おっさん2人がGWの1週間前に突如思い立った

山口、福岡への車中泊の旅。

目的はひとつ。


旨い肴でお酒飲みたいよね



1つ前のお話


その2


センザキッチン、駐車場での朝。

前日、錦屋でしこたま飲んだ日本酒のおかげで、夜中に一回トイレで目が覚めたものの、よく眠れた。



朝6時。いつも通り。
ゴソゴソしながら、車のドアを開ける。
薄っすら冷たい空気が車内になだれ込む。
その空気に逆らうようにサンダルで外へ。


天気が良くなりそうだ。

トイレで用を足し、その足で海へ向かった。

海が朝日に照らされてキラキラ輝いている。


「あ〜、気持ちイイ‥」


他の車中泊メンバーもボチボチと起き始めているが、連れのおっさんに起きる気配はない。


センザキッチンが開くのは朝の9時。

まだ、2時間以上ある。


「ここでコーヒー飲んだら旨いだろうな」



連れを待ってもいつになるかわからない。

この気持ちイイ瞬間を逃すのも勿体無い。

LAWSONに行って、コーヒーを買った。

結局、コーヒーと一緒にパンも買って、海辺のウッドデッキに座って食べた。

贅沢なひととき。



8時過ぎ、やっと、連れも起きてきた。
9時まで待って、センザキッチンの
ひものや食堂 ひだまり
の「あさなぎ定食」を頂いた。


めちゃくちゃ旨そう。

おかわり自由です!」(お店の方)

味噌汁をひとくち。
優しい。
ご飯をひとくち。
ふわふわ。
鯵を食べて、また、ご飯。
美味しい
サワラ(たぶん)のメンチ。
そして、ご飯。
もちろん、美味しい。

先ほどパンとコーヒーを食べたにもかかわらず、あっという間にご飯をおかわり

朝からパン、コーヒー、干物の定食でご飯をおかわりすると、なかなか、お腹が膨れる。
その後、センザキッチンで休憩がてら買い物。
デッキから海を眺める。


ずっとここにいようかな?と思った時、

「天気よくなったから角島行こうか?」

と連れが言うので、
車に戻り、カーナビをセット。
海を片目に見ながら、アクセルを踏んだ。

しばらく走ると、角島大橋が見えてきた。
以前コマーシャルで使われたアレだ。
沖縄の海に引けを取らない美しさ。
こんなキレイな海が近くにあったなんて。


砂浜を歩き、波打ち際まで行く。
当たり前たけど、波しぶきまでが美しい。
こんなにキレイな海、
たまに見るくらいが丁度いいんだろうな、
なぜか、そう思った。
「また、来るね」と呟いて角島を後にした。

次の目的地は博多だ。
まず、向かったのが博多埠頭近くの

みなと温泉波葉の湯」。

地下800mからの大地の恵みに感謝しながら、身体の疲れと汚れをしっかりと落とした。

今日も

旨い肴でお酒飲みたいよ


を実践するべく、本日の宿泊地へ向かう。

正確に言うと、駐車場へ向かう。
もっと、正確に言うと、夜間駐車させて頂く、コインパーキングへ向かう。
つまり、コインパーキングで夜を明かすのだ。

コインパーキングに車を停め、櫛田神社でお参りをしつつ、博多駅方面に歩いた。


そして、博多駅の駅ナカ居酒屋へ繰り出した。

生2つ〜!

ゴマ鯖、モツの煮込みを冷たいビールでゴクゴクと食道から胃へと流し込んだ。
まさしく五臓六腑に染み渡る旨さ。

くう〜っ‥」


喉と胃腸の渇きをいったん収めた後、
店を出て博多の夜の街を歩いた。
若かったら放っておくこともないが、そういう歳でもないので、雰囲気だけを満喫して、次の店へ向かった。


次は「」というお店。
お店が出来て、まる2年。
感じの良い若い夫婦が営んでいる。
名刺にある通り、「お魚と素麺」がウリの居酒屋。


名刺の裏に、沖縄の方言と思われる言葉が書かれていたので、おそらく、旦那さんが沖縄のご出身なんだろう。


飲み物はジャスミン茶割。
(サンピンなんとかって言ってた気がする)
お通しがこちら。
このお通しのお吸い物がとても優しい。
ジャスミン茶割も優しく、いくらでも飲める。
居酒屋というより、丁寧な料理を出す、大人の和食のお店という印象。

目的の1つである素麺を頂こうかと、
奥さんに声を掛けると、

ほいよーっ!

の返事。
その返事が可愛らしく、とても好感が持てる。
注文はシンプルに鶏素麺。


しつこいが、
これもまた優しさの塊のような味わい。
博多に来たら、シメは豚骨ラーメンばい、と思うかもしれないが、この優しさの塊のような素麺でシメるのも良い。

全てが優しい食事を頂き、お店を出ようとすると、ご夫婦お二人でお店の外まで見送りに来て下さった。
食事の感想やお店のこと等を話しながら、

また来ますね〜

と挨拶して、「」を後にした。
もっと、ゆっくりしたかったな‥。
最初から、ココ来れば良かったな‥。
とは思ったが、また、来ればイイ。

アルコールで火照った顔に博多の夜の風が程よく心地よい。人通りも多い。
優しい食事と優しいご夫婦のお陰で、気持ち良い時間を過ごせて、今夜もよく眠れそうだ。
帰りにLAWSONでミネラルウォーターを買って、一口飲んだら眠りに落ちた。

朝、目を覚ますと、着物の人が歩いている。
なんだろうと、思ったら、
今日がまさしく、「博多どんたく」当日。
想定していかなかったサプライズ。
こんな都会なのに、町内会の若手と中堅、長老の上下関係がきちんととしていて、統制が取れている。みんな、キビキビと動いている。
懐かしくもあり、とても気持ちイイ光景。

祭りが始まってしまうと、動けなくなるので、その前に博多を脱出。(見たかったなぁ‥)




博多の中心地を脱出し、向かったのが
牧のうどん
今日の朝飯だ。

お店は朝から地元の人でいっぱい。
福岡の味、ということなのだろう。

モチモチでちゅるっちゅるのかき揚げうどん。
ただ、ボリューム満点で、おやじにはうどんだけで十分だった。


腹も膨れたので、糸島へ向かう。
ここも、とても海がキレイで最近では観光客が多い。オシャレなお店も点在する。
しかし、おやじ2人は夜の街には長居するが、自然の絶景地には長居しない特徴があり、今日もまた例外ではなかった。


おやじ達の旅も終盤。
昨夜、素麺、朝はうどんときたら、お昼は当然、ラーメンの選択肢しかない。

向かったのは佐賀の鳥栖にある、
ラーメン恵比寿




見た目こってりだが、味はさっぱりしていて、
ネギがシャキシャキで旨い。
1つ気を付けたいのが、店が古く換気が悪いので、店中モクモクとなること。
内緒にしても、絶対にバレるレベル。

ラーメンを食べながら、博多どんたくの様子をスマホで見る。参加者だけで、2万人超。
観光客は2日間で200万人超が見込まれているそうだ。

旅の最後の食事も終わり。
少しだけ、博多どんたくの雰囲気も味わえた。

旨い肴でお酒飲みたいよねを十二分に達成出来たことが何よりだった。

おっさん2人、事故ることもなく、健康を害することもなく、旨いものを食って、美味しい酒を飲めて、キレイな景色も見れた。

移動距離も長く、車中泊で、疲れが残り気味だったが、とても楽しい旅だった。

(おわり)