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1928年、アメリカ・ロサンゼルス。

シングルマザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)

彼女は電話会社に勤務しながら、9才になる一人息子のウォルターと暮らしていた。

ある土曜日、彼女はウォルターと映画を観に行く約束をしてたが、同僚に泣きつかれて断り切れずに休日を返上して仕事へ向かった。

しかし、夕方に彼女は帰宅すると、一人で留守番をしているはずの息子の姿はどこにもなかった・・・

クリスティンはすぐさま警察に通報するが、ロス警察からは捜査は明朝からだと素気無く断られる。

そして、誘拐か家出なのかも分からないまま行方不明の状態が続き、クリスティンは眠れない夜を過ごす。。。

それから5ヶ月、ようやく警察から遠く離れたイリノイ州で息子が発見されたとの報せを聞き、クリスティンは念願の再会を果たす。

だが、彼女の前に現れたのはウォルターではなく、なんと彼によく似た全く別人の少年だった。。。

すぐさま、少年が別人であることをロス警察のジョーンズ警部(ジェフリー・ドノヴァン)に訴えるが、「しばらく会わないうちに容貌が変わっただけ」「ストレスで自分の息子かどうか分からなくなってる」などと主張して、全く取り合わない。。。


果たして、クリスティンはウォルターと再び会えるのか・・・

そして、明かされていくロス警察の驚くべき体質・・・



クリント・イーストウッドが製作・監督を務め、主演にアンジェリーナ・ジョリーを迎えた作品。

1920年代のロサンゼルスで実際に発生した「ゴードン・ノースコット事件」の被害者家族の実話を元に映画化されたそうです。

題名の「チェンジリング」とは「取り替え子」という意味で、古くからヨーロッパで、自分の子供が別の子供に取り替えられるという伝承があるらしい。。


発見された少年が自分の息子ではないと警察に何度も主張するが、全く取り合わないどころか彼女を「精神異常者」として強制的に精神病院に収容してしまう警察。

当時のロサンゼルス警察の恐るべき体質が映し出されます。

事件の早期解決・そして功績を潰されたくないと考える警察・ジョーンズ警部。

自分たちに都合の悪いことはひたすら隠し通す隠蔽体質。


また、強制収容された精神病院内での拷問と思えるような行為の数々・・・やりきれない思いが続きます。

しかし、この警察組織に戦いを挑むクリスティンにも助けの手を差し伸べてくれる教会の神父(ジョン・マルコビッチ)や周囲の人々が現れます。

収容された精神病院でも、クリスティンと同じように警察に逆らったというだけで強制収容された女性が身を挺して彼女を助けます。


ラスト、結局ウォルターの行方は分からないままですが、彼女はずっと「帰ってくる」ことを信じ、「希望」を持って待ち続けたんでしょうね。。。


作品では、当時の警察や精神病院内での行いをまざまざと見せつけながら、ロス市内の街並み、街を走る路面電車、当時の生活様式・ファッションを細部にわたって再現しています。 

さすが、C・イーストウッド作品やと思いました。 ★★★★