り、資本を持つもの、もっと言えば資産を持つものが圧倒的に有利となる社会です。

 

では、皆さんは資産とは何かをご存知でしょうか。資本主義社会において「あなたが有利となる資産とは何か」を知っていることは非常に大切なことです

これを知っていることは資本主義社会で有利に立ち回る基本中の基本となるのですが、何となくわかっている程度で理解を止めている人が多いのではないでしょうか。

 

あなたが資産をどのように理解しているのか、そしてあなたを有利とする資産をどれだけたくさん所有しているのかによって、資本主義社会を豊かに生きるのか、あるいは貧しく生きるのかの違いが生まれます。

 

この理解が間違っている、あるいは曖昧だと資産が持つ大きな力を十分に発揮するどころか、あなたの足を引っ張ることになりかねませんので、きちんと理解することが肝要です。

 

 

●資産が持つ1つめの力は「売るとお金を手にできる」

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資本主義社会における資産とは主に2つの意味があります。

1つは「売った時にお金になるもの」です。土地や家、あるいは自動車などは売るとお金を手にすることができます。債券や株式も同様です。

 

同じ理屈で考えると、質屋や古本屋、あるいはメルカリなどで持ち物を売ってお金になるものも資産と言えます。

 

しかし、このようにして手にする資産は、それほど大きな価値を持ちません。

売った時にお金になる資産は、売った時のたった1回しかあなたにお金をもたらさないからです。

 

例えばスーパーマーケットが利益を上げ続けるためには商品を売り続ける必要があります。休みを取るとその日は1円の利益も得ることができません。利益を得たいのなら働き続ける必要があります。

 

古本屋やメルカリを活用する人も同じです。一度売却したら、1回利益を得て、それで終わりです。2回目を手にすることはできず、再び利益を得たいのなら、新たに売るものを用意しなければいけません。

 

売った時の1回しかお金にならないということは、何度も売り続ける必要があります。安く買って高く売ることを繰り返さなければいけません。それを止めてしまうと利益を得られないのです。

 

あなたがもし資産が持つ力を効果的に使いたのならば、次に紹介する力を使う必要があります。

 

 

もう1つは「持っているだけで財布に影響する力」

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資産が持つもう一つの力に、「持っているだけで発揮する効果」があります。持っているだけであなたの財布にお金を与えてくれる、あるいは奪っていく力が資産にはあります。あるいはあなたの財布には何の影響も与えない資産もあります。

 

多くの方は意識していないかもしれませんが、これこそが資産が持つ重要な力であり、上手に活用することで、あなたを経済的に有利な立場に持っていくことができます。

 

その力は大きく3つにわけることができます。

 

1)持っているとあなたのお金を奪っていく

代表的な例としては、マイホーム、自家用車などが当てはまります。

 

マイホームを所有し続けるためには固定資産税を払わなければいけません。支払いを拒否するといずれ行政によって没収されてしまいます。快適な生活を継続するためには水回りの補修、壁紙の張替え、ペンキの塗り替えなどメンテナンス費用が必要となります。これらはマイホームを所有している限り発生する費用であり、経済的なマイナス効果となります。

 

自家用車には車検や各種税金がかかります。車を動かすにはガソリンも必要です。重大事故に備えて各種保険への加入も必要ですから、自家用車を持っているだけであなたの財布からお金を抜きとっていきます。

 

これらは持っているだけであなたの財布からお金を抜き取っていく力があるので、マイナスの効果を持つ資産と言えます。

 

もちろん、これらの資産を持ってはいけないという短絡的な話ではありません。

 

マイホームと賃貸のどちらが有利と働くかは各自の状況に合わせて総合的に考える必要があります。結果としてマイホームのほうが有利となる事もあります。

 

あるいは自家用車を他の人に貸し出すなど目の付け所を変えることで収入を得る道具にすることができるかもしれません。

 

しかし、最初からあなたの財布からお金を奪っていく力があることは極めて大きなデメリットとなります。そのマイナスの力を打ち消し、一定以上のプラスにするにはある程度の知恵や行動力が必要となる点には注意が必要です。

 

あなたがマイナスの効果を持つ資産をプラスに切り替えられないのであれば、手放すほうが良いこともあるでしょう。

 

 

