先週土曜日、静岡市は強風の雨。
総目会は市街地で開催されるアートフェスで
万華鏡製作のワークショップを運営する予定だったが
朝からの荒天で中止となった。
土曜日は仕事で翌日曜日に参加予定だった私は
一人出勤なのをいいことに
仕事の合間を見ながらストレッチ運動に励んだ。
その日の夜
ちくちゃんと大好物の牡蠣を食べに行く約束をしていたので
待ち合わせに遅れぬよう 、終業時間きっかりに会社のドアを施錠。
“いざ、街中まで繰り出すぞ!”
意気込んでビルを出ようとしたその時
扉の向こうから激しく不気味な音がした。
ゴォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・。
空を激しくかき混ぜる強風の音だった。
ガラス扉越しに外を見ると、まるで台風のような荒天。
だが、台風の中、出歩いた経験は幾度もある。
牡蠣を諦めたくなかった私は
いきおいよく扉を開け、足早にバス停へと向かった。
が。
会社から出て5分も経たないうちに、やられた。
建物がない空き地の横を歩いていたその時
風速いくつだ?!と思うような、ものすごい強風にあおられた。
気を緩めたら傘と一緒に身体が吹き飛ばされてしまいそう。
風をさえぎる逃げ場もなし。
これば危険!と察知した私は
慌てて傘をすぼめ、両足でしっかり地面を捉え
前傾姿勢で腰に力を入れ風が止むのを待った。
恐ろしい強風音と共に雨は容赦なく降りかかる。
街灯越しに見た雨風は
白いベール状の生き物のように見えて
自分がそれに飲み込まれているような錯覚を感じた。
ちょっぴり怖かった。
風の止み間に急いで最寄りの建物の壁に避難。
強風は10数秒くらいしか吹いていなかったと思う。
だが、その僅かな時間で、全身は“シャワー浴びました”状態に。
“これは、牡蠣食べたいなどと言っていられる状況ではないかも”
そう思った私は、ちくちゃんに連絡をとるべく携帯へTEL。
だが、何度かけても 「電波が届かない場所にいるか・・・」 の
自動応答メッセージが流れるばかり。
ご自宅へかけ直すと、ちくちゃんのお父上が出た。
所在を聞くと、随分早い時間に出かけた、との返事。
そうか、ちくちゃんは牡蠣を諦めずに出かけたのか・・・。
ならば、私も向かおうではないか。
覚悟を決めて傘をバサッと開くと、ホネが明後日の方向を向いていた。
さっきの強風で一撃されたらしい。
さて、ここからが強風との戦い。
前衛アートと化した傘を差しながら、一路バス停へ。
強風は容赦なく吹き続けているが
まるで息継ぎをするかのように、一瞬静まることがある。
その一瞬を狙って、建物から建物へと早足で移動する私。
まるで忍者、いや、モモンガのようだな、と自分自身に苦笑した。
このモモンガ法でチマチマ移動した甲斐あって
私は無事に最寄りのバス停へとたどり着くことができた。
タイミングよくバスもやってきて
ようやく強雨から逃れることができた。
だが。
前述したように、全身ずぶ濡れである。
さらには、傘も前衛アート状態なのでうまく閉じない。
乗客の視線を避けるよう車内の隅っこに陣取り
髪やジャケットから冷たい水が滴るのを感じながら
傘ボネを 「えいやっ!」 と整骨する私。
整骨を終え、傘は何事もなかったかのようにすぼまった。
ようやく手持ちの手ぬぐいで全身を拭うことができたのだが
布はあっという間に水分で膨れ上がり
もうお腹いっぱいでーす、な状態に。
おそらくシャムワオでないと、この全身の水分は拭き取れまい。
10分ほどで市街地に到着。
運転手さんに “座席ビショビショにしてごめんなさい” と
心の中で謝りながら下車をする。
待ち合わせ時間に少々余裕があったので
地下街の100均ショップでタオルを買い
風呂上り状態な全身を拭きまくった。
ようやく滴りが収まり、なんとか落ち着きを取り戻したものの
全身がしっとりしていて気持ちが悪かった。
このままコインランドリーに直行して
全部脱いで乾燥機に突っ込みたい気分ではあったが・・・。
だが、牡蠣!
ここまで来たのだから、何が何でも牡蠣!である。
しっとりしながら待ち合わせ場所に行くと
ちくちゃんが待っていた。
「ちくちゃん、雨大丈夫だった?
私、心配になってお家まで電話しちゃったよ。」 と聞くと
「ああ、ごめんね。メールもくれたんだっけね。
私、全身疲れててさぁ、これはヤバイって思ったんで
さっきまでマッサージ行ってたんだよ。全身2時間コース!」
強風にあおられながらモモンガ法で移動し
風呂上り状態で傘ボネを整骨した身にとって
なんとも羨ましい話である。
が、それ以上羨むまい。
とにかく、牡蠣である。
予め牡蠣メニューがあることを確認してあったお店で
国内産の生牡蠣、蒸し牡蠣を食べた。
余力があれば焼き牡蠣も食べたかったのだが
合計4個の牡蠣で十分満足できた。
ああ、やっぱり出かけてよかった。
牡蠣以外のお料理を少々摘んだ後
早々にチェックを済ませ、馴染みのおでん屋へと移動。
美味しいビールとお惣菜2種、そして日替わりお汁をいただいた。
一から手作りされたクリームスープは
バターの香りがなんとも言えず食欲をそそる。
スープを完食する頃には
身体が温まり、全身のしっとり感も気にならなくなった。
気が付けば外の雨風も止み、ただの雨へと治まってた。
美味しいものを食べると、幸せな気分になる。
そんなこと改めて実感した夜だった。
そして、強雨予報が出ている日は
レインコートを持参して出かけよう、と学んだ夜だった。
シャムワオも忍ばせておくと便利かもね (≧▽≦)