12月19日
僕の再試験が終わる。
彼女に支えてもらいながら、なんとか再試験が終わった。ほっとしたのもつかの間。彼女は友達と旅行にいくことになっている。バイトから帰ってきた彼女。すぐに旅行の準備をして出かけて行ってしまった。
彼女が人に求められると、できるだけ応えてあげよう、支えてあげようという性格なのは知っている。でも、やっと終わったのに、ここから3日間彼女とは離れ離れだ。
彼女と離れている数日の間に、こちらでは少し変化が起きる。
再試優先で行動していた結果、いろいろたまっていたやることを慌てて片付けることになる。
バタバタバタバタと動きまわる。
そんな中、部の先輩から「Tもリア充になったか」と話しかけられた。
確かに彼女のアパートで彼女の同級生に目撃されてから、彼女も吹っ切れたのか一緒に食堂でご飯を食べたりしていたわけだが…。
ただ、問題は26日に飲み会があるということ。
この日先生方は来ないため、飲み会が荒れることになるだろう。
彼女に相談したら、友達と一緒に考えてくれた。
ただ、最近どうも僕の心に余裕が無い。
ああでもない、こうでもないと二人で楽しそうに話されると我慢ができなくなってしまう。
本当に、最近ダメだなぁ。嫌われて行ってしまいそう。
22日の朝。
電話で起こしてくれた彼女に、昨日のことを謝った。
言い過ぎたこともそうだけれど、精神的に余裕が無い自分が好きになれなくて。
壊れてきている自分が本当に嫌で…。
イライラしている自分と接する彼女もかわいそうだし、いつもイライラしていては、接している向こうも楽しくないんじゃないだろうか。
そう考えて、「僕と付き合っててたのしい?」そんな質問をした。
夕方彼女が帰ってきた。
しかし、僕は家庭教師のバイト。
バイトが終わり、明日から出かける旅行の買い物をしていると彼女から電話。
寂しかった?なんて聞くもんだから、
いろいろ忙しくてそんなに寂しくなかった。
って答えておいた。
だってさ、やっと試験終わっても、いないんだもの。
僕の気持ち考えてくれてるのかなぁ、なんて少し拗ねていたりしたから。
まぁ、実際忙しくて、いつもより寂しさを紛らわすことができていたのも事実なんだけれど。
それだって、拗ねているってことの理由は…ねぇ。
そのまま、彼女はその友達の家(僕と同じアパート)に泊まる予定らしく、じゃあ、家庭教師の帰りに連れて帰ることに。
ところが、彼女の家に行ってみると、まだ準備ができていない。
彼女の部屋で洗濯物をたたむ手伝いをしながら彼女の準備を待った。
僕の準備がまだできていないんだけど…。
そして、当然ながら気づくこと。
明らかに彼女の表情がおかしい。
泣きそうな、かなしそうな顔をしていた。
時間をかけて、何度も質問したらようやく口を割った。
その日の朝、「僕と付き合ってて楽しい?」なんて質問したり、「忙しくてそんなに寂しくなかった」なんて言ったものだから、とても心配になったらしい。
今日一日中、心配で心配でしょうがなかったようだ。
ごめんね。
何度も彼女に説明した。
強がりや、自分の過去の失敗から来た質問だったこと。
そんなこんなしていたら、もう日付が変わっていた。
彼女のお友達の部屋に行くのはもう無理…。
彼女は僕の部屋にお泊りして、明日出かけることとなった。
ところが、僕の部屋はものすごく汚い…。
しかも、明日の準備が全くできていない。
服のコーディネートを一緒にしながら、深夜も深夜、就寝。
当然のごとく、二人で寝坊し、バタバタと車に荷物を乗せて出発!
なんとか、高速バスに間に合った。
8:15分発のバスに乗ると、12時くらいに広島についた。
郵便局の前で年賀状を売る親切な人達に予約したホテルの場所を聞くと、エビの匂いにするエレベータに乗って、なんだか臭い地下通路を通って、時々迷いながらホテルに到着。
とはいえ、ホテルのチェックインは15時。
一旦荷物を預けると、ホテルのロビー隣に設置されているパソコンで今日のお昼ごはんをどこで食べるか探す。
よさそうなお店を見つけると、そこへ向かう。
今回の旅から登場したビデオカメラで道中を撮りながら、進む。
今日の夜見る予定のイルミネーションをまだ光っていないものの見ることができた。
そして、予定のお店に到着。
全てカウンター席のお店。
二人で、和風とデミグラスソースのハンバーグを食べた。
目の前で作ってくれるハンバーグ。
どちらもそれぞれ美味しくて、ふたりともご飯をお代わりして食べてしまった。
ホテルに戻ってくると、まだチェックインできないため、今日の夕食の下調べ。
今日は一緒にイルミネーションを見た後に、一緒にお酒を飲もうという話。
幾つか候補を上げて、印刷しておいた。
そんなことをしていれば、15時。
鍵を受け取って部屋へ。
今日の部屋の番号は338。
カップル用(別にカップルじゃなくても使えるが…)ダブルルーム。
ホテルの決め手は、朝食バイキングがついて、大浴場まであるのに二人で2泊しても2万円しないところ。
ホテルの外見は大丈夫かな、なんて思ったものだが、普通に綺麗だった。
彼女の荷物だけ入れて、彼女に一旦外に出てもらう。
今回から登場の(二回目)ビデオカメラで部屋に入るところを撮ろうとしたのだ。
「部屋の番号は?」
ビデオカメラを回し始めて彼女に質問をすれば笑いながら
「338」
と答えてくる。
だが、彼女がドアノブを握り、扉を開こうとすると問題が起きる。
「開かない…」
そして、彼女が自分で気づく。
「オートロック…!」
そう、鍵は中に入れたまま、扉を閉めて出てきてしまったのだ。
ビデオカメラを回している所で気づく彼女の表情。
二人して大爆笑。
彼女にビデオを渡して、僕は鍵を開けてもらいにフロントに行く羽目になった。
寝ぐせを直すためにシャワーを浴びると、僕はものすごく眠くなって、しばらく睡眠。
彼女はその間に大浴場へと向かった。
今日の飲み屋さんも決まったが、22:30という遅い時間になってしまった。
グダグダしていて、それから準備をはじめ、イルミネーションを見に行った。
広島のドリミネーション2011の規模に驚きながら二人で写真をとってもらって歩きまわった。
途中で街中を歩き、買い物をしようとしたりしたが、出かける時間が遅すぎて、店がどんどん閉まっていく。
休憩がてら二人で一つ買ったブルーベリーのクレープは皮がパリパリでとても美味しかった。
寒い中、あちこち歩きまわり、結局喫茶店でコーヒーを一杯頼み、休憩。
22:30頃になると、飲み屋さんに行って、90分食べ飲み放題を楽しんだ。
ホテルに変えれば日付が変わって、もう大浴場に行くことは不可能だった。
交代でシャワーを浴び、二人同じベッドで眠りに落ちた。
…少し進展もあったりする。
とりあえず、一日目が終わった。
後悔は、もう少し早めに出て買い物をすればよかったということ。
とはいえ、3日目の買い物でも買えなかったわけだから、原爆ドームの方に行ってみても良かったかもしれない。
それでも、彼女は珍しく腕を組んだり、手をつないだりしてきた。
大学付近では決してしない行為。
手を差し出せばつないでくれる幸福。
クリスマスがいよいよ始まるが、幸せな予感が心に生まれていた。