2022年夏休み
春の学期が終了してから、
秋の学期が始まるまでの3ヵ月、
私はあることをする決意をし、
それに向けて
日々準備していた。
なにか?
カリフォルニア州の
葬祭ディレクター免許を取る
こと。
基本的にディレクターとか
アレンジャーの仕事の方に
興味はなかったんだけど、
Mortuaryの学校を出ているのに
ディレクター免許も持ってない
となると、
なんかあれかな~とか、
みんな取ってるみたいだしな~
といった曖昧な動機から。
それともう1つの理由としては、
確率は低いけど上手くいけば、
秋の学期で有利になるから。
これに関しては
ここで説明は省きますが、
とにかく、
Funeral Directorライセンスを取る
といった目標をつくり、
この夏休みの間に
コツコツと勉強していた。
その頃職場では
大々的なリモデルをやっていたので、
地下から1階、2階へと
上ったり下りたりを
1日20回も30回もするほど、
当時は毎日ヘロヘロだった。
なので帰宅すると睡魔に襲われ、
デスクに向かっても
3分もたずに居眠りしてしまう
なんてザラだった。
それでも夜中まで
珈琲飲みながら勉強の日々。
自分の勉強用として作ったファイル
ディレクターのライセンスを取る前に、
法律セミナーを受けることを
推進されていたので、
軽く勉強がてら受けてみた時の教材。
これを受けたお陰で、
アレンジャー修了書を
得ることができたので、
1つCertificateを取ることができた
事務局サイトの法律は、
こんなのが延々続く。。。

これを何百枚も読み続けるのが勉強。
あの頃ストレスマックスだったけど、
やるべき仕事をしっかりやる
目標達成に向けて努力をする
ということに希望を見出し
ひたすら続けた。
それなりに勉強した、
Certificateも取れた、
少し自信もついた頃、
時間も迫ってきていたので、
Testing Centerに連絡して
試験の予約をした。
葬祭ディレクター筆記試験
志願者ハンドブック
無事試験合格の際には、
この中央に
Funeral Director
と印刷されてライセンスが届く。
そしていよいよ試験日、
2022年7月27日がやってきた。
セキュリティーチェックを受け、
荷物は全て鍵付きロッカーへと移され、
洋服もポケットやフード無しと規制され、
私語も禁止で
1人ずつ席に案内される。
心臓はバクバクだったけど、
最初のインストラクションも終わり、
いざ試験問題が表示された。
問題はどれも長くて難しい。
問題読み終える頃には、
最初になに書いてあったっけ?
思うほど。。。
消去法でもまだ分からないくらい
激難しいので
どんどん焦る~
冷や汗も出る~。
こうして10問終えたところで
気づいた。
何一つ確信持てた答え、
なかったわ。。。
涙目、そして震える手で
最後まで終えてはみたものの、
話に聞いていた通り、
葬祭ディレクターの試験は
べら棒に難しかった。
終わる8分前
までネバってやっていたけど
何度読んでも
解らないものは解らないので、
落胆して試験を終わらる。
コンピューター室から出て
受付に戻ると、
結果をプリントアウトするから
そこでちょっと待ってろ言われた。
私は泣きそうだった。
もう待っているのもイヤで
ため息をついた時、
名前を呼ばれた。
すると受付の人が
1枚のペーパーを
裏返して出してきた。
その場で見たけど、
極度の緊張で読めないし、
結果がどこに書いてあるのかすら
見つけられない。
すると数字が目についた。
70
つーか、、、、
これって何点以上が合格なのよ。
試験結果は、
Pass か Not pass
って表示かと思っていたので、
数字を見て困惑。
通常の大学が70以上が
合格なのに対し、
うちの学部が75以上にしているのは、
国家資格が75以上合格だからだと、
過去に何度も書いている。
このディレクター試験も
75以上であれば
私は不合格じゃん。。。
そう思った瞬間、
膝はガクガクになり息切れがし、
その場でかがみこんでしまった。
あぁ、ダメだった・・・・
解決しないので、
力なく震える声で受付の人に聞いた。
すると彼女は答えた。
『You passed the exam.
Conglaturations!』
そして合格ラインの点数は
70点だと教えてくれた。
合格ライン70点なところ
70点でパスかよ!
ユーボンクラス以来の
危ない橋だったじゃないか

