郷ひろみファンにやっかまれた日 | ピロ日記

ピロ日記

徒然なるままに

旅行記や日々の想いを書き連ねてます

今宵もダンス練習。

市民文化会館の貸し会議室にあゆみんと二人
師匠のお手本映像を見ながらビートルズのダンスをお稽古。
何度も繰り返し練習する彼女のひたむきな姿が眩しい。
本当に良い人が入部してくれたなと思う。

21時、部屋を退出しいつものように裏口から帰ろうとした。
だが、いつもは静かな裏口の様子がおかしい。
見た目40以上の奥様連中が大勢
ガラス戸にベッタリ張り付いて動こうとしない。
私はそのドアを通らないと裏口に出られない。
一体何事?

…そうだった!
今日は隣の大ホールで郷ひろみのコンサートがあったんだっけ。

私が文化会館に到着したときには既にコンサートは始まっていたようで
裏口は全くノーガードだった。
練習会場に届け物をしに来てくれたIくんから聞くまで
コンサートが開かれていることすら知らなかった。

私の自転車は、まさしくコンサートを終えて会場を後にする
郷ひろみが出てくるであろう裏口の真ん前に置いてある。
でも、裏口はガードマンが立っていて、一般人は通ることができない。

仕方ないので表口から迂回して
会館裏の駐車場に入ろうと試みた。
だか、駐車場のゲート前にも
ピンク色のオーラを大放出したファンが集まり

大変なことになっていた。

あゆみんが私の自転車を心配をしてくれたが
多分何とかなるよ、と言ってその場で彼女と別れた。


ファンの垣根を越えて
私はゲート前に立つスーツ姿のガードマンに直訴した。
「あの~、この裏に自転車を停めているので通りたいのですが。」
案の定ガードマンの返事はNoだった。
「ここを通れるまでにどのくらいかかりますか?」
「あと20分くらいですかね。」
20分?!
そんなに待つのは嫌だ。
お稽古で疲れてるし
今日は荷物をたくさん持ってるから早く帰りたい。

すみません、と軽く頭を下げ立ち去ろうとするガードマンに
私は眉毛を思いっきり八の字にして食い下がった。
「私、郷ひろみのファンでも何でもないし
(ファンの山を指して)この人達とは無関係です!
今夜コンサートがあることも知らなくてここに来たんです!
着いたとき裏口には誰も居なかったから
今日も普通に裏口から入ったんです!」
その勢いに少し押されたのか
ガードマンのお兄さんは
「ここの会館の人ですか?」 と聞き返してきた。
「そうです。」と返事をすればよかったのかもしれない。
だが、変なところが真面目な性格ゆえ
「いいえ。ここの会議室を借りて踊っていた者です。」
と、事実であるが聞き手に疑念を抱かせるような答えを返した。
私の意味不明な返事に
ガードマンのお兄さんは解せない顔をしつつも
「迷惑被ってるんですね。いいですよ。」
と、ゲートを通してくれた。
やったー!
お兄さん、ありがとう。

だが、この後の周囲からの反響が凄かった。


「なんであの人だけ通れるのよーーー?!」
だって、裏に自転車置いてあるから。


「他の人と一緒にここで待たせなさいよーーー!」
だから、目当ては郷ひろみじゃなくて自転車だってば。


「あの人さっき、ひろみのファンじゃないって言ってたわよーーー!」
ええ、本当のことですから。
第一、もしファンであったとしたら
こんなジャージ姿で憧れの人に会おうなんて思いませんてば。


私は奥様方のやっかみ声を背中に
駐車場へと向かった。

しかし、ファンの勢いとは凄いものだなあ。
このパワーを電力に変えることができたら
日本の原発は要らなくなるんじゃないかしら。

裏口にたどり着くと
タクシーが何台も止まっていた。
その中に、おそらく、郷ひろみのために用意したものと思われる

銀色に輝くハイヤーが一台。


私が裏口にたどり着いたのと同時に

続々と関係者らしき人たちが出てきて
タクシーに乗車していった。
その流れの真ん中を突っ切るジャージ姿の女。
あまりにも堂々と突っ切ったので
ガードマンも怪しく思わなかったのか
私は制止されることもなく
自転車とともにゲートを出た。


会館の敷地内だけでなく
おそらく郷ひろみが車で通行するであろう道路沿いには
今宵のために着飾った大勢の奥様方が
憧れの人を一目見ようと陣取っていた。
いくつになっても
女性の熱狂パワーは最強なのかもしれない。
なんてことを考えながら文化会館をあとにした夜だった。


そういえば16歳の頃

大好きだったバンドのライブが同じく文化会館であって
ライブ終了後、あまり知られていない外堀側の通路から
こっそりと裏口の駐車場に回り

出待ちしたことを今思い出した。
その時はガードマンに見つかって追い出されたけどね。

ああ、あの頃の私と今宵の奥様方は同じ気持ちなんだろうなぁ。
何だか懐かしい気分になってきたよヽ(´ー`)ノ




追記

自転車を心配してくれたあゆみんに
ことの顛末をメールで報告したら
返事が来た。
「私は郷ひろみに会いたいです。」
…あゆみん、ファンだったのね(°∇°;)