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舞台は大正から昭和へと変わる時代の日本。
 
第一次世界大戦、そして関東大震災が起こり、閉塞感に覆われる日本。
 
また世界恐慌による不景気により、世界中が不穏な空気に包まれていた。
 
 
そんな中、堀越二郎は、片田舎で少年時代を過ごしながらも、飛行機の設計者になることを夢見ていた。
 
イタリア人航空機設計者カプローニを尊敬し、いつか美しい飛行機を作り上げたいと、願っていたのだった。
 
 
そして、大学を卒業後、ドイツ留学を経て、航空技術者となった二郎。
 
飛行機の設計にのめり込む一方、ある夏、休暇として軽井沢を訪れる。
 
そこで、二郎が学生の時、関東大震災の最中に汽車で出会った菜穂子と再会する。
 
二人はすぐに恋に落ちるが、実は菜穂子は結核にかかっていたのだった。。。
 
 
果たして、再び戦争へと突き進もうとする中、二郎の「零戦」は完成するのか・・・
 
そして、二郎と菜穂子の運命の行方は・・・
 
 
 
日本だけでなく世界中に人気の宮崎駿監督作品。
 
あの「崖の上のポニョ」以来5年ぶりに発表し、そして、宮崎駿監督の最後の長編アニメと言われる作品です。
 
 
航空技術者として実在し、零戦の設計者である堀越二郎さんの人生をベースに、同時代を生きた文学者の堀辰雄さんをエッセンスに取り込んだ物語です。
 
関東大震災や不況に見舞われ、やがて戦争へと突入していく時代の中、二郎の半生を描いた作品。
 
震災の混乱の中で、少女・菜穂子と運命な出会いを果たすが、その菜穂子は当時の不死の病である「結核」に罹っていたのだった。
 
 
この作品、公開前は、零戦を作る主人公、また戦争へ向かう日本を「美化する」映画だ、などと言われましたが。
 
否、この作品は飛行機作りの夢を一途に追いかける「二郎」と、その彼を愛する「菜穂子」を描いた、非常にシンプルなラブストーリーやと思いました。 
 
こんな時代でも、一途にそして真っ直ぐに生きる、「二郎」と、そして「菜穂子」の姿が良かったです。 ★★★
 
 
また、主人公の二郎を始め、多くの男性の登場人物がタバコを吸う「喫煙シーン」も問題視されてましたよね。
 
これも、この時代はタバコを吸う男性が多かった事実に基づいての描写やと思いますし、こちらも的外れな批判やと思いました。