地獄のテスト週間も終わり、彼女の実習も終わった。
ブログは更新されなかったが、まだ僕たちは続いている。

結局、部にはバラすことにしてしまったが、それはそれで楽につき合えるようになったのだろう。

春休みには和歌山に行ったり、大会の後に九州旅行をしたりした。
先日付き合い始めて11ヶ月を過ぎ、もうすぐ一年がたとうとしている。

また新入生を迎える時期が来た。
去年死にそうになって、先輩だった彼女に助けてもらっていたあの新歓だ。
そして、当たり前のようにいた先輩たちがもういない。
別れの季節は終わった。

そう言ったものすべてを総合して考えるのは、彼女の卒業。
来年の新歓時期、彼女はもういない。
頭ではわかっているが、いったいどうなるのだろう。

部内に僕たちより後から付き合い始めたカップルが居て、彼らは今年離ればなれになった。
彼女と僕が離れる距離よりずっと遠い場所。

彼ら(といっても彼一人だが)の様子を見て自分もこうなるのかと感じていくのかもしれない。

僕たちは運良く、彼らより長い時間をともにしてから離れる。
離れても離れない絆を作って行けたらいい。


去年度はいろいろ失敗が多かった。
今年は勉強をきちんとして、毎日をきちんとして、残った時間を大切にしていきたい。

1219

僕の再試験が終わる。

彼女に支えてもらいながら、なんとか再試験が終わった。ほっとしたのもつかの間。彼女は友達と旅行にいくことになっている。バイトから帰ってきた彼女。すぐに旅行の準備をして出かけて行ってしまった。

彼女が人に求められると、できるだけ応えてあげよう、支えてあげようという性格なのは知っている。でも、やっと終わったのに、ここから3日間彼女とは離れ離れだ。


彼女と離れている数日の間に、こちらでは少し変化が起きる。

再試優先で行動していた結果、いろいろたまっていたやることを慌てて片付けることになる。

バタバタバタバタと動きまわる。

そんな中、部の先輩から「Tもリア充になったか」と話しかけられた。

確かに彼女のアパートで彼女の同級生に目撃されてから、彼女も吹っ切れたのか一緒に食堂でご飯を食べたりしていたわけだが…。

ただ、問題は26日に飲み会があるということ。

この日先生方は来ないため、飲み会が荒れることになるだろう。

彼女に相談したら、友達と一緒に考えてくれた。

ただ、最近どうも僕の心に余裕が無い。

ああでもない、こうでもないと二人で楽しそうに話されると我慢ができなくなってしまう。
本当に、最近ダメだなぁ。嫌われて行ってしまいそう。




22日の朝。

電話で起こしてくれた彼女に、昨日のことを謝った。

言い過ぎたこともそうだけれど、精神的に余裕が無い自分が好きになれなくて。

壊れてきている自分が本当に嫌で…。

イライラしている自分と接する彼女もかわいそうだし、いつもイライラしていては、接している向こうも楽しくないんじゃないだろうか。

そう考えて、「僕と付き合っててたのしい?」そんな質問をした。


夕方彼女が帰ってきた。

しかし、僕は家庭教師のバイト。

バイトが終わり、明日から出かける旅行の買い物をしていると彼女から電話。

寂しかった?なんて聞くもんだから、

いろいろ忙しくてそんなに寂しくなかった。

って答えておいた。

だってさ、やっと試験終わっても、いないんだもの。

僕の気持ち考えてくれてるのかなぁ、なんて少し拗ねていたりしたから。

まぁ、実際忙しくて、いつもより寂しさを紛らわすことができていたのも事実なんだけれど。

それだって、拗ねているってことの理由は…ねぇ。


そのまま、彼女はその友達の家(僕と同じアパート)に泊まる予定らしく、じゃあ、家庭教師の帰りに連れて帰ることに。


ところが、彼女の家に行ってみると、まだ準備ができていない。

彼女の部屋で洗濯物をたたむ手伝いをしながら彼女の準備を待った。

僕の準備がまだできていないんだけど…。

そして、当然ながら気づくこと。

明らかに彼女の表情がおかしい。

泣きそうな、かなしそうな顔をしていた。

時間をかけて、何度も質問したらようやく口を割った。


その日の朝、「僕と付き合ってて楽しい?」なんて質問したり、「忙しくてそんなに寂しくなかった」なんて言ったものだから、とても心配になったらしい。

今日一日中、心配で心配でしょうがなかったようだ。

ごめんね。

何度も彼女に説明した。

強がりや、自分の過去の失敗から来た質問だったこと。


そんなこんなしていたら、もう日付が変わっていた。

彼女のお友達の部屋に行くのはもう無理…。

彼女は僕の部屋にお泊りして、明日出かけることとなった。


ところが、僕の部屋はものすごく汚い…。

しかも、明日の準備が全くできていない。

服のコーディネートを一緒にしながら、深夜も深夜、就寝。


当然のごとく、二人で寝坊し、バタバタと車に荷物を乗せて出発!

なんとか、高速バスに間に合った。


815分発のバスに乗ると、12時くらいに広島についた。

郵便局の前で年賀状を売る親切な人達に予約したホテルの場所を聞くと、エビの匂いにするエレベータに乗って、なんだか臭い地下通路を通って、時々迷いながらホテルに到着。

とはいえ、ホテルのチェックインは15時。

一旦荷物を預けると、ホテルのロビー隣に設置されているパソコンで今日のお昼ごはんをどこで食べるか探す。


よさそうなお店を見つけると、そこへ向かう。

今回の旅から登場したビデオカメラで道中を撮りながら、進む。

今日の夜見る予定のイルミネーションをまだ光っていないものの見ることができた。

そして、予定のお店に到着。

全てカウンター席のお店。

二人で、和風とデミグラスソースのハンバーグを食べた。

目の前で作ってくれるハンバーグ。

どちらもそれぞれ美味しくて、ふたりともご飯をお代わりして食べてしまった。


ホテルに戻ってくると、まだチェックインできないため、今日の夕食の下調べ。

今日は一緒にイルミネーションを見た後に、一緒にお酒を飲もうという話。

幾つか候補を上げて、印刷しておいた。

そんなことをしていれば、15時。

鍵を受け取って部屋へ。

今日の部屋の番号は338

カップル用(別にカップルじゃなくても使えるが…)ダブルルーム。

ホテルの決め手は、朝食バイキングがついて、大浴場まであるのに二人で2泊しても2万円しないところ。

ホテルの外見は大丈夫かな、なんて思ったものだが、普通に綺麗だった。

彼女の荷物だけ入れて、彼女に一旦外に出てもらう。

今回から登場の(二回目)ビデオカメラで部屋に入るところを撮ろうとしたのだ。

「部屋の番号は?」

ビデオカメラを回し始めて彼女に質問をすれば笑いながら

338

と答えてくる。

だが、彼女がドアノブを握り、扉を開こうとすると問題が起きる。

「開かない…」

そして、彼女が自分で気づく。

「オートロック…!」

そう、鍵は中に入れたまま、扉を閉めて出てきてしまったのだ。

ビデオカメラを回している所で気づく彼女の表情。

二人して大爆笑。


彼女にビデオを渡して、僕は鍵を開けてもらいにフロントに行く羽目になった。


寝ぐせを直すためにシャワーを浴びると、僕はものすごく眠くなって、しばらく睡眠。

彼女はその間に大浴場へと向かった。


今日の飲み屋さんも決まったが、2230という遅い時間になってしまった。

グダグダしていて、それから準備をはじめ、イルミネーションを見に行った。

広島のドリミネーション2011の規模に驚きながら二人で写真をとってもらって歩きまわった。


途中で街中を歩き、買い物をしようとしたりしたが、出かける時間が遅すぎて、店がどんどん閉まっていく。

休憩がてら二人で一つ買ったブルーベリーのクレープは皮がパリパリでとても美味しかった。


寒い中、あちこち歩きまわり、結局喫茶店でコーヒーを一杯頼み、休憩。


2230頃になると、飲み屋さんに行って、90分食べ飲み放題を楽しんだ。


ホテルに変えれば日付が変わって、もう大浴場に行くことは不可能だった。

交代でシャワーを浴び、二人同じベッドで眠りに落ちた。

…少し進展もあったりする。


とりあえず、一日目が終わった。

後悔は、もう少し早めに出て買い物をすればよかったということ。

とはいえ、3日目の買い物でも買えなかったわけだから、原爆ドームの方に行ってみても良かったかもしれない。

それでも、彼女は珍しく腕を組んだり、手をつないだりしてきた。

大学付近では決してしない行為。

手を差し出せばつないでくれる幸福。

クリスマスがいよいよ始まるが、幸せな予感が心に生まれていた。






















今まで僕は、何人かの女性と付き合ったことはあるものの、クリスマスやバレンタインといった冬の時期を彼女と過ごす経験が全くない。



タイミングが悪いといえば悪いのだが、毎年クリスマスではなくクルシミマス、彼女とではなく家族と過ごすクリスマスになっていた。

決して家族と過ごすクリスマスが楽しくなかったわけではない。

ただ、小さい頃サンタさんからのプレゼントを楽しみにしていたり、クリスマスまでまだかまだかと指折り数えていたりというワクワク感は消えていた。



昔、僕の家にはクリスマス用のカウントダウンができるカレンダーのようなものがあった。
枠と言うか、敷居の上に障子紙が貼られていて、その障子紙に12月の1日から順に日付が書いてあり、毎日その紙の部分を破って敷居の中にあるマグネットの飾りを取り出す。
その飾りを、上のクリスマスツリーの絵のところに飾り付け、カウントダウンをするのだ。


そして、そのクリスマスツリーの絵が飾りでいっぱいになった日、つまり24日には家族とクリスマス会をする。



クリスマス会は僕や弟が広告の裏紙で作った予定表によって執り行われる。


広告でつくったその行事進行表を、半分に折り、セロハンテープをくるりと巻いて両面テープのようにすると、折り曲げた上端をそれで止め、広げた時下になる部分に紐をつける。


あとは、クリスマス会が始まると、紐を引っ張り、今回のクリスマス会の予定を親にお披露目する。


子供というのはどこか仕切りたがりな所があって、小学校で終業式なんかに教務の先生がやるように

始めの言葉からケーキカット、ケーキを食べる、食事、終わりの言葉まですべてそのとおりに執り行おうとする。


それにきちんと親も付き合ってくれて、美味しいケーキは食べられて、その日眠れば不思議なことにベッドの枕元にプレゼントが置かれている。


何度も「サンタさんが来るまで眠るまい、正体を見てやる」なんて頑張ったものの、結局一度もプレゼントが置かれるその時を見ることは出来なかった。


そして25日はまだ冬休みになっていないことも多かったため、プレゼントで遊びたいのを我慢しながら小学校へ。

学校へ行く途中はもっぱらプレゼントについて友達と語り合うことになる。


サンタさんの存在を信じていた頃は、いや正確にはサンタさんが存在していると信じていられた頃はクリスマスがワクワクで、不思議で、楽しくてしょうがなかった。


起きると、英語だっただろうか、筆記体で何やらサンタさんからメッセージが来ていることもあった。

英語のできない両親にしてはよくやったものだなぁと感心する今だが、当時の僕は本当に騙された。

全く読めない筆記体で書かれれば、本当に外国人のサンタはいるんだと喜んだものだった。


クリスマスが終われば、カウントダウンカレンダーの仕切りに「24日は星の飾り!ツリーのてっぺんにつけるの。」なんて言いながら再び飾りを入れ、障子紙を貼り、片付ける。

でも、大きくなるに連れて、ケーキを食べて、プレゼントをもらう日に変わっていってしまった。

いつしか、カウントダウンのカレンダーも、クリスマスツリーもなくなった。

子供の頃抱いた“不思議”というものによるワクワクは消えてしまっていた。



次第にワクワクのクリスマスから異性と過ごすクリスマスへと、クリスマスの意義が変わり始める。


カップルがデートをして、プレゼントを交換しあって、幸せなクリスマスを過ごす。


そういったものが同年代の友達の中で広まっていった。


ところが、その異性と過ごす喜びを僕が今まで得ることはなかったのだ。


付き合っても、なぜかクリスマスまで持たない。

それは、自分の気持ちが原因だったり、向こうの気持ちが原因だったり。


ただ、ものすごい焦りを感じていたわけでもない。

別に彼女とのクリスマスを知らない僕にとって、家族とのクリスマスが彼女とのクリスマスになったという、過ごす相手の変化くらいにしか思っていなかったからだ。


いや、そもそも実家にいた頃は彼女がいたとしてもクリスマスを一緒に過ごすのは難しかったかもしれない。

何しろ、ずっとそうしてきたのだから、急に今年は彼女と過ごす、夜遅くまで一緒にいるなどと許されるわけがないだろう。


そう考えれば、今まで僕がクリスマスに彼女と過ごすことも彼女と過ごすクリスマスの意味を知ることも無かったのは納得できるかもしれない。


今までのクリスマスに不満があったわけではないし、クリスマスというのはこういうものなんだろうと思い込んでいた。



そんな僕に 2011 年、変化が起きることとなる。