2)持っていてもあなたのお金を殖やしも減らしもしない

金塊、有名な絵画などが当てはまります。

 

金塊は世界で通用する唯一の資産と言えるほど価値があるものですが、金塊自体があなたの財布に何らかの影響を与えることはありません。1キロの金塊を100年持ち続けていても、1キロの金塊のまま変わりません。

 

有名な絵画も同様に、見る人を感動させたり癒しを与える力があるかもしれませんが、あなたの財布には何の影響も与えてくれません。

 

このように、他人がお金を払ってでも欲しいと思えるものであっても、持っているだけでは経済的にはプラスにもマイナスにも働かない資産もあります。

 

なお、他人や買い取り業者が買ってくれない持ち物は俗に「ガラクタ」であり、資産としての価値はありません。

 

 

3)持っているだけでお金を受け取れる

普通預金、定期預金、債券、株式、不動産などが当てはまります。

これらは持っているだけであなたの財布にお金をもたらしてくれる資産です。

 

普通預金や定期預金があると、利息を受け取ることができます。

債券や株式を持っていると、配当を受け取り続けることができます。

不動産経営をしていると、家賃収入を受け取り続けることができます。

 

そして、資本主義社会においては「持っているだけでお金をもたらしてくれる資産」こそ、資本主義社会であなたを経済的に有利な立場にしてくれる重要なものです。持っていれば持っているほど、あなたの経済力に大きなプラスをもたらしてくれます。

 

株式ならば評価額の5%程度を配当として毎年受け取ることが可能です。仮に1000万円相当の株式を持っているなら50万円を毎年受け取り続けることができます。

 

1回だけではなく、毎年継続して受け取り続けることができる点が重要です。これを実現するには株式を持っているだけでいいのです。購入した株式に対して他に何かをする必要はありません。

 

もちろん、お金をもたらす資産は扱い方がわかっていないと大損したり経済的に破滅する危険性もありますが、扱い方さえわかっていれば非常に大きな味方となります。

 

車の運転と同じで、操作方法がよくわかっていない人の運転は危険極まりない凶器となりますが、正しい運転技術があり、法律を順守する力があるのなら、様々な場面で非常に優れた道具として活用することができるでしょう。

 

 

●資産とは何かを理解して、正しい資産を持とう

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資本主義社会はあなたにお金をもたらしてくれる資産を持っていればいるほど豊かに生活することができるようになります。

 

しかし、一般人の多くは「あなたの財布からお金を奪い取る資産」か「あなたの財布に何の影響も与えない資産」しかもっていません。

あるいは「あなたの財布にお金を与える資産」を持っていても、預貯金など資産増加率が極めて低いものが多いのです。

 

あなたが資本主義社会の中で上手に立ち回りたい、お金で苦労するのではなく、お金を味方につけたいのであれば、資産とは何であり、どんな資産を持つことが重要なのかを理解することです。

 

資産とは売ればお金になるものであり、持つべき資産は「持っているだけでお金を受け取れる資産」です。

 

資本主義社会で生きていくなら、この知識は知っておいて損はありません。

女の勘は恐ろしいとよく言われます。

しかし、本質は実に単純です。

 

「いつもとは違うと感じる力」

これが女の勘が持つ本質です。

 

 

●女の勘の本質は「現状維持力」「変わりたくない」が根底にある

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1つ例を紹介します。妻のフィリピーナから「今日、友達と朝までカラオケ行ってきていい?」と連絡が来たのでLINEスタンプで「OK」と返しましたが、フィリピーナは「OKとは言っているけど本当は嫌なんじゃないかな?」と感じたそうです。

 

なぜそのように感じたのでしょうか。その理由は「OKの時に使うスタンプがいつも使っているスタンプと違っていたから」です。いつもと違うことに反応する女の勘はこのような場面で発動します。

 

女性に限らず、人間はできれば現状維持したい生き物です。今日と同じ日が明日も続くこと、できるだけ変わらない日々を望みます。

 

しかし、いつもと変わらない日常の中に些細な変化が起こると、それが環境の激変に繋がるかもしれません。突然の変化は基本的に望ましいものではない可能性が高いので、できるだけ排除したり、未然に変化を防ぐ必要があります。

 

その時にモノを言うのが観察力です。小さな変化に素早く気づくことで、大きなトラブルを未然に防ぐことができる可能性は高くなります。

 

特に女性は遥か昔から現座に至るまで、子供を産み育てる中心的存在でした。子育てにとってはできるだけ環境が変わらないことが望ましいです。今日がこのままずっと続くことが有利に働きやすくなります。

 

また、子供を育てるうえで、観察力は欠かせない能力です。子供はやってほしいことを自分で主張することが難しいです。子育てでは子供たちの反応を見て柔軟に対処する必要があります。あるいは些細な変化に気づくことで、子供を大病から救うこともあります。

 

女の勘はいつもとは違う何かを察する力であり、観察力です。

それが女の勘が働く理由となります。

 

 

●女の勘は男の浮気や不実を見抜くために能力ではない

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女の勘は「いつもとは違う」という事実に即したうえで「こうかもしれない」と想像します。

 

その結果の1つとして男の浮気を見破ることがあるだけです。それを殊更に取り上げることで男性の浮気を抑制しようとする脅しのような効果も期待しているのでしょう。

 

実際に、知っている相手であればあるほど、女の勘が発動する可能性は高くなり、的中率も上がります。相手のことを良く知っていれば行動パターンは推測できるので、その推測が当たりやすくなるのです。

 

逆に、相手のことを良く知らなければ女の勘は全然働きません。「いつも」という前提条件がないために勘が働く余地がないからです。

 

あるいは、男性が「いつも」を演出する力が強い場合も女の勘が機能しません。女性に対して日常を変わらずに演じることができれば、女性が浮気を見抜くことは難しく、見抜けたとしても長い時間がかかるでしょう。

 

女の勘が男の不誠実や裏切りを見抜く能力に特化していません。単に「いつもとは違う」を見抜く力にすぎないため、男性に騙される女性が後を絶たないのです。

 

 

●女の勘は男も持っていて、成長させることができる

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ちなみに、女の勘=観察力なので、男性も同様の能力を持つことができます。

女性限定の能力ではなく、男性にも同じ力は備わっています。

 

そして、観察力は成長させることができます。

 

仕事でも同じようなことが起こります。初めてやる仕事の場合、やり方を覚えるので精いっぱいとなるでしょう。マニュアルを読んだり周りの人の力を借りながら仕事をしていく中で少しずつ仕事に対する熟練度を高めていきます。

 

そしてある程度の期間に渡って同じ仕事を継続していると、「今回の事案は注意しないと予想外のトラブルに見舞われるかもしれない」とか「この件は裏にかなり大きな問題を抱えている案件だな」などが何となくわかるようになります。力の入れどころや勘所がわかってくるからです。

 

子育てでも同じで、初めての子育ては右も左もわからずにあたふたするものですが、2人目、

3人目となると余裕をもって育てることができるようになります。この泣き方はミルクだな、おむつだな、など子供の求めるものがわかるようになります。

 

仕事や子育てに限らず、私たちは一つのことに対する経験を積んで辱連弩を高めることによって、初心者やまだまだ未熟な人には見えないものが見えるようになります。これが観察力であり、女の勘と呼ばれる力と似たものです。

 

 

●女の勘だけが取り上げられる理由

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いわゆる女の勘は観察力であり、それは性別に関係なく持つことができる能力です。

では、どうして「女の勘」女性だけに特化したような印象を持ってしまうのでしょうか。

 

それは女性が男性に比べると人間に興味があるからです。

 

女性は男性より人と話をすること、コミュニケーションを取る事に長けていて、男性より会コミュニケーションが好きな傾向にあります。好きだからこそ多くの人とコミュニケーションを取ります。

 

女性は男性に比べると人に興味を持っている傾向にあるので話すことが大好きです。コミュニケーションにたくさんの時間を使うので人に対する観察力が磨かれていきます、その能力が男性の浮気を見抜くという、男性から見るととんでもない能力を持っているように見えるのです。

 

一方の男性は、女性に比べると人ではないものに熱中する傾向にあります。

世界の偉人を見ても一つの発明に人生の全てを注いだ男性たちは数多く存在します。

そして観察力は時間をかけたもの、好きなものに対して働く傾向にあります。

 

男の勘は人ではなく物事や発明など「人ではない何か」に注がれるのです。

それを表現する時、「仕事熱心」「趣味に没頭する」などと表現されているに過ぎません。

 

男性も女性も観察力という点では同じような能力を持っています。

ただ単に、それを言い表す言葉が違うだけなのです。

ハインリッヒの法則をご存知でしょうか。

1の重大な失敗の裏には29の軽度な失敗やクレームがあり、その裏には300の失敗とは呼べない程度のヒヤリとした、あるいはまずいと感じたことがあります。

 

重大な失敗が起こる前には小さな失敗、失敗とは呼べない程度のひやりとしたことがあります。さらに、ハインリッヒの法則では述べられてはいませんが、アンテナを張っていないと感知できない「失敗の種」と呼べる無数の出来事が起こっているのです。

 

 

●感知できない失敗が積みあがって重大な失敗に育つ

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これを言い換えると、失敗は重層性があるといえます。

失敗は積み重なっていきます。1つ1つは些細な出来事ですが、それが沢山貯まることでヒヤリとした出来事を生み、明確に失敗と呼べる出来事を生み、重大な失敗に繋がっています。

 

       重大な失敗(1)

       小さな失敗(29)

    ヒヤリとした出来事(300)

 失敗と感知することが難しい出来事(数千~数百万以上)

 

感覚的に捉えるなら、失敗の成長は水を貯めるダムのようなものです。ここでのダムが貯めるのは水ではなく失敗という出来事です。

 

失敗は毎日少しずつ確実に貯められていきます。途中で失敗から何らかの危機を感じ取り、問題を解決することができると貯められた失敗を流すことができ、重大な失敗に成長する前に駆除することができます。

 

これを逆に考えると、失敗は予測することができます。予測する方法はハインリッヒの法則で言うところの29の失敗と300の失敗、つまり小さな失敗とヒヤリハットです。これが起こった時に「何事もなくて良かった」で済ませるのではなく、「もっと大きな問題があるのではないか?」と考えることで、失敗の本質を見つけ出すことができます。

 

小さな失敗にきちんと対処することでより大きな失敗が起こることを未然に防ぐことができるのです。

 

 

●人は嫌なものを見ない能力を持つ

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現実には大きな失敗の予兆ともいえる小さな失敗やヒヤリハットは放置されます。失敗は気持ちのいいものではなく、忌み嫌うものであり、できれば見たくないものです。そして人は見たくないものを見ないようにする性質を持っています。

 

その結果、大したことない状態で片づけられるチャンスを逃してしまうのです。実際に失敗に直面したら未知、不可抗力や想定外という言葉で逃れようとします。

 

しかし、重大な失敗が起こると大ダメージを避けることはできません。自動車運転なら死傷事故、家族なら離婚、大企業なら倒産か存続の境目に立たされるような事態が想定されるからです。

 

人が同じ失敗を繰り返すのはこのような構造にあります。歴史は繰り返してしまうのです。

 

 

●失敗に向き合うことでより大きな失敗を排除する

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そもそも、失敗は好んでするものではありません。失敗には「良い失敗」と「悪い失敗」があります。良い失敗とは「未知なる知識の発掘に成功した場合」「1個人の成長につながる場合(周りに与える悪影響が小さい場合に限る)」など、極めて限定的です。

 

そして良い失敗に当てはまらないものはすべて悪い失敗と考えてよいです。失敗体験から本質的な部分を理解して知識にするには、わずかな自分の失敗と、他人のいくつかの典型的な失敗体験の情報があれば十分とも言えます。

 

他社の重大な失敗は本やネットでたくさん勉強することができます。失敗を取り扱った

動画もたくさん出回っています。これらを少し見聞きするとどうしてそんなことを防げなかったんだ?と首をかしげてしまう内容ばかりですが、人は自分が当事者になると同じようなことをしてしまいがちなのです。

 

失敗の事前知識を持っていると、似たような状況になった時に何となく「まずいぞ」と気づくことができるようになります。そのようなときは失敗が十分に貯まっている状態です。すぐに対処しなければいけませんし、対処することで先人の二の舞を防ぐことができるのです。

 

だからこそ、失敗は小さなうちに対処するほうがいいのです。皆の記憶や記録に残るような失敗をしてはいけません。仲間内で昔話の時に引き合いに出される笑い話になる程度、あるいはそんな話題にすらされない程度の小さな芽のうちにサッと対処しておくのが一番いいのです。