修二会椿のお菓子、食べ比べしてみました。 | お菓子な言葉

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東大寺二月堂のお水取りでは、僧侶たちが修行の一貫として
紙で椿の花を作られます。
二月堂のそばの開山堂にある古木の椿を模したものだそうです。
その椿は良弁椿と名付けられています。

修二会の今の時期、奈良市内の和菓子屋さんでは、
この椿を更に模したお菓子が作られます。

お店によって、「開山良弁椿(鶴屋徳満)」「糊こぼし(萬々堂通則)」
などと名付けられていますが、修二会椿、お水取りの椿とだけ
呼んでいるお店もあります。

今回手に入った5つのお店の椿を食べ比べてみました。


「千寿庵吉宗」製
千寿庵 
花弁は練り切り、赤い花弁が色粉の加減かスイカのような味が
する。白い花弁はシンプルな練り切りの味。
花心は黄身餡。黄身の味がほどよい。
花弁と花心のバランスは良いのだが、花弁の具合かいくぶん
もったりとした口触りになっている。(432円税込み)




「萬勝堂」製
萬勝堂 
今回の五店で唯一花弁が羊羹製。
赤い花弁の方が白よりやや甘味が強い。
花心は黄身餡だが、やや黄身の味は弱い。
花心の味自体は好き。
だが、羊羹生地とやわらか目の餡が口の中で
ばらけてしまう。(340円税込み)




「なかにし」製
なかにし 
こちらだけ二個あるのは、餡が黄身餡、白餡二種あったため。
花弁の練り切りは練りきりらしい香りで好きな味。
こちらも赤の方が白より甘い。
餡は、黄身餡がやや固めで黄身の味は弱い。
白餡が豆の味風味がしっかりしていてとても美味しい。
ただ、その持ち味が花弁花心一緒に食べると消えてしまい
ごく普通の練り切り製生菓子になってしまう。
(各々380円+税)




「鶴屋徳満」製
鶴屋徳満 
花弁はかなりしっかりした練り切り。
花心の黄身餡は黄身風味がしっかり。
花弁花心のバランスがとてもよく、上生菓子らしい上生菓子。
(500円+税) 今回最高値




「萬々堂通則」製
萬々堂 
花弁花心ともにとても柔らかい。
練り切りが粉の香りが残りややしゃりしゃりする。
餡は白餡? 黄身風味はなし。
全体的にとろっとした感じで口の中で溶けていく。
(400円+税)



なかにしさんは結果的に二つ買いましたが、
どのお店も「一つだけください」と言って買いました。
一つですが、どのお店も親切に対応してくれました。

一番包みなどが丁寧だったのが、鶴屋徳満さん。
箱も丈夫なものでした。
接客態度もとても丁寧で、たった一個買うのが申し訳ないぐらいでした。

なかにしさんは二つ買ったので、やはりしっかり目の箱入り。
二つの違いなども丁寧に説明してくださいました。

値段も税込みで340円から540円と幅があります。
羊羹生地の萬勝堂さんのものが一番安かったわけですが、
素材による値段の差でしょうか。
私の好みとしては、羊羹生地で餡を包むお菓子はあまり好きでは
ありません。

近鉄奈良駅から東向き商店街、三乗通り、餅飯殿通り、
を通りなかにしさんのある奈良町まで、和菓子屋さんを覗きながら
買い求めました。
予約が必要だとのことで買えなかった竹村さん
大好きな樫舎さんも訪ねられませんでした。椿あったかな?

和菓子は季節を表すもの。
お水取りの時期にはお水取りのお菓子。
二週間ほどしか店頭に並ばないお菓子ですが、
それぞれのお店が趣向をこらし競い合い、
更に美味しいものを作って欲しいですね。