3まで続くとは思ってませんでしたが、前回までの記事はこちらをどうぞ。
『方向音痴1』 『方向音痴2』

私は晩酌のつまみを用意してママの帰りを待っていた。
いつもの時間を過ぎても帰って来ない。
1時間、2時間、、、、。
事故にでも遭ったのだろうか。

そう言えば私が18歳でまだ教習所に通っていた頃、
免許を取ったら当時ママが乗っていたクレスタを安く売ってくれる事になっていた。
そんなある日ママが血相変えて仕事から帰って来た。
『ピロ~!ごめ~ん!クレスタ事故ったわ!』
行ってみると、フロントガラス全体にクモの巣状にヒビが入り
全体が白っぽくなっている。
運転席の前だけ直径30㎝程の穴が開いていた。
『ど・・・どうしたの
ケガは
』
ママは言った。
『ケガはないわ~。さっきカーブで石を積んだトラックとすれ違った時に、
そのトラックから大きな石がフロントガラスに落ちて来たのよ~。
そしたら一瞬で前が見えなくなったから、窓から顔出して路肩に寄せて、
空缶で運転席の前だけ叩き割って帰って来たわ~』

『方向音痴1』 『方向音痴2』

私は晩酌のつまみを用意してママの帰りを待っていた。
いつもの時間を過ぎても帰って来ない。
1時間、2時間、、、、。
事故にでも遭ったのだろうか。

そう言えば私が18歳でまだ教習所に通っていた頃、
免許を取ったら当時ママが乗っていたクレスタを安く売ってくれる事になっていた。
そんなある日ママが血相変えて仕事から帰って来た。
『ピロ~!ごめ~ん!クレスタ事故ったわ!』
行ってみると、フロントガラス全体にクモの巣状にヒビが入り
全体が白っぽくなっている。
運転席の前だけ直径30㎝程の穴が開いていた。
『ど・・・どうしたの
ケガは
』ママは言った。
『ケガはないわ~。さっきカーブで石を積んだトラックとすれ違った時に、
そのトラックから大きな石がフロントガラスに落ちて来たのよ~。
そしたら一瞬で前が見えなくなったから、窓から顔出して路肩に寄せて、
空缶で運転席の前だけ叩き割って帰って来たわ~』


我に返った私は思った。
車が大破するような事故に遭っていたとしても、きっとママは無事だろう
次の心当たりは。。。

最近のママはとっても仕事が苦痛だと言っていた。
『死んでしまったら全部解決でスッキリする』
なんて言う時などもあって、鬱なのか、アル中なのか。。。と思っていたところだ。
しかし、アメリカから里帰りしている娘がいるのに死にに行くだろうか。
しかも、明日は懐石料理の予約があるし、
アメリカへ戻る前日はタラバガニのしゃぶしゃぶだって食べに行くことになっている


ふと気づけばもういつもの帰宅時間を3時間も過ぎていた。
私は会社に電話をかけてみた(当時は携帯なしな時代)。
アルバイトの子が、もう4時間くらい前に帰ったと言った。
絶対に何かあったな

私はおじぃちゃんとおばぁちゃんに電話をかけた。
『ねー、ママが帰って来ないんだけどー。もう4時間も前に会社を出てるらしい。
どうしよう、おばぁちゃん
』おばぁちゃんがおじいちゃんに代わるから待ってろと言ったその時、
外でママの車の音がした。
私は電話口で、
『あーっ
帰って来た
ごめん、また後で電話するねー
』と言って電話を切って外へ飛び出した。
運転席から出て来たママが開口一番にこう言った。
『はぁ~、参ったわよ~、道に迷っちゃって~
』私は呆れて言った。
『えっ
今更会社帰りに迷うの。。。
』

事情はこうらしい。
会社を出たらいつもの道が工事していて渋滞していた為、高速道路に乗ったようだ。
走っていたら分岐点でこんな標識が出て来たという。
東京方面 OR 名古屋方面
ママは思った。
『名古屋なんか連れてかれたらたまんないわ』
だからこの親子、
自宅がどっちに近いかで方向を判断する傾向にあるようだ。
しかし実際、ママの会社から家へ帰るには名古屋方面なのである。
↓
どんなに離れて暮らしていても、
違う国で同じ間違いを犯しているこの親子。
DNAを侮るなかれ

リンリンリ~ン
リンリンリ~ン
『はい~。〇〇ですが~』
『あぁもしもし、おばあちゃん。ママ、4時間道に迷ってたんだってさ
』
『
なんだ、今日は仕事休みだったのか
』
『うんん。仕事。5年も通勤している道で迷ったらしい』
『なんだよ~、ったくー
ガソリンスタンドで働いていて、道もわかんねーのかよーっ
』
『あ・・・あんまり関係ない気がするけど
、まぁ一先ず無事に帰ってきたから。
アメリカへ帰る前にママと一度そっちへ行くからねー。
おじぃちゃんにも言っといてー
』
アメリカへ帰る前にママと一度そっちへ行くからねー。
おじぃちゃんにも言っといてー
』
『はいよ~!道に迷わないで来いよー』
『う・・・うん・・・( ̄ー ̄
』ばーちゃん、抜かりないなぁ(;^_^A
