子の引き渡しと監護者指定③ | 逆転裁判 ~連れ去られた子供を取り戻すまでの24ケ月~

逆転裁判 ~連れ去られた子供を取り戻すまでの24ケ月~

モラハラ夫と泥沼離婚裁判中に子供が連れ去りに合う!
子供を取り戻すまでの24ケ月間を綴った奮闘日記
誰かの参考になれば幸いです♪

百合子ですニコニコ

 

裁判官って月~金フル出勤するものだと思っていたが

 

非常勤裁判官という存在を今日初めて知ったどです!びっくり

 

非常勤の医者みたいなものなのかなー?キラキラ

 

前回はこちらでしたね

 

 

では続き書きますキラキラ

 

夫、子の引き渡しと監護者指定を取り下げる

 

「オレが監護者になるのが当然だ!おかしいだろう!」

 

調停室に夫の怒号が響き渡った。

 

一応今は離婚調停の時間なのだが、夫は子の引き渡しと監護者指定調停に対して大いに不満があったらしい。

 

子供が裁判所に行ってから2週間後に、調査官による家庭調査があった。

 

その日は平日なので、私と両親は会社を休み、子供は幼稚園を休んで全員家で待機していた。

 

約束より少し早く家のチャイムがなり、調査官が2人男女ペアで家にやってきた。

 

先に両親と話をするとのことなので、私と子供は隣の部屋で遊んでいた。

 

両親との話の内容が気になり、聞き耳を立てずにはいられなかった。

 

後から両親に聞くと、主に監護者(私)を日頃どうやってサポートしているのかを聞かれ、子供が家にいる時の様子を聞かれたと言っていた。

 

時間的にちょうどお昼に近かったので、子供と一緒に昼食を作って食べた。

 

その様子を調査官は見逃さず、一人がさりげなくキッチンに近づいてきた。

 

「お昼ですか?今日の献立はなんですか?」

 

「子供が冷やし素麺を食べたいそうなので、それを作ってます」

 

「食事の用意はいつも百合子さんですか?」

 

「基本的にはそうですね。母も作りますが。」

 

「子供の好物はなんですか?」

 

「そうですねー、オムライス、ハンバーグ、おそばが好きですかね。」

 

すかさず子供が「ママのオムライス食べたーい!」とナイスなフォローを入れてくれた。

 

すると調査官は子供の方を向き、「ママの料理好きですか?」と聞き、子供は「うん!美味しいんだよ!」と答えた。

 

心の中で子供に盛大な拍手を送った。

 

素晴らしい連携プレイだ。

 

食事を終え、今度は私と子供が調査官と話をする。

 

毎日何時に仕事終えて帰ってくるのか、朝食はいつも何を食べているのか、子供のお風呂は誰がいれてるのか、寝かしつけはどうやっているのか、子供のお気に入りの絵本はあるのか等々。

 

日々の日常生活を細かく聞かれ、子供にもちょいちょい同じような質問をした。

 

おそらく二人の答えに食い違いがあるかどうかの確認をするためだろう。

 

2時間程の家庭調査を終えて調査官はその足で、子供が通っている幼稚園に調査しに行ったらしい。

 

調査官にウソや誤魔化しは通用しないというのが家庭調査の印象だった。

 

家庭調査が終わって1ケ月経った頃、K弁護士から連絡が入った。

 

「本日調査報告書が出ました。」

 

「どうでしたか?!」

 

調査報告書が調停の結果を左右することを知っていたので、不安と期待が入り混じった気持ちでずっと日々を過ごしていた。

 

「基本的には百合子さんに有利な内容ですよ。ただ、旦那さんが申立を取り下げたんですよねー」

 

「……は?!取り下げたってどういうこと?!」

 

「う~ん、どうも調査報告書をみてすぐ取り下げを裁判所に申請したようです。勝てないと思ったんじゃないですかね?」

 

「いやいやいや!夫はそんな物分かりのいい人じゃないですよ!そんな素直に取り下げられると返って気持ち悪いですけど……。」

 

「まあまあ、どっちみち申立を取り下げた以上、子の引き渡しと監護者指定調停はこれで御終いです。」

 

「じゃあ、離婚調停と面会交流調停が残ってる状態ですね?子の引き渡しと監護者指定調停に関してこちらが何かすることはないんですか?」

 

「申立したのも旦那さんだし、取り下げたのも旦那さんなので、こちらがやることは特にないですよ。」

 

「そうですか……、わかりました。では引き続きよろしくお願いします。」

 

電話を切り少し茫然としていた。

 

「ありえない……。」

 

1人そう呟いた。

 

腐っても夫婦だったので、夫が調停に負けそうだから取り下げるなんて素直な性格じゃないことはよく知っている。

 

何か他に狙いがあるとしか思えないが、取り下げることによるメリットが思いつかなかった。

 

何かを見落としているような気がするのに、その正体がわからない。

 

調停に関しては一応勝ったけれど、喜びよりも悶々とした違和感の方が大きかった。

 

しかし弁護士から特にやれることがないと言われたら、私としてもどうすることもできない。

 

きっと自分が考えすぎなのだろうと、違和感を心の底に押し込めた。

 

1年後、私はこの時の違和感が正しかったことを思い知る。

 

あの時、もし私も監護者指定の申立をしていたら、子供を連れ去られることはなかったかもしれない。