その後からは、
自分が一体どうやって
パーキングにたどり着いたか
記憶が全くない。
覚えているのは、
息切れ動悸がおさまるまで
車で待機していたことと、
恐怖と安心と緊張と様々な感情で、
目がウルウルしていたこと
だけだった。
そして翌日。
私は仕事だった。
一仕事終えて
2階のオフィスへ戻ると、
サンドがバカンジーとブリオに
何かの用紙を見せながら
話を終えた様子だった。
私が入って来たのをみると、
サンドがいつものように
ぶっきら棒にこう言ってきた。
『ピロもだ。これから全員
アレンジャーの修了書がいるから、
近いうちにこのセミナー受けて、
証明書持って来い、いいな!』
私はその用紙をチラッと見て、
彼が言い終えるか
終えないかのうちに、
サラッと言ってやった。
『あ~、この修了書ならわたし、
すでに持ってますんでっ』
そう、これこそが、
私がディレクターの試験前に
勉強がてら受けた
あの法律セミナーだった。
するとサンド、ハッとして
一旦は通り過ぎようとしたのに
えっと言わんばかりにこっちを見て、
2,3秒置いてからこう聞いてきた。
『もう持ってるの?
・・・・・。
もしかしてピロ、
ディレクター試験受けたのか?』
私は言った。
『受けたよ』
サンドがまた聞いた。
『受かったか???』
私は至って普通に返した。
『うん、受かった』
その瞬間、
サンドの顔が笑顔で満ち溢れ、
右手を差し出し
『Hey Piro!
Congulaturations!』
とハイファイブ。
そして少し離れたところの
デスクにいたピナに、
『ピナ!聞いたか?
ピロがライセンスを取ったぞ!!』
と大はしゃぎで言った。
ピナもこっちへとやってきて3人で、
『いや~、難しいよね~
ディレクターのライセンスは』
とか
『〇〇の問題が多かったよね~』
とか
試験についてのトークで
その場は大盛り上がり。
その間サンドもピナも、
何度も何度も
おめどとうを言ってくれた。
そして、
そんな盛り上がった空気の中、
オフィスの一部が
超ダークになっていた。
その一部とは他でもない、
真横のデスクにいた
バカンジー&ブリオの
バカップル地帯。
彼らはそれまでは
いつも通り仕事もせず、
ヘラヘラしながら
Youtubeをご視聴なさっていた。
しかし、
私のこの突然の発表により
ピタッと押し黙り、
顔は引きつり、
微動だにせず、
2人揃って
顔も上げられないまま、
我々3人が大騒ぎしているのを
目の当たりにさせられたのだ。
この夏休み、
バカンジーが
男と遊び回って調子に乗り、
職場から私を追い出し
ポジションを奪うという
愚かな事にせっせと励んでいた間、
私は地道に日々の勉強を続け、
葬祭ディレクターになり、
一瞬にして職場に光を下した。









そのお陰なのか、
以来サンドのあの悪い態度は一変し、
すっかり今までのように戻った。
その後、
7月終わりに提出した
試験合格リポートは、
8月にはライセンスという形で届いた。
Original License Funeral Director
もっと嬉しいことに、
このライセンスは職場に届いたので、
それを受け取ったピナは、
ランチタイムに皆を集め、
そこで私に手渡ししてくれた。
アンパンもブリオも
その時ばかりは、
『おめでとう!!
』
と言って歓迎してくれた。
バカンジーちゃんがいなかったのが、
非常~~~~~~~~に
残念で仕方ない。。。
でも大丈夫。
この後も、
まだまだ私の快進撃は
続きます。
お楽しみに