大乗仏教の経典の「悲華経」には

阿弥陀如来が出家される前に」沢山の子供がいて

その長男が聖観音菩薩であると書かれています。

また、密教の経典には

観音菩薩は阿弥陀如来の化身であり、

阿弥陀三尊像の時は、阿弥陀如来の脇侍として

向かって右側に位置していると書かれています。

聖観音の頭の上に阿弥陀如来が坐しているのは

聖観音菩薩が阿弥陀如来の

「すべての人を必ず絶対の幸福に救う」

という本願を引き継ぐ仏様であるからです。

観音菩薩は、
お地蔵さまやお不動さまと共に
一般的に広く親しまれている仏様です。
美しい顔をした人や、心の優しい人のことを
「観音様のような人」という表現を使うことがあります。
これは、観音さまの優しさと
穏やかな眼差しをもって分け隔てなく、
全ての人の願いを聞き届けてくれる
慈愛に満ちた仏様であるところから形容されたことばです。
　また観音さまは観世音菩薩とか観自在菩薩
とも呼ばれていますが、
これはインドで呼ばれている名前、
アバロキシュバラをそのまま訳した名前です。
どのような小さな声でも、
心の中の叫び声でも少しも漏らすことなく感じ取り、
色々な悩みや苦しみを聞き取って救ってくださる仏様である
という意味と共に、
あらゆる階層の人々に警戒心を起こさせないようにして
近づいて行けるように、時と場合に応じて、
自由自在に姿かたちを変えて
救いの手を伸べて行くことができる仏様である
という意味をもっています。
　他人の意見を素直に聞ける人、
自分の意見に固執して、なかなか人の意見を聞かない人、
偉い人の言葉は信用するけれども
自分の認めていない人の言葉には全く心を開かない人等など
人の心は様々です。
観音菩薩は、
どのようなタイプの人でも分け隔てなく
救ってあげようとして、助
けを求める人々の環境やレベルに合わせて、
自分自身を返信させて、
人々の心にスムーズに入り込んでゆくことができます。

真言密教で読誦する教本の一つに観音経があります。
その中でも特に人々によく知られている章である
「普門品二十五偈」の中には観音菩薩を信じて、
一心に救いを求めることができれば、
その求める声に応えて観音菩薩は様々な奇跡を起こし、
私達を災難から救い出してくれると共に、
あらゆる苦しみから解き放ってくれる、
というようなことが延々と書いてあります。

その災難とは、外からもたらされてくる事故とか盗難、
様々な人災、自然が引き起こす災害などと共に、
自分自身で引き起こす
妄想や邪念による心の痛みや苦しみ、
義理に縛られて身動きできない苦しみなど、
人間界で起こりうるあらゆる災難のことです。

観音菩薩のマントラは

オン　アロリキヤ　ソワカ　　　　　　　