毎年楽しみにしている鯖釣り。

今年も娘が夏休みに入ってすぐに、車で4時間先の港へ行ってきた。

引っ越す前からお世話になっている場所で、鯖釣りシーズンは師匠も来てくれてわいわい話しながらまったり竿を振るのが恒例となっている。

 

夜中1時位に出発して、日が昇る頃に釣り場近くのスーパーに到着。

トイレを済ませパンやおやつなどの軽食を購入。

最近の釣りのおともにしているのはブルボンのホワイトロリータ。

小さい頃にいつか目一杯食べたいと思ったことがあるが、最近その事を思い出しはまっている。

 

釣り場に着くと荷物を運んで一服。

辺りを見渡せば4組ほどの釣り人と地面にはびこる釣り糸や釣り針などのごみ。

私の師匠の師匠である方の、「まずは海に挨拶すること。釣り場に落ちているごみを拾ってきれいにすること。」という教えを私もまた教わり心掛けている。

お邪魔します、ちょっと遊ばせてもらいますので宜しくお願いしますの気持ちが大事。

 

早速竿を振って楽しんでいると、ひとりのおじさんがふらっと寄ってきた。

ポッコリお腹で白Tシャツにデニム。

海の吉田栄作・・・は言い過ぎか。

そして手には釣り竿のみ。

釣果に期待はしていないがとりあえず偵察しに来た近所の常連さんとみた。

この日はアタリがあまりなく群れが来ていない様子で、おじさんも今日は全然いないねぇと言っていた。

そして「釣れたらやるわぁ」といって竿を振り始めた。

「ははは~」と返したが数分後本当に釣って、うちのクーラーに入れてくれた。

なんと粋な・・・。

それだけではなく、海に落ちていた仕掛けや向こうから流れてきたバケツを釣ってこれもまた「まだ使えるよ」と渡してくれた。

柵があるし、そう簡単には狙えないような位置にあったのにいとも簡単に釣り上げるもんだからごみであることを忘れ感激してしまった。

押しつけがましくない優しさがとても紳士的だった。

今年は暑いだとか、鯖の好きな調理法だとか他愛もない話をし、「頑張ってね」と帰っていった。

海の事も魚の事も、釣り好きの人も大事にしてくれているんだなと感じた。

私の中の「素敵釣り人リスト」に追加された。

 

暫くすると私の師匠がやってきた。

今年は両膝の手術をして、術後間もないので決して無理をしないでください(むしろ来ちゃダメです)と言っていたのに会いに来てくれたのだ。

情けをかけられるのが嫌いなタイプなのであまり心配しすぎないようにしつつも内心は「いや来ちゃだめだろおおおぅ」となっていた。

お約束となっている娘とのおやつ交換の後、「馬は買ったか!?鞍やるぞ!」とお決まりのやり取りをし、近況報告しながらゆっくりまったり釣りをする。

ちなみに馬は買っていない。

そんな時間を過ごしているうちに、海が大好きな師匠だから多少無理してでも気分転換に来たかったんだなーと思った。

手術を経験したことがない私がわかることではないが、きっと落ち込みもしたし痛みやリハビリもきつかったと思う。

その日別れた後のメールには、「息している=生きているではない。久々に竿を振り楽しかった。海が人を繋いでくれた。」とあった。

強がりな方だけど、想像以上に気落ちしていたのかもしれない。

師匠が満足ならよかった。

この日は釣果がほぼなかったが、とても満たされた気持ちになった。

新しい出会いやこんな再会があるのも釣りが好きな理由のひとつだ。