今日は青空が広がり朝から気持ちがいい天気だった。
陽が出てくれると心も体も軽くなる。
育苗中の玉ねぎ苗ちゃんたちの日向ぼっこにもいい日和なので、外の簡易育苗棚へ運んだ。
この冬、雪かき以外でほとんど動いていないので軽いストレッチをして夫の薪割作業の傍ら枝切りを手伝うことにした。
のこを使うと中学時代の技術の授業を必ず思い出す。
当時の技術担当のK先生は、白髪交じりの短髪をふわっとかきあげて、身にまとった白い作業服の袖は手首よりちょっと上までまくっており、少し長めの裾は折り返したりせずそのまま弛ませ、首元からは控えめな金のネックレスが見え隠れしていた。
そしていつも大人のコロンの香りを嫌な感じひとつなくふわっと漂わせていた。
文章で表現するのが難しいが、これ見よがしに主張している様子はなく、仕事着を自分らしく自然に着こなしたイケオジと言ったところだ。
顔のしわと筋張った手が豊富な経験と男らしさを際立たせ、私は一目で憧れてしまった。
ひとたび工具や刃物を扱えばただただかっこいい職人の顔だった。
そういうわけで技術の授業では絶対に憧れのK先生に褒めてもらいたい!というなんとも安易な考えの生徒だったが、本当に技術の時間は楽しかった。
ある日の製図の授業の時にすぐ隣の席の男子が突然張り合い出してきた事があった。
「いつも製図早いな。」とは言われたことがあった。
彼は成績が良くスポーツが出来て負けず嫌いなのだ。
”!?こいつなんのつもりだ。私が一番に仕上げて絶対に褒めてもらうんだ!!”
恐らく彼には私のような不純な動機はなくただ真面目に取り組んでいただけだとは思うが、”こいつも先生に褒められたいのか!?”と敵意むき出しにしてしまった。
手に汗握る死闘の結果(大袈裟な記憶)、ほぼ同時に製図を終わらせた。
K先生は静かに2人の出来上がった図面を見て、「うん、いいよ」と一言。
褒められたいと言っていたが、実際にはわかりやすく褒められたことなどなくいつも口角をにっと上げて「うん、いいね」だった。
渋っ・・・✨
29年前のこんな小さなことを今になっても、のこぎりを手にすると思い出す。
K先生はのこぎりの授業でこう言ってたな、ああ言ってたな等と断片的によぎる。
ちょっと荒んでいた中学時代の私の、私だけのいい思い出だ。
▼美しいバウムクーヘン

