いつもイオンシネマの1000円チケットで一緒に映画を見に行く友人と、水曜日に「お母さんが一緒」を見に行った。
「と」が「が」になっただけで なぜこんなにイメージが変わるのか。日本語の面白さはそんなところにもある。
数日前にお気に入りの映画評ブログをのぞいたときに
お母さんが一緒に★がついていた。この方のブログは、秀逸だと★がつく(その年のベスト、の印らしい)ので、こりゃー楽しみ。
期待して期待しすぎてがっかりしてしまったパターン、例えば「怪物」とか、「最後までいく」とか、の展開もあるので何とも言えないけど、この方のブログをなぜか信じている私は期待しかない気持ちで出かけた。
★に間違いなし。
もう、なんというか、笑えて泣けて、予想もしない展開で、心が揺り動かされ、自分の中の日常のちょっとしたことで溜まっているよどんだものが全部すすがれたような気持ち。ああ、楽しかった。
家族だからこそ、その中であてはめられた役割や親との関係で勝手に受け取って頑張ってしまう長女の大変さや、可愛い可愛いと言われて育つ次女三女、それぞれが言っていいこと悪いこと、全部さらけ出す会話劇は、嫌でも自分のことを考えさせられた。
ここまでとは言わなくてもその半分くらい声に出してぶつけていたら、自分の育った家庭も今日のようにはならなかったかな、なんて思ったりして。自分の家は声に出さない家だったな。
そこは映画だからこそ成立してるのかもしれないけど、世の中の長女の声、次女の声、三女の声、を代弁しているかのように画面から飛び出してきそうな迫力で言い合う兄弟。
その勢いがすごすぎて、言ってはいけないことばが「パんっ」と出てしまったときのあの、巻き戻せない瞬間の感覚は、自分でもメールで何度か経験したことがあり、胸がズーンとなった。
それにしても三女さん、いい人と巡り合ってて幸せだなあ・・。酒屋の息子さん、最高。少し頼りない感じにみえつつも、伝えたいことはベストなタイミングで飾らない言葉で、自分の体験と共に話してくれて。救世主に見えたよ。
そして、デビルマンになっていた江口のりこさん、最高